駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

興行全体の総括

前座の4回戦は新グローブ効果かKO決着連発でスムーズに進行したが、出場選手の守備技術が伴うに従って試合が長期化。10回戦で争われた3試合は、途中やや冗長な場面を挟みながらも、試合の見所の多くは終盤に来るという、評価の悩ましい内容に。無茶を承…

第9試合・Lフライ級契約ウェイト(106ポンド)10回戦/○高山勝成[真正](9R3分08秒KO)マーティング・キラキル[比国]●

高山は20勝(8KO)3敗の戦績で、WBAミニマム級2位、WBC同級7位。00年にエディタウンゼントジムからデビュー、01年の新人王戦では西日本予選から6連勝で全日本Lフライ級新人王となる。02年も3連勝してデビュー10連勝を達成し、堂々と畠山昌人[協栄札幌赤…

第8試合・Sフライ級10回戦/●ユーシ・ウアパンサン[タイ国](判定1−2)小松則幸[Gツダ]○

ユーシは自称戦績17勝(11KO)6敗。タイ国フライ級王者で、OPBF同級12位。これが4度目の来日だが、過去3度の来日は久高寛之[Gツダ]、相澤国之[三迫]、大久保雅史[青木]にいずれも3〜4RでKO負けしている。 小松は22勝(10KO)5敗6分の戦績。現在は日本…

第7試合・Lフライ級契約ウェイト(107ポンド)10回戦/○武市晃輔[金沢](判定3−0)ロレン・デル・カスティーリョ[比国]●

武市は7勝(3KO)1敗の戦績。04年に東日本のドリームジムからデビュー、05年にはミニマム級で新人王戦にエントリーし、東日本新人王タイトルを獲得(全日本決勝は実施されず)。06年8月のA級緒戦ではいきなり元OPBF王者・山口真吾[渡嘉敷]に挑戦するが…

第6試合・ライト級6回戦/○鮫島康治[Gツダ](判定3−0)竹中聡[大鵬]●

両者戦績は鮫島15勝(6KO)2敗1分、竹中5勝(2KO)4敗1分。鮫島は日本ライト級8位&02年の新人王戦西軍代表。昨年は8月の海外遠征(VSランディ・スイコ)1戦のみに終わったが、久々の国内試合で再起を図る。竹中は12月に森下裕己[新日本大阪]に敗れ、連…

第5試合・Sフェザー級4回戦/●八木義昭[金沢](1R0分29秒TKO)川面勇輝[井岡]○

4回戦5試合のうち、この試合だけがオープン戦。両者ともプロデビュー戦だ。 1R。ルーキー対決らしい、いきなりの打撃戦。開始早々から互いにヒザがガクンと折れる痛打を浴びせ合う荒れた展開の中、川面の右フックが豪快にクリーンヒットしてノックダウン…

第4試合・Sフェザー級4回戦/○渡部“伊予守”雅之[金沢](1R2分58秒KO)永田圭吾[倉敷守安]●

両者戦績はサウスポーの渡部が1勝(0KO)2敗、3/16の緒戦をドロー勝者扱いでクリアした永田は3勝(1KO)2敗1分。 1R。クリンチ、膠着の多い大味な強打合戦。「当たれば一巻の終わり」という雰囲気を漂わせつつも、ラウンド全体を通じて決手を欠く攻防。こ…

第3試合・フェザー級4回戦/○川島潤也[金沢](判定3−0)林田直也[ハラダ]●

両者戦績は川島4勝(2KO)1敗、林田2勝(1KO)2敗1分。 1R。川島がラウンド序盤、左のジャブ起点にワン・ツーでヒットを重ねて優勢。だが徐々に距離を外されヒット数が減り始める。林田は自分の距離を掴んだか迎撃でヒットも奪い、終盤にはカウンターを綺…

第2試合・フェザー級4回戦/○大堀晃司[井岡](3R1分09秒TKO)安田善郎[大鵬]●

両者戦績は大堀2勝(2KO)1敗、安田1勝(1KO)1敗。 1R。大堀はゴング直後から攻勢に出て左→右フックでいきなりのノックダウン。試合再開後も追撃決めて早期決着かと思われたが、その後は守備に回った際の体の反応が鈍い所が出て一気に被弾が増え、良い流…

第1試合・ミニマム級4回戦/○濱口直哉[金沢](3R1分39秒負傷判定2−0)富永靖浩[ヨシヤマ]●

両者戦績は濱口3勝(1KO)1敗1分、富永2勝(0KO)4敗1分。 1R。富永は露骨に頭を低く下げてフック連打中心の攻勢。相変わらずメクラ打ち気味で乱雑だが、以前に比べてパンチの軌道が的を射るようになっては来ている。しかし濱口はラウンド序盤からアッパ…

