駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第4試合・Sフェザー級6回戦/○谷弘樹[姫路木下](判定3−0)水貝和弘[高砂]●

両者戦績は谷4勝(2KO)4敗1分、水貝4勝(1KO)無敗。谷は昨年11月の6回戦緒戦で本日第1部に登場の脇本雅行に敗れ、これが再起戦。水貝は豊富なアマ戦績ながらC級デビューから4連勝。今回がB級緒戦。
なお、この試合は水貝が前日計量で体重60kgを超える大幅ウェイトオーバーとなり、“坂田×パーラ3方式”で当日計量リミットを定めた上でグローブハンデというハンデキャップマッチになった。今回に限らず、ウェイトオーバー必至となった選手が半ば開き直ったような1kg以上の体重超過を犯すケースがまま見受けられるが、ボクシングの競技性を損なうような振る舞いは厳に慎んで頂きたいと心から願う。
1R。谷が精度難も構わずアグレッシブに手数攻めを敢行し試合をリード。水貝も右ストレート有効打などで見せ場を作る。手堅い守備の合間にジャブで手数も稼ぎ、互角の形勢をキープ。
2R。谷がラウンド序盤に左フックで先制のノックダウン。その後も粗いが終始アグレッシブな攻勢で優勢をキープ。水貝はクリンチに逃げてばかりで苦しい。
3R。谷が強引に組み付いて主導権窺いに行くが、水貝は大振り中心に激しく抵抗して手数を返してゆく。谷は圧力強いが、空振り多く見栄えしない。
4R。このラウンドも谷の力づくの攻勢が試合を主導。水貝も精度あるジャブやアッパーで時折反撃するが、守勢に回る時間が長くなった。
5R。谷の先手必勝の強打攻勢がここも有効。水貝は受身に回って苦戦の時間が続くが、右アッパークリーンヒットで効かせて形勢挽回。しかし、その後狙い過ぎて攻め切れないでいる内、谷は終了ゴング前に猛反撃してジャッジに力強くアピール。
6R。水貝は強打で先手狙うが、雑でヒットしない。谷の強引な攻勢をまたも正面から浴びて苦しい流れに。谷は運動量を減らさず立派だが、無駄な動きはもっと減らすべき。
公式判定は宮崎59-54、野田59-54、半田59-55の3−0で谷。駒木の採点は「A」59-54「B」60-56で谷優勢。
谷が強引な強打攻勢で“アグレッシブ”“リング・ジェネラルシップ”で優位に立ったままフルラウンド押し切った。しかしパンチのクリーンヒット率の低さは相変わらずで、このままでは早晩更に苦労する事になりそう。
水貝は調整不足のためか、大振りばかり目立つなど動きがいつになく粗かった。相手の圧力を浴びて後手に回って持ち味を活かせないまま時間と体力を空費していった。