駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

2008-01-01から1年間の記事一覧

興行全体の総括

前座は内容のあるKO決着連発で小気味良く進行、しかし8回戦に入って凡戦が多くなってしまってどうなるかと思われたが、メインが大熱戦となって「終わり良ければ全て良し」となった。久田はA級の長期戦が水に合うのか、日々の鍛錬によるスキルアップと相…

第9試合・フライ級契約ウェイト(50.0kg)8回戦/○久田哲也[ハラダ](判定2−1)戎岡淳一[明石]●

久田は10勝(4KO)4敗の戦績。03年デビュー、新人王戦では04年に緒戦で本田猛[尼崎]に敗退、05年度も、西日本準決勝で後の全日本新人王・奈須勇樹[Gツダ→角海老宝石]に同年の西日本新人王戦でも屈指の激闘の末に敗退した。その後は不調の時期もあったが、徐…

第8試合・バンタム級8回戦/●チャットーン・ギャットトーボーウボン[タイ国](6R0分19秒負傷判定0−3)ジェロッピ瑞山[千里馬神戸]○

チャットーンはOPBFバンタム級10位にランクされる選手だが、過去の来日戦績は日本ランカー級選手を中心に3戦して未勝利3敗。しかし判定まで粘った試合が2度あり、ランキングなりの試合内容はメイクしている模様。 今回は青コーナーに下ったジェロッピ…

第7試合・Sフェザー級8回戦/○森川弘幸[高砂](6R1分19秒TKO)大庭宏之[西遠]●

森川は8勝(1KO)5敗1分の戦績。4回戦時代は新人王戦で2年連続予選敗退と平凡な戦績に終始したが、06年9月、12月に6回戦を連勝すると、07年4月の初8回戦でプロ入り初のKO勝ちと徐々に台頭。その後は2度の日本ランク挑戦に失敗するも、骨のある相手…

第6試合・バンタム級8回戦/●ペットクロンパイ・ソーターンティップ[タイ国](2R2分48秒KO)帝里木下[千里馬神戸]○

ペットクロンパイは自称戦績15勝(4KO)18敗2分で、タイ国Sフライ級1位。国内王者の経験もある。今回15回目の日本遠征となるが、来日成績は1勝12敗1分と露骨なものである。今年11月には丸山大輔[筑豊]に判定負けしたばかり。西日本には07年11月の名城信男…

第5試合・ライト級8回戦/○山下将臣[高砂](7R0分39秒TKO)長屋洋[岐阜ヨコゼキ]●

山下は9勝(3KO)4敗1分。04年にデビュー、06年に新人王戦にエントリーするも準決勝でこの年の西軍代表・山本敏充[江坂]に敗れる。タイ人相手に6回戦を連勝してA級入りするが、一進一退の成績。08年3月の木原和正[ウォズ]戦は完敗を喫して初のランキング…

第4試合・Sフェザー級6回戦/●平尾彰敏[ハラダ](2R2分56秒TKO)福岡孝太[明石]○

両者戦績は平尾5勝(2KO)4敗、福岡4勝(3KO)1敗。平尾は7月に約1年ぶりの試合を勝利で飾ってB級で1勝。福岡は西日本新人王決勝で判定負けして以来の再起戦。既に5回戦を経験しており、来年度の新人王戦出場の資格は消滅している。 1R。平尾がラウン…

第3試合・Sフェザー級契約ウェイト(57.5kg)6回戦/○脇本雅行[高砂](判定3−0)大木良祐[千里馬神戸]●

両者戦績はサウスポーの脇本が7勝(3KO)2敗、大木6勝(2KO)4敗。脇本は3月にタイ人を難なく降したものの5月に不覚のTKO負けで2敗目を喫し、今回が再起戦。大木は7月に1勝を挙げて、昨年11月の敗戦からの再起を果たしている。 1R。ロングレンジ中…

第2試合・Sバンタム級契約ウェイト4回戦/●村木雅[西遠](3R0分59秒KO)高野誠三[明石]○

両者戦績は中日本から遠征の村木が2勝(1KO)1敗、高野2勝(1KO)1敗1分。村木は8月に初の敗戦を喫して、これが再起戦の形。高野は西日本新人王戦で決勝まで進出するも望み断たれ、こちらも今回が再起戦。 1R。高野はスウェー、ヘッドスリップ、ステップ…