ゴールデンウィーク前夜祭、と称すのが良いだろうか、平日ながら祝日を翌朝に控えた夜、府立第二で高山勝成[真正]の再起ロード第3戦が行われる。タイトルマッチ並の強気なチケット料金設定にも関わらず、後援会と固定ファンを抱えたジム・選手の興行だけに…

第2部総括

メイン・セミは期待に違わぬ好内容。セミではブランクを感じさせない松元の好調さが目立ったし、これを受けたメインではA級8回戦に相応しい一進一退の熱戦が展開された。相手の得意の攻撃を全て受け切って、最後の最後に再び攻勢に転じて押し切るというの…

第2部第9試合・ミドル級8回戦/○鈴木哲也[進光](判定0−3)福森智史[正拳]○

鈴木は18勝(13KO)7敗の戦績でサウスポー。現在はミドル級でOPBF4位、日本1位。99年デビュー、3連勝から00年度にSライト級で新人王戦に挑むも2回戦敗退。翌01年にはウェルター級で再挑戦するが、西日本決勝で丸元大成[Gツダ]に敗れる。再起後は6回戦…

第2部第8試合・Sウェルター級6回戦/○松元慎介[進光](3R2分06秒KO)丸野琢哉[守口東郷]●

両者戦績は松元12勝(3KO)4敗1分、丸野は6勝(3KO)6敗1分のサウスポー。松元は06年12月の日本Sウェルター級王座決定戦で敗れて以来、1年5ヶ月ぶりの再起戦。丸野は昨年12月に、メインに出場する福森智史との、初戦ドローを経ての決着戦で敗れて以来の…

第2部第7試合・Sバンタム級6回戦/●倉田稔[進光](判定0−2)松井博史[奈良]○

両者戦績は倉田4勝(0KO)1敗1分、松井4勝(2KO)1敗。倉田は昨年5月、新人王戦でドロー敗者扱いに終わって以来の再起戦。松井は昨年4月、11月と連勝。新人王戦の参加資格もあったが6回戦昇格を選択した。 1R。ミドルレンジ中心の打撃戦だが、パンチ力…

第2部第6試合・Sフライ級6回戦/●早野吉男[尼崎亀谷](判定0−3)吉田ファンキー[奈良]○

両者戦績は早野5勝(0KO)11敗1分、スイッチヒッターの吉田は5勝(2KO)1敗1分。早野は昨年4月の中日本遠征以来の再起戦。03年に新人王予選で挙げた白星以来、実に5年近く勝利から遠ざかっている。現在はドロー1つを挟んで7連敗中。吉田は昨年の新人王…

第2部第5試合・ミドル級4回戦/●水山奉和[進光](1R1分36秒KO)庄司卓司[大星森垣]○

両者戦績は水山1勝(0KO)無敗、庄司3勝(3KO)3敗。 1R。ガードの甘い両者、いきなり有効打を交換する激しい展開。しかし庄司が左ストレートでダウンを奪い、先制。再開後、距離が掴めず空転が目立つ水山に大して庄司がタイミング良くワン・ツーを浴びせる…

第2部第4試合・Sフェザー級4回戦/○吉野典秀[進光](判定3−0)木村由貴紀[ホワイトフォックス]●

ここから2試合は新人王予選。両者戦績は吉野1勝(0KO)無敗1分、木村1勝(1KO)4敗1分。 1R。木村がアグレッシブに圧力・手数で攻めるが、吉野が迎撃してヒット数で互角以上。攻勢点で優位の木村とで採点要素の上では際どい。吉野は右を有効に使えている…

第2部第3試合・ライト級4回戦/●小浦佳斗[進光](判定1−2)川本昴[金沢]○

両者戦績は小浦1勝(0KO)4敗、川本1勝(1KO)2敗1分。小浦は昨年11月に念願の初勝利を果たした。川本はここ2戦ドロー、敗戦と、丸1年勝ちから遠ざかってしまった。 1R。ロングレンジでジャブを捨てつつ、牽制気味の展開。川本が左ストレートで先制し、…

第2部第2試合・フェザー級4回戦/△金沢裕二[進光](判定1−1)相原圭帆[金沢]△

金沢は昨年9月のデビュー戦で敗れて未勝利1敗、相原はこれがデビュー戦。 1R。相原はロングレンジからヒット&アウェイでフェイントをかけつつの強打狙い。精度もなかなかで終始先手。金沢はジャブ起点に連打を出すが、相原のステップに捌かれる。 2R…

