駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

興行全体の総括

メインは、よく言えば夛田の冷静、悪く言えば安全運転のボクシングに終始し、内容的には盛り上がりに欠ける試合内容になってしまった。事情はよく理解出来るのだが、それでも凡戦の謗りは免れまい。世界戦を名誉挽回の場として欲しい。 この日は全体的に男子…

第9試合・ミニフライ級契約ウェイト(47.0kg)6回戦/○夛田悦子[フュチュール](判定3−0)金慧除ナ[韓国]●

WBCアトム級11位の夛田は3勝(2KO)無敗のサウスポー、WBCLフライ級12位の金は2勝(2KO)3敗1分。夛田は7月、10月とタイ人を難なく降してこれがプロ4戦目。この試合が決まった後にWBAミニマム級(日本ではミニフライ級相当)の世界挑戦が決定し…

第8試合・Sフェザー級契約ウェイト(59.3kg)6回戦/●柳井育夫[大鵬](判定0−3)百木義文[江坂]○

両者戦績は柳井3勝(2KO)3敗3分、百木5勝(4KO)3敗。柳井は昨年9月に3勝目を挙げ、3つのドローを含めてB級昇格の資格を得た。かつて西日本新人王戦準Vの実績がある。百木は昨年4月に3年5か月振りの復帰を果たしたが敗れ、今回また10ヶ月開いての…

第7試合・フライ級6回戦/●西村崇[ヨシヤマ](判定0−3)鈴木遼[オール]○

両者戦績は西村5勝(1KO)4敗、鈴木4勝(0KO)5敗2分。西村は9月、11月と連勝して一気に6回戦へ台頭している。尼崎ジムから移籍の鈴木は、07年11月以来の復帰戦。 1R。鈴木は圧力かけてジャブ、フック連打。西村はヒット&アウェイで捌きたいが、主導権…

第6試合・Sフライ級4回戦/●北脇絵美[フュチュール](1R1分33秒KO)真道ゴー[クラトキ]○

両者戦績は北脇1勝(1KO)無敗、真道1勝(1KO)1敗。北脇は9月のプロデビュー戦でタイ人に判定勝ち。真道は5月のプロデビュー戦で先ほどの試合に出場した秋田屋に敗れるも、11月には韓国人選手を降して初勝利を収めている。 1R。真道は5月当時から動き一…

第5試合・Lフライ級契約ウェイト(48.5kg)4回戦/●谷美幸[フュチュール](4R1分53秒TKO)秋田屋まさえ[ワイルドビート]○

サウスポーの谷はデビュー戦、秋田屋は2勝(0KO)無敗。谷は07年度全日本女子アマ選手権Lフライ級優勝の実績がある。秋田屋は5月、9月と連勝して関西の女子4回戦選手の中では頭一つ抜けた存在。 1R。両者ロングレンジからの牽制。身のこなしは両者なか…

第4試合・バンタム級4回戦/○西口優太[森岡](1R1分26秒KO)池田典晃[エディ]●

西口は07年12月のデビュー戦で敗れて以来の試合で、未勝利1敗。池田はこれがデビュー戦。 1R。西口はスムーズな動きから左フック中心の変則的な攻め。初陣の池田は動き堅く、主導権を早々に手放して受身になってしまう。すかさず西口は右フック→左フック…

第3試合・アトム級4回戦/○田中奈浦子[フュチュール](3R1分32秒負傷判定3−0)山本和香奈[神拳阪神]●

田中は未勝利2敗、サウスポーの山本はこれがデビュー戦。 1R。両者大振りのオーバーハンドフック合戦で、荒れた立ち上がり。殆どヒットの無い粗い内容。山本は距離を取る際に、相手に背中を向けて一目散に逃げ回るような動きをするのが見栄え悪い。 2R…

第2試合・Sフライ級契約ウェイト(51.5kg)4回戦/○イトウシュンペイ[ワイルドビート](3R0分55秒TKO)あしたの友重[エディ]●

両者戦績は、イトウが未勝利3敗、友重が未勝利1敗。共に初勝利をかけての今年緒戦。 1R。イトウはただ「打つ」ばかりのワン・ツー攻勢で非常に乱雑。友重は足を使い、頭を下げながらワン・ツーを上下に見舞うが、こちらはいかにも非力で、顔面へのクリー…

第1試合・アトム級4回戦/○安藤麻里[フュチュール](判定2−0)上田千穂[博多協栄]●

安藤は未勝利2敗、西部日本地区からの遠征の上田はこれがプロデビュー戦。安藤は昨年の7月、9月と連敗している。 1R。足を使う上田と圧力かける安藤でクロスレンジ乱打戦。上田がラウンド前半は細かい連打で先制するが、徐々にアグレッシブな攻勢で安藤…

