駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

興行全体の総括

前半戦は散漫な内容の試合もチラホラと見受けられ、会場の空気が暖まるまでに随分と時間がかかったが、第6試合のノックアウトを皮切りに試合内容がググッと良くなって、最終的には「熱戦続きの好内容」という印象の興行にまとまった。ただし、KO勝利の島…

第8試合・ウェルター級10回戦/●大崎丈二[ウォズ](判定1−2)二見広信[北陸イシマル]○

大崎は12勝(7KO)3敗2分の戦績でOPBFのSライト級8位。03年にデビュー。04年にライト級で新人王戦に挑むも西日本2回戦で敗退。しかし翌05年はSライト級にクラスを上げて再挑戦し、4KOを含む5連勝で全日本制覇を達成する。だがA級に昇格して迎えた06年…

第7試合・Sフェザー級8回戦/○木原和正[ウォズ](判定3−0)山下将臣[高砂]●

木原は7勝(4KO)無敗。日本Sフェザー級12位。05年末デビュー。2戦目が06年10月とブランクを作るが、2戦2勝で迎えた07年の新人王戦では5連勝でSフェザー級西軍代表となり、東日本代表の棄権により不戦勝ながら全日本タイトルと日本ランクを獲得した。今…

第6試合・Sバンタム級6回戦/○島田惇輝[明石](2R0分23秒KO)西澤辰彦[北陸イシマル]●

両者戦績は島田4勝(1KO)2敗2分、西澤4勝(2KO)1敗。島田は昨年の新人王戦で西日本ベスト4。再起戦で4勝目を挙げたが、前回昨年10月のB級緒戦では2R負傷ドローに終わった。西澤は昨年11月に4勝目を挙げてC級を卒業したばかり。 1R。島田がほぼ全…

第5試合・フェザー級契約ウェイト(56.0kg)6回戦/●永田浩司[ウォズ](判定1−2)松本一男[森岡]○

両者戦績は永田5勝(0KO)2敗1分、松本4勝(2KO)1敗でサウスポー。永田は昨年、西日本決勝まで進出したが真木大作[JM加古川]の前に1RKO負けを喫した。今回が再起戦。松本は昨年末に4勝目を挙げ、新人王戦ではなくB級昇格を選択。今回が初めての6回…

第4試合・Sフライ級6回戦/○山本幸史朗[ウォズ](判定3−0)堀江純平[大阪帝拳]●

両者戦績は山本4勝(1KO)4敗2分、堀江5勝(2KO)8敗。山本は06年の西日本新人王決勝以来3連敗中。前回は昨年10月、内海俊忠[姫路木下]に敗れた。堀江も06年から微妙な判定を落とし続けて4連敗中。 1R。山本が先手で手数を出して右ストレート中心にヒッ…

第3試合・Sバンタム級6回戦/○冨田聖登[ウォズ](判定3−0)岡田壮平[正拳]●

両者戦績は冨田4勝(1KO)3敗1分、岡田4勝(0KO)1敗1分。冨田は昨年10月に4勝目を挙げ、これがB級緒戦。岡田は昨年10月にB級緒戦を迎えたが、プロ初黒星を喫している。 1R。冨田が今日も前、前へ出て回転力活かした攻めを展開。顔面、ボディへ上手く…

第2試合・Sバンタム級4回戦/○岩瀬徹也[SFマキ](1R2分21秒TKO)大恵幸義[新日本大阪]●

未勝利同士の対戦。岩瀬4敗、大恵3敗と負けが込んだ者同士の顔合わせとなった。岩瀬は06年4月以来約2年ぶりの試合、大恵は昨年7月以来の試合。 1R。大恵は左腕と肩が露骨に揺れる超テレフォンパンチの右ストレートを濫発。岩瀬は大恵の強引な出方に面…

第1試合・バンタム級4回戦/○稲上聖真[ウォズ](判定3−0)内田崇文[森岡]●

この試合のみ新人王予選。両者戦績は稲上3勝(1KO)2敗1分、内田1勝(0KO)4敗。 1R。稲上は出入り細かくトリッキーなボクシング。独特のスタイルからフックなどを振り回すが、精度・威力とも今一つ。内田は主導権を奪われて苦しみ、迎撃を2度決めたが数…

興行の概要及び雑感

昨年は秋興行が未開催に終わったウォズジム主催の京都興行だが、今回漸く再開の運びとなった。昨年5月以来10ヶ月ぶりの開催という事になる。 今回は6回戦ボーイの試合が多数組まれた関係上、全8試合の総ラウンド数は50RとJBCルールの上限いっぱいに膨…