第2部第1試合・バンタム級契約ウェイト(52.5kg)4回戦/●真鍋裕毅[進光](判定1−2)島田礼[金沢]○

サウスポーの真鍋は昨年6月のデビュー戦に敗れて未勝利1敗、島田はこれがデビュー戦。 1R。クリンチ・空振りの多い噛み合わない打撃戦。島田が僅かながら前へ出る姿勢が強い。ヒット数は殆ど無く、空転続きの中で早くも凡戦ムードが…… 2R。距離感の芳…

第2部「ダイナミックボクシング」(進光主催)概要&雑感

夜の部は、これまで毎年4月の平日に府立第二に開催されて来た進光ジムの定例興行。かつては所属選手VS東南アジア人の構図が目立ったこのジムの興行だが、昨年9月の前回興行からオール日本人のマッチメイクに一新。今回も全18選手全てが西日本地区所属であ…

第1部総括

新型グローブ効果か、7試合中4試合がKO決着、残る3試合のうち2試合でダウンシーンがあるなど、見応え十分の好内容となった。所要時間も2時間半で収まり、実に理想的な興行と言えるだろう。 好パフォーマンスの選手は、セミで凄みすら漂わせる戦い振り…

第1部第7試合・ライト級契約ウェイト(60.0kg)8回戦/●川波武士[大鵬](2R2分59秒TKO)森下裕己[新日本大阪]○

川波は11勝(6KO)2敗1分の戦績で、現在は日本Sフェザー級6位。02年にデビュー、連続KO勝利を挙げて03年の新人王戦に挑戦、緒戦を突破するも棄権でリタイヤ。翌04年の再挑戦は初戦敗退でプロ初黒星と挫折を味わう。1年2ヶ月のブランクを経て05年に復帰し…

第1部第6試合・Lフライ級契約ウェイト(48.0kg)8回戦/○堀川謙一[SFマキ](判定3−0)諸一宇[尼崎]●

堀川は15勝(4KO)5敗の戦績で、OPBFミニマム級4位、日本同級1位。WBCではLフライ級34位の下位ランクに登載されている。00年デビュー。01年から新人王戦にチャレンジし、この年は準決勝敗退、02年初戦敗退、そして04年にLフライ級西日本新人王となる(中…

第1部第5試合・Sフェザー級8回戦/●上原裕介[大鵬](2R0分51秒TKO)岩下幸右[Gツダ]○

上原は12勝(6KO)6敗1分の戦績。02年にデビュー。緒戦から4連勝でB級昇格、更に3戦で6回戦を2勝してA級昇格までは順調なもの。そこから連敗、負傷ドローと一時停滞するも、05年9月からA級で全てノーランカー相手ながら5連勝をマークと着実にキャリ…

第1部第4試合・フライ級契約ウェイト(49.5kg)6回戦/△中澤翔[大鵬](判定1−1)野口貴史[大阪帝拳]△

両者戦績は中澤8勝(1KO)3敗1分でサウスポー、野口5勝(0KO)5敗。中澤は昨年末の新人王全日本決勝からの再起戦。06年の西日本新人王戦準Vの野口は昨年末に1年3ヵ月振りの再起戦を勝利で飾って、今回が初の6回戦。 1R。野口が早々に攻勢仕掛け、中澤…

第1部第3試合・ウェルター級4回戦/○小林勇介[仲里ATSUMI](2R2分09秒TKO)横田繁[塚原京都]●

小林はこの新人王戦がプロデビュー戦。横田は1勝(1KO)3敗。 1R。小林はガードが低いが、スピード優位を活かして先手でジャブ、ストレート。横田はブロッキングが不得手で、徐々に後手に回って攻める機会を奪われ劣勢。終了ゴング前には小林がワン・ツー…

第1部第2試合・Sライト級4回戦/○田中敦朗[塚原京都](判定2―0)楯野祥之[大鵬]●

両者戦績は田中1勝(1KO)4敗、楯野1勝(1KO)無敗でサウスポー。 1R。両者手数のスピードは今一つだが、ガードの甘い所も手伝って、ストレート系の強打が互いによく当たるハイスコアの展開に。ラウンド序盤に田中が打ち合いの中で右カウンターでノックダウ…

第1部第1試合・Sバンタム級4回戦/○河本貴至[井岡](2R0分54秒TKO)梅本光[倉敷守安]●

両者戦績は河本2勝(2KO)無敗、梅本3勝(0KO)無敗1分。 1R。中間距離、梅本が先手でジャブ起点に強打を狙うが間合いが合わない。河本もジャブから強打を狙うが、こちらは手数が少なめ。梅本が軽打中心ながら手を出し続けて主導権は確保か。 2R。このラ…