千里中央の読売文化ホールを常打ち会場とする、全国でも珍しい女子中心の興行も3回目。試合のクオリティ面ではマニアからは辛口の評価も多い女子ボクシングだが、世間の注目度は未だ健在のようで、今回も地上波のテレビカメラが入り、客席も概ね満席となっ…

興行全体の総括

フルラウンド判定は1試合のみという珍しい進行で、所要時間は2時間半。想定よりも短くなって、ちょうどいい塩梅に収まったか。 ダブルメインの主役の内、丸元は格下相手に無難な発進となったが、武本は痛恨の敗北。優劣不明、決め手に欠けるラウンドをズル…

第7試合・ミドル級10回戦/○丸元大成[Gツダ](2R1分51秒TKO)ヌンテップ・シットサイトン[タイ国]●

丸元は21勝(9KO)9敗1分のサウスポー。Sウェルター級でOPBF10位、日本5位のランカー。99年にデビュー。01年、2度目の挑戦となった新人王トーナメントではウェルター級西軍代表まで進出。音田隆夫[トクホン真闘]との全日本決勝は2RKOで敗れるも、…

第6試合・Sフェザー級10回戦/○木原和正[ウォズ](判定2−1)武本在樹[千里馬神戸]●

木原は9勝(4KO)1敗。05年末デビュー。2戦目が06年10月とブランクを作るが、2戦2勝で迎えた07年の新人王戦では5連勝でSフェザー級西軍代表となり、東日本代表の棄権により不戦勝ながら全日本タイトルと日本ランクを獲得。08年は3月のA級緒戦で大差判…

第5試合・フェザー級契約ウェイト(56.0kg)8回戦/○脇本雅行[高砂](5R2分45秒負傷判定3−0)森島祐介[岐阜ヨコゼキ]●

脇本は8勝(3KO)2敗のサウスポー。アマ時代に実業団選手権優勝の実績を挙げ、06年デビュー。この年を3連続KOでクリアし、翌年には勇躍新人王戦にエントリーするが、2回戦でこの年の西軍代表・村澤光[尼崎]に敗れる。再起後は6回戦で連勝するも、やはり…

第4試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.0kg)8回戦/●松田雄太[SFマキ](5R0分59秒KO)玉越強平[千里馬神戸]

松田は6勝(2KO)4敗1分の戦績でサウスポー。04年にデビュー、しかしデビュー戦が日高慎一[尼崎]、05年新人王戦の初戦で相手が翌年覇者の金丸清隆という相手運の無さもあって、4回戦を突破したのは07年11月の9戦目のこと。出世は随分と遅れたが、08年には…

第3試合・ウェルター級4回戦/●川端哲也[姫路木下](1R1分07秒TKO)越湖輝雄[千里馬神戸]○

両者とも未勝利1敗の戦績。川端は10月、越湖は5月にデビュー戦で敗れて、互いに出直しの試合。 1R。両者頭の位置が変わらず、拙守ゆえにヒット数の多い展開。共に不用意に顔面を前に突き出す危なっかしい態勢で、そこへ互いのパンチが掠めていく。短期決…

第2試合・Sバンタム級4回戦/○高野誠三[明石](4R2分32秒TKO)黒石昌司[江見]●

両者戦績は高野が3勝(2KO)1敗1分。サウスポーの黒石は2勝4敗1分。前年度西日本新人王戦バンタム級準Vの高野は、12月末に好ファイトで再起を飾った。しかし今年のトーナメントには不参加で、この試合にB級昇格を賭ける。黒石は初の京阪神圏登場。前回…

第1試合・Sフライ級4回戦/△岡崎雄[姫路木下](1R0分57秒負傷ドロー)内海係治[千里馬神戸]△

岡崎は昨年9月のデビュー戦で敗れて未勝利1敗、内海はこれがデビュー戦。 1R。岡崎がつっかける形で乱打戦へ。岡崎は前回同様拙守が目立ち、内海の大振りをもらってしまう。しかしクロスレンジで両者交錯した瞬間、偶然のバッティングで内海がスリップダ…

通常は神戸サンボーホールを常打ち会場としている千里馬神戸ジムだが、今年最初の自主興行は、場所を神戸市の「北区民センター・すずらんホール」に変えての“番外編”。3月に今回の会場の近くに暖簾分けされた新ジムを構えるにあたってのお披露目興行という…