第2部総括

KO決着、ノックダウンシーンが多く、前座から爽快感溢れるシーンが続出。メインも結果こそ不完全燃焼の印象だが、セーンヒランの高い能力と、武本の試合終盤での粘り強い戦い振りで好内容になった。総合的に見て充実した内容の興行と評して良いのではない…

第2部第8試合・フェザー級10回戦/△セーンヒラン・シンワンチャー[タイ国](判定1−1)武本在樹[千里馬神戸]△

セーンヒランは21勝(15KO)1敗。WBC世界Sバンタム級10位のランクを保持している。ムエタイの世界で一時代を築いた後、03年に国際式転向。同年7月の3戦目でABCOバンタム級王座を獲得し、ジェス・マーカや来日前のロリー松下らを相手に防衛3度。04…

第2部第7試合・バンタム級8回戦/●シュンスク・サクプンタム[タイ国](1R2分02秒KO)ジェロップ・メルガド[千里馬神戸]○

メルガドは13勝(4KO)1敗2分の戦績で、現在比国Sフライ級3位。05年4月にデビュー。14ヶ月で10戦、デビュー戦の負傷判定を除いて9連勝をマーク。続く比国タイトルマッチで初敗北を喫し、07年2月にはWBCインター王座に敵地・南アフリカで挑戦するが惜し…

第2部第6試合・フェザー級8回戦/●松村勝[ウォズ](2R1分01秒TKO)玉越強平[千里馬神戸]○

松村は8勝(3KO)5敗のサウスポー。03年にデビュー、同年3連勝で04年の新人王戦に挑むも初戦敗退。再起戦でB級に昇格し、6回戦を3勝1敗でクリアすると、06年6月にはタイ国遠征に出て世界ランカーのナパーポンに挑んだ(5RTKO負け)。A級では現在…

第2部第5試合・Sフェザー級8回戦/●大庭宏之[西遠](判定0−3)武本康樹[千里馬神戸]○

大庭は8勝(3KO)7敗2分。98年デビュー。同年から00年まで3年連続で新人王戦にエントリーし、00年に中日本決勝まで進出するが、後のOPBF王者國見泰央 [カシミ・引退]に敗れた。再起後は6回戦で連勝するも、1年1〜2戦のペースでの活動で、タイトル…

第2部第4試合・Sフェザー級6回戦/○谷弘樹[姫路木下](判定3−0)水貝和弘[高砂]●

両者戦績は谷4勝(2KO)4敗1分、水貝4勝(1KO)無敗。谷は昨年11月の6回戦緒戦で本日第1部に登場の脇本雅行に敗れ、これが再起戦。水貝は豊富なアマ戦績ながらC級デビューから4連勝。今回がB級緒戦。 なお、この試合は水貝が前日計量で体重60kgを超える…

第2部第3試合・Sフェザー級4回戦/○櫻井達也[SFマキ](4R1分55秒TKO)中坂正人[千里馬神戸]●

両者戦績は櫻井2勝(0KO)1敗、中坂1勝(1KO)2敗3分。 1R。中坂はアグレッシブに距離を詰めて好戦的なスタンス、櫻井も強打攻勢でこれに応えてヒット飛び交う大打撃戦。互いに一進一退の中でクリーンヒットを交換。櫻井が右アッパー決めるが、中坂が右フ…

第2部第2試合・フェザー級4回戦/●三輪直也[姫路木下](1R1分47秒KO)桑原直紀[千里馬神戸]○

未勝利同士の一戦。三輪は1敗、桑原は3敗。三輪は昨年3月に1RKO負けして以来1年ぶりの再起戦。桑原の3戦は水貝和弘(2回)、谷弘樹という今日の第4試合の6回戦に出場する選手との対戦で、4戦目にして初めてキャリア相応の相手を迎えた。 1R。…

第2部第1試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.5kg)4回戦/●有末慎[姫路木下](1R0分27秒KO)村田和也[千里馬神戸]○

オープニングマッチは両者デビューの一戦。 1R。有末はガードが全く機能していない。村田が猛攻すると、そのパンチのことごとくが有効打となり、右ストレートで1度目のダウン。再開後も村田の猛攻が続き、またしても右のクリーンヒットで2ノックダウン決…

第2部概要及び雑感

千里馬神戸勢が中心の第二部は、メインで世界再挑戦を狙う武本在樹[千里馬神戸]が、こちらもタイ人ながらプロキャリア僅かに1敗という世界ランカー・セーンヒラン・シンワンチャーが相手となるチャレンジマッチに臨む。過去2度の世界ランキングマッチでは…