第1試合・フェザー級4回戦/●徳永章宏[高砂](判定0−2)踊瀬恵輔[タキザワ]○

両者戦績は徳永1勝(1KO)無敗、中日本より遠征の踊瀬が未勝利1敗。両者ともデビューは今年7月だが、明暗分かれた形となっている。 1R。踊瀬はいきなりの猛ラッシュ。ボディへのフック連打を時折上にも散らしてクリーンヒット連発。しかし威力は小さそう…

西日本地区のボクシング興行もこれが“千秋楽”。今年の年内最終興行は高砂ジム主催の地元興行。東播地区ではお馴染みになりつつある高砂市総合体育館が今回も会場に選ばれた。全9試合・計60Rとボリューム十分のマッチメイク。日曜昼間からの1回興行でこそ…

興行全体の総括

野中は大差判定勝ちで初防衛。落としたラウンドは微差で、獲ったラウンドの多くは大差。全く文句のつけようの無い完勝で、来年以降の展望も大きく開けた。三十路を過ぎて遅咲きの花が満開だ。オール判定決着でやや爽快感に欠ける内容となったのは残念だが、…

第6試合・日本Sウェルター級タイトルマッチ10回戦/○《王者》野中悠樹[尼崎](判定3−0)音田隆夫[一力]《挑戦者・同級1位》●

王者・野中は16勝(6KO)7敗2分のサウスポーで、現在はOPBFでも2位に在る。99年デビュー、01年・02年と新人王戦にエントリーするが、少人数のトーナメントを勝ち抜くに至らず、4回戦時代は勝率5割近辺をうろつく平凡な戦績に終始した。しかし03年に6回戦…

第5試合・Sフライ級8回戦/○本田猛[尼崎](判定3−0)松元雄大[Gツダ]●

本田は11勝(8KO)3敗4分の戦績。02年にデビュー、03年・04年と新人王戦にエントリーし、04年には西日本決勝まで進出するが、久高寛之[Gツダ]に敗れた。その後は6回戦で4戦足踏みを強いられたり、昨年エントリーしたA級トーナメントでも緒戦を勝ち上がる…

第4試合・Sバンタム級6回戦/○白井康太[尼崎](判定2−1)岡田壮平[正拳]●

両者戦績は白井は3勝(2KO)3敗2分、岡田4勝(0KO)2敗1分。白井は9月に3勝目を挙げ、2つのドローも含めてB級昇格の資格を満たした。岡田は引き分け込みで4連勝していたが、B級昇格後は昨年10月と今年3月に敗れており、そろそろ正念場か。 1R。白…

第3試合・Sフェザー級4回戦/○渡部“伊予守”雅之[金沢](判定3−0)森田登[正拳]●

次年度の新人王戦に出場予定の両者の対戦。渡部は3勝(2KO)3敗でサウスポー、森田は3勝(1KO)1敗1分。渡部は今年に入って4月、9月と連勝し本格化の兆しも。森田は今年の新人王戦こそ緒戦で敗退したが、その後は6月、8月と連勝中。 1R。森田は頭低く…

第2試合・フェザー級4回戦/●早野真司[尼崎](判定0−2)舟木隆太[オール]○

両者戦績は、早野が未勝利1敗、舟木1勝(0KO)無敗1分。早野は07年4月以来の復帰戦でいきなりの強敵相手。舟木は新人王予選緒戦でドロー敗者扱いとなって以来、9ヶ月ぶりの再起戦。 1R。早野はガンガン圧力をかけ、左ボディなどで手数を浴びせてゆくが…

第1試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.0kg)4回戦/○藤谷丈[尼崎](判定3−0)加治裕樹[尼崎亀谷]●

藤谷は未勝利1敗、加治はこれがデビュー戦。藤谷は9月にデビュー戦を迎えたが敗れている。 1R。加治はダッキング、パンチなど大きな動きで燃費の悪そうな印象。藤谷はクリンチして膠着に持ち込み、ショートで手数稼ぎ、終了ゴング前にはアッパーで有効打…

毎年、春と夏の2回が定例の尼崎ジム興行だが、この年末に“臨時版”となる3回目が、ホームグラウンドの尼崎アルカイックホール・アクトで開催された。これは去る9月に日本Sウェルター級王座決定戦を制し、チャンピオンの座に就いた野中悠樹が、JBCルー…

興行全体の総括

鈴木が大殊勲と言って良い日本王座奪取に成功。一昨日に吉野典秀が全日本新人王に輝いたのに続いて、進光ジム勢がタイトル奪取に成功した。一時期は作為的なマッチメイクで実績を作り、資金力にモノを言わせてOPBF王座に挑戦するという露骨なやり方でも…