第2部総括

小松は打たれ脆さが出て1RKO負け、本田は大苦戦の末の辛勝、奥本も良い所無く敗れるなど、Gツダ勢は内容・結果共に崩れ、まさに厄日の様相。これらの試合を含めて爽快な決着とは言い難い試合も多く、観客の期待度からすれば、少々肩透かし気味の興行に…

第2部第8試合・Sフライ級契約ウェイト(51.5kg)10回戦/●小松則幸[Gツダ](1R2分16秒TKO)ラタナポン・ソーウォラピン[タイ国]○

小松は24勝(10KO)5敗6分の戦績。現在はOPBFフライ級3位、日本同級1位。97年にエディタウンゼントジムからデビュー。新人王戦にはエントリーせず地道にキャリアを積み重ね、02年5月までに5つの引分を挟んで13連勝。同年9月に初挑戦でOPBFフライ級…

第2部第7試合・Sフライ級8回戦/○本田秀伸[Gツダ](判定2−1)太田垣雅之[オール]●

本田は29勝(14KO)6敗のサウスポーで、現在日本Sフライ級11位。94年のデビュー以来、順調に勝ち星を積み重ね、96年には日本Lフライ級王座を獲得。ノンタイトル戦を頻繁に挟む意欲的なマッチメイク方針の中で王座を返上するまで6度の防衛に成功する。しか…

第2部第6試合・Sウェルター級6回戦/●葉狩綱昌[Gツダ](判定0−3)津田修吾[塚原京都]○

両者戦績は葉狩5勝(3KO)2敗、津田6勝(4KO)6敗。葉狩は11月に6年7ヶ月ぶりの試合を4回戦ながら勝利で飾って、これが再起2戦目。津田は岩尾剛[泉北]との連戦を1勝1敗として、今年最初の試合に臨む。 1R。ミドルレンジでジャブ中心の静かな攻防。津…

第2部第5試合・Sバンタム級6回戦/●安本祐太[尼崎亀谷](2R2分39秒TKO)宮崎隆司[姫路木下]○

両者戦績は安本5勝(3KO)5敗3分、宮崎4勝(1KO)3敗。安本は07年10月、08年8月と連続ドロー。宮崎は08年9月に4勝目を上げてB級緒戦。 1R。ロング〜ミドルレンジでジャブ、ワン・ツー中心の攻防。様子見ムードだったが、ラウンド後半から安本が宮崎の…

第2部第4試合・フライ級4回戦/●奥本貴之[Gツダ](判定1−2)田中飛依[緑]○

奥本はプロデビュー戦とコールされたが、JBCのプロライセンスを取得する前にタイ国で2戦経験しており、“非公式かつ正確な”戦績は1勝(0KO)1敗。前回07年5月の対戦相手は、今日メインに出場しているラタナポンである。田中は5勝(1KO)1敗の戦績で、08…

第2部第3試合・Sフライ級契約ウェイト(51.5kg)4回戦/○内田悟[Gツダ](判定3−0)長野健次[尼崎]●

両者戦績は内田2勝(1KO)6敗3分、サウスポーの長野3勝(2KO)5敗1分。内田は11月に1年半振りの試合に敗れ、再起戦のやり直し。長野は12月に3勝目を挙げた。共にこれがB級昇格を賭けた一戦。 1R。両者足を使いつつ、ミドルレンジで牽制気味の打ち合い…

第2部第2試合・Sフェザー級4回戦/●竹田章人[Gツダ](判定0−3)岡島広和[オール]○

この試合は両者デビュー戦。 1R。竹田はラウンド序盤の打ち合いで右フックを豪快に決めて岡島ダウン。しかし再開後、岡島にボディ打たれると露骨に嫌がるシーンも。竹田もボディで逆襲して再び岡島を効かせるが、ラウンド終盤に再び腹を打たれて苦しい。 …

第2部第1試合・Sフェザー級4回戦/○片岡悠希[Gツダ](判定3−0)王田尚史[千里馬神戸]●

両者戦績は片岡2勝(0KO)2敗、王田2勝(0KO)5敗1分。片岡は9月に敗れて以来の再起戦、王田は11月にカムバック以来の初勝利を挙げている。 1R。片岡はスピード利してジャブを次々とヒットし、右ストレート、左右フックに繋げるが、この強打は粗い。王田…

第2部・「The 3rd GTカーニバル」(Gツダジム主催)概要&雑感

夜の部は、グリーンツダジムの主催興行。新体制での再スタートから1年も経たない内に3度目の自主興行開催に漕ぎ着ける辺りは、さすがに名門の底力といったところか。 今回の主役は、小松則幸・本田秀伸の日本ランカー両名。メインを張る小松は、元IBFミ…