第1部総括

新人王予選は優劣判断難解な接戦が3試合続いた後に圧倒的なKO勝利と、図らずもバリエーションのある構成になって面白い内容。噛み合った好勝負もあり、前半戦は充実していた。特筆したいのは第1試合を勝ち抜いた樋口で、試合振りが高度安定してくれば伏…

第1部第8試合・フライ級契約ウェイト(50.0kg)10回戦/○戎岡淳一[明石](4R2分38秒TKO)トンタイレック・ポー・ウォラテン[タイ国]●

戎岡は16勝(6KO)10敗3分の戦績で現在日本Lフライ級7位、WBCフライ級25位。98年にデビュー、00年に挑んだ新人王戦は西日本決勝で敗退。その後は実力確かな相手とのハードなマッチメイクを重ね、勝ち負けを繰り返す白黒の使い分けが派手な戦績を重ねていた…

第1部第7試合・フェザー級6回戦/○脇本雅行[高砂](判定3−0)ヨドチャンチャイ・シッスーイ[タイ国]●

両者戦績は脇本6勝(3KO)1敗でサウスポー、急遽来日が決まった27歳のタイ人・ヨドチャンチャイは6勝(2KO)3敗と自称。脇本は11月の再起戦に続いての6回戦出場で、これに勝てばA級昇格となる。 1R。脇本は右ジャブ起点に左ストレート、右アッパー、左右…

第1部第6試合・Sバンタム級6回戦/○小笠原和寿[明石](判定3−0)チェン・ペットジンダー[タイ国]●

両者戦績は小笠原5勝(2KO)4敗1分、チェンは11勝(5KO)8敗だが裏付け資料に乏しい。小笠原は前回11月のB級2戦目で判定勝ちしてA級に王手。チェンはタイ国Sバンタム級8位。過去の来日は4戦4敗で、松田直樹[帝拳]らランカー相手を相手にいずれもフル…

第1部第5試合・Sバンタム級4回戦/●橋本毅[明石](4R0分55秒TKO)西田至孝[塚原京都]○

この試合はオープン戦。両者デビューの一戦。 1R。デビュー戦らしい、気持ちが前に出た攻撃偏重気味の手数合戦。西田が先手で圧力伴う手数攻勢でヒット連発。橋本はロープに詰まって苦しいが、西田の攻め疲れに乗じて反撃も見せた。 2R。西田は体力の回…

第1部第4試合・Sフェザー級4回戦/○福岡孝太[明石](2R2分36秒KO)与久田哲二[仲里ATSUMI]●

両者戦績は福岡1勝(1KO)無敗、与久田1勝(0KO)無敗。 1R。福岡はアグレッシブに距離を詰めて手数攻め。与久田の相変わらず甘いガードを咎めてヒット数で大差。しかし与久田もロープ際で激しく抵抗してギリギリの所で踏ん張る。 2R。福岡の一方的攻勢。…

第1部第3試合・バンタム級4回戦/△高野誠三[明石](判定1−0高野勝者扱い)舟木隆太[金沢]▲

両者戦績は高野1勝(1KO)無敗、舟木1勝(0KO)無敗。 1R。ショートレンジ打撃戦。共にキビキビした動きで好感の持てる立ち上がり。高野がジャブ、アッパー中心に上下へ打ち分ける見栄えする攻撃。舟木もラウンド終盤にカウンターを有効打して見せ場作った。…

第1部第2試合・Sフライ級4回戦/△森川真一郎[高砂](判定0−0森川勝者扱い)川口勝太[金沢]▲

両者戦績は森川3勝(2KO)無敗、川口1勝(1KO)1敗。 1R。川口は下がりがちだったガードを高く上げて守備面への気遣いを見せつつ、ハンドスピードある右ストレートとワン・ツーでヒット連発。森川は後手に回って攻めあぐみ、左ボディアッパーなども見せたが…

第1部第1試合・フライ級4回戦/●横山集[明石](4R1分12秒負傷判定1−2)樋口裕二郎[金沢]○

両者戦績は横山1勝(0KO)1敗、樋口1勝(0KO)1敗と同じだが、樋口は約1年半のブランクがある。 1R。横山がアグレッシブに攻めて先手獲るが、すぐさま樋口がロングレンジからのキレある動きで反撃。ダッキングとガードで防戦しては回転力のある連打を見舞…

第1部・概要及び雑感

明石ジム勢主体の第一部では、メインには戎岡淳一[明石]が、セミには脇本雅行[高砂]が登場。それぞれタイ人相手のチューンナップ試合に臨む。相手の実力水準を考えると、勝つだけでなく勝ち方が問われる試合になる。また、前座の新人王予選にはSフライ級優…