駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第7試合・Sバンタム級8回戦/○安田幹男[六島](3R1分44秒KO)シュンスク・サクブンタム[タイ国]●

安田は12勝(9KO)3敗2分。日本ランクからは外れているがWBC世界バンタム級16位のランクを持つ。00年にエディタウンゼントジムからデビュー。デビュー戦で敗れ、新人王戦でも西日本準決勝敗退に終わるなど若手時代は目立たぬ存在に甘んじたが、B級時代にはデスペラード泰[金沢]、楠浩明[Gツダ]という後のA級選手に連勝するなど実力の片鱗を覗かせる。03年2月にA級緒戦で敗れて長期ブランクを作るが、05年に六島ジムに移籍して復帰すると、以来負け無しで6連勝。06年には元世界ランカーのハイメ・オルティスを降して下位ランクながらWBCランキング登載され、07年7月の村井勇希[Gツダ]に勝利した試合はマニアの間で非常に評価の高いものとなった。しかしその後はプライベートの事情で1年余のブランクを作ってしまい、今回漸くの再起となった。
対するシュンスクは7勝(2KO)4敗とアナウンスされた。これが2度目の来日で、前回は今年3月、ジェロッピ瑞山[千里馬神戸]に1Rで3回倒される惨敗を喫している。
1R。安田はハンドスピード鋭いストレート、ジャブ、左ボディ、アッパーと自在の攻め。シュンスクは早々に地力の差を察したか、専守防衛気味の試合ぶり。
2R。安田はラウンド序盤からアッパー中心の激しい攻勢。しかし中盤からはガードを固めて自ら守勢に陥ってペースを見失う場面も。終盤、再びアグレッシブさを取り戻し、手数で圧倒し格好はつけた。
3R。激しい打撃戦で幕が開くが、ほどなく安田が優勢に立つと、ボディ連打から左アッパー→振り下ろしの右フックで完璧なノックダウン。10カウントでKO勝利となった。
安田がタイ人相手に試運転。短い時間の中で、実力の確かさをアピールして試合前半のKO勝利というノルマをクリアした。鋭いハンドスピード、回転と威力を併せ持つ連打は、やはり日本ランカー級以上。課題は2R途中で見せたように自らペースを乱してしまう所。