第8試合・日本ミドル級タイトルマッチ10回戦/●《王者》江口啓二[姫路木下](判定0−3)鈴木哲也[進光]《挑戦者・同級1位》○

王者・江口は18勝(12KO)2敗のサウスポー。OPBFのミドル級では2位。相撲出身という異色のキャリアを経てプロボクシング入り。デビューした03年に新人王戦で西軍代表まで進出、全日本決勝は際どい判定で清田拓三[フラッシュ赤羽]に敗れるも、再起後はタイ人…

第7試合・Sウェルター級契約ウェイト(68.0kg)10回戦/●松元慎介[進光](判定0−3)細川貴之[六島]○

松元は14勝(4KO)4敗1分。現在は日本Sウェルター級11位。02年デビュー。この年に4連勝し、翌03年の新人王戦にエントリー。西軍代表まで勝ち抜いたが、全日本決勝で敗れてプロ初黒星を喫する。04年に入り、再起戦で当時既に元OPBF王者の肩書きを持って…

第6試合・Sバンタム級6回戦/○寄川航[進光](判定3−0)松本一男[森岡]●

両者戦績は寄川3勝(1KO)1敗2分、松本5勝(2KO)2敗。寄川は今年1月にアマエリートの上谷雄太[井岡]に敗れて以来の再起戦。松本は3月にB級1勝を挙げているが、7月には逆転TKO負けを喫して、こちらも今回が再起戦。 1R。寄川がラウンド序盤、アグ…

第5試合・Lフライ級6回戦/○町田昌丈[Gツダ](1R1分18秒TKO)川下大輔[オール]●

両者戦績は町田4勝(1KO)3敗、川下4勝(3KO)3敗2分。町田は8月に1年ぶりの試合に出場、終始優勢に立ち回るも気の毒な判定で敗れている。川下は9月に4勝目を挙げて今回がB級緒戦。 1R。町田、川下の圧力攻めを難なく捌き、リードジャブを立て続けに…

第4試合・Sフェザー級4回戦/○西永哲也[進光](判定3−0)金沢泰佑[大鵬]●

両者戦績は西永1勝(0KO)3敗、金沢1勝(1KO)無敗でサウスポー。 1R。両者明らかに力んでいる印象。互いに相手の空いたガードを攻め切れず、当て勘の鈍さが目立つ。共に散発的にヒット出るがインパクト不足。 2R。このラウンドも精度粗い強打中心の打撃…

第3試合・フェザー級4回戦/○ミッキー高山[進光](1R2分27秒KO)木村憲五[大鵬]●

両者戦績は高山2勝(1KO)4敗、木村2勝(0KO)1敗のサウスポー。高山はデビューから4連敗だったが、今年7月、9月と連勝中。木村は07年5月以来の再起戦。 1R。木村はガードがら空きのままリードを突き出すなど、見るからに危なっかしい姿勢。高山は足を…

第2試合・Sフライ級4回戦/○青木一平[六島](1R1分34秒KO)内藤昭[大鵬]●

両者戦績は青木1勝(1KO)無敗、内藤2勝(1KO)3敗。青木は8月にデビュー戦をKO勝ち。内藤は西日本新人王戦を準決勝で敗退後、9月の再起戦でも敗れて通算成績も負け越しに。 1R。内藤が足使って主導権を窺うが、青木は果敢に踏み込んでフック中心の強い連…

第1試合・Sバンタム級4回戦/●塚田賢次郎[奈良](判定0−3)玉岡優樹[大鵬]○

この試合は両者デビュー戦。 1R。両者動きつつの乱打戦。ルーキー同士にしては精度の高い攻撃で、ヒット数の多い展開。塚田が連打を的確に決め手リードするが、玉岡もラウンド後半には断続的なコンビネーションで巻き返し、クリーンヒット追加してグラつか…

西日本のボクシング界は、これから年明けからの“シーズンオフ”を前に駆け込みの興行ラッシュ。何も師も奔走する年の瀬に興行を連発しなくても……と思うのだが、やはり年明けすぐに興行では、年末年始も練習や減量を休めない状況になってしまうため、色々と宜…

興行全体の総括

これほど書きたい事の多い興行も珍しいが(笑)、まずは興行の時間と進行から。全試合フルラウンドという誤算があったにせよ、表彰式が終わったのが0時前というのは余りにも酷すぎる。JBC発表のタイムテーブルから実に2時間の遅延である。これがもし6…