駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sフェザー級4回戦/○渡部“伊予守”雅之[金沢](判定3−0)森田登[正拳]●

次年度の新人王戦に出場予定の両者の対戦。渡部は3勝(2KO)3敗でサウスポー、森田は3勝(1KO)1敗1分。渡部は今年に入って4月、9月と連勝し本格化の兆しも。森田は今年の新人王戦こそ緒戦で敗退したが、その後は6月、8月と連勝中。
1R。森田は頭低く下げて上下にフック、アッパー狙いも雑。渡部は左ストレート、右ジャブ、フックでヒット・有効打重ねるが、攻勢点で勝る森田との兼ね合いでポイント争いは微妙かも。
2R。渡部は森田の圧力を捌きつつ、右フック、左ストレート、フックで追撃して優勢。森田は愚直に圧力かけるが、自分が手を出せるタイミングに恵まれず、迫力不足の印象。
3R。森田がラウンド序盤、打ち合いの中で右をクリーンヒットさせて渡部をロープダウン寸前に持ち込む。だが渡部もそこから踏ん張ってクロスレンジからアッパー連打で反撃開始、右を効果的に使って巻き返してゆく。森田は尻すぼみの形になってポイント争いも微妙か。
4R。クロスレンジ乱打戦。手数で圧倒する渡部がワン・ツーで有効打も決めて一歩抜け出した。森田も右ストレート有効打で対抗するが、動きのキレが鈍って被弾も多い。それでも終了ゴング前に最後のアタックを敢行するが、渡部が返り討ちにして勝負アリ。
公式判定は原田39-37、半田39-38、川上39-38の3−0で渡部。駒木の採点は「A」39-37「B」40-37で渡部優勢。
渡部は強い圧力をかけられる苦しい展開の中、明確な有効打、ヒットを重ねて“クリーンヒット”要素で優勢に立ち小差判定勝ち。攻撃精度が上がって試合振りが堅実安定化してきた。ただ、6回戦級選手と比較すれば器用貧乏になる懸念も。
森田はスピードで見劣り、圧力かけるも手数を出す所までなかなか持っていけず。また、手を出しても命中率が低いのでは、攻めたくても攻め切れない。3勝級の相手と対戦すると、これまで通用した戦術が通用しなくなるという事か。