駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

興行全体の総括

微妙な内容の試合も少なくなく、お世辞にも温まったとは言えない空気の中で登場した名城だが、ここでは文字通り役者が違った。僅か10分余の短時間試合だったが、彼本来の長所・魅力を客席に伝えるには十分。逆に言えば、強豪選手がミスマッチに近い相手との…

第8試合・バンタム級10回戦/○名城信男[六島](3R2分30秒TKO)ペットクロンパイ・ソーターンティップ[タイ国]●

WBA王座陥落からの再起戦となる名城は9勝(5KO)1敗。現在はWBA2位、WBC13位、日本では未公認のWBOでも13位の世界ランクに位置している。 38勝19敗という、後の世界王者としては極めて平凡なアマ戦績を経て03年にB級デビュー。3連続短時間K…

第7試合・ウェルター級契約ウェイト(65.0kg)8回戦/○大崎丈二[ウォズ](6R1分58秒KO)ゴーントラニー・ボースラサック[タイ国]●

OPBFのSライト級9位・大崎は11勝(6KO)3敗2分の戦績。03年にデビュー。04年にライト級で新人王戦に挑むも西日本2回戦で敗退。しかし翌05年はSライト級にクラスを上げて再挑戦し、4KOを含む5連勝で全日本制覇を達成する。だがA級に昇格して迎えた…

第6試合・フライ級8回戦/○金光佑治[六島](7R1分40秒TKO)利幸トーレス[大鵬]●

日本ミニマム級8位の金光は9勝(5KO)1敗の戦績。03年デビュー。2連続KO勝利を挙げて翌04年の新人王戦にエントリーすると、3KOを含む破竹の4連勝を果たす。続く西日本決勝では奈須勇樹[Gツダ→角海老宝石]に敗れ、約1年のブランクを経験するが、そこか…

第5試合・フライ級6回戦/○吉田ファンキー[奈良六島](判定3−0)鈴木遼[尼崎]●

両者戦績は吉田4勝(2KO)1敗1分、鈴木4勝(0KO)4敗2分。この試合から本名の吉田雄佑から文字通りファンキーに改名した吉田は西日本新人王戦決勝で敗れて以来の再起戦。鈴木は今年2月、10月と金城吉廣[正拳]に連敗して勝率が五分になってしまった。負け…

第4試合・ウェルター級6回戦/●石橋正和[六島](判定0−3)パリンヤー・ジョッキージム[タイ国]○

両者戦績は石橋4勝(1KO)3敗、パリンヤーも自称4勝(1KO)3敗。石橋は西日本新人王決勝で敗れて以来の再起戦。タイ国ウェルター級6位のパリンヤーはこれが3度目の来日。過去2戦は5RTKO負けと8R判定負け。 1R。パリンヤーはのらりくらりとたリズム…

第3試合・フェザー級契約ウェイト(56.0Kg)4回戦/○松井博史[奈良六島](4R1分11秒TKO)中野利保[ウォズ]●

両者戦績は松井3勝(1KO)1敗、中野1勝(1KO)無敗。松井は今年4月に勝って以来7ヵ月半ぶりのリング。中野も5月末にデビュー戦勝利して以来半年振り。 1R。松井はロングレンジをキープして捨てパンチ気味のジャブから右ストレートに繋げる攻めをを中心に…

第2試合・ライト級契約ウェイト(60.0kg)4回戦/●片山悠希[Gツダ](判定0−3)与久田哲二[仲里ATSUMI]○

この試合も両者デビュー戦。 1R。試合開始直後いきなりスリップダウンというバタバタした立ち上がり。片岡がフック連打で攻勢を窺った瞬間に、与久田の左フックがクリーンヒットしてノックダウン。再開後は大乱戦となり、片岡も反撃して与久田を効かせる場…

第1試合・Sフェザー級4回戦/○獅子丸崇也[六島](判定3−0)寺西和哉[陽光アダチ]●

この試合は両者デビュー戦。 1R。アグレッシブも、やや距離が噛み合わず膠着気味の立ち上がり。獅子丸のワン・ツー、寺西のボディフックが目立つ。ラウンド終盤、獅子丸のショートフックが連続有効打となりヤマ場。 2R。ショートレンジで打撃戦。獅子丸…

ドラマチックボクシング「大栄位Presents世界への道」(六島・大阪帝

11月後半は土日を外した興行が相次いだが、この日が“千秋楽”。5月に無念の世界王座陥落を余儀なくされた名城信男[六島]が、プロデビューの地・府立第二に帰ってリスタートを切る。今回はスカイAの中継の他、久々によみうりTV系の地上波放送収録も行われ…

第2部総括

第1部後半の流れを引き継ぐように、全試合判定決着。この8試合単独での興行なら印象も違ったと思うが、率直に言って退席者が相次いだのも致し方なし、という印象。全8試合のうち、8Rや10Rで見たかったと思う試合は果たして幾つあったか…… その中で大い…

第2部第8試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.5kg)6回戦/○森川弘幸[高砂](判定3−0)福原寛人[江見]●

両者戦績は森川7勝(1KO)3敗1分、福原7勝(2KO)3敗5分。森川は4月にA級初勝利を飾っているが、6月に日本ランカー・児島芳生[明石]への挑戦に失敗して今回が再起戦。福原は5月に日本ランカー・西尾彰人[姫路木下]とのリマッチに惜しくもドローとなっ…

第2部第7試合・バンタム級契約ウェイト(53.0kg)6回戦/●松元雄大[Gツダ](判定0−3)ジェロッピ・メルガド[千里馬神戸]○

両者戦績は松元6勝(1KO)3敗2分、メルガド12勝(5KO)1敗2分。松元は06年のフライ級西日本新人王で、7月には同期バンタム級西日本新人王の橋詰知明[井岡]を降す小波乱を起こしている。メルガドは比国出身選手で、現在も同国Sフライ級5位のランキング保…

第2部第6試合・Sフェザー級6回戦/○山下将臣[高砂](判定3−0)大木良祐[千里馬神戸]●

両者戦績は山下7勝(2KO)3敗1分、大木5勝(1KO)3敗。山下は4月のA級緒戦で黒星を喫したが、8月にはタイ人を2RKOに仕留めている。大木は今年の新人王戦ベスト4。再起戦であると共に、これが初の6回戦。 1R。距離を開けての牽制から、大木がヒッ…

第2部第5試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.0kg)6回戦/●小路尚也[Gツダ](判定0−3)武本康樹[千里馬神戸]○

両者戦績は小路9勝(3KO)4敗1分、武本10勝(3KO)1敗2分。小路は山本敏充[江坂]を降した7月に続いての“新人王狩り”を狙う。武本は現在日本フェザー級6位。3月の児島芳生[明石]戦でランク入りを果たした後、前回6月では元日本ランカー・金井晶聡[姫路木…

第2部第4試合・Sフェザー級6回戦/△竹下寛刀[高砂](判定1−1)佐梁孝志[明石]△

両者戦績は竹下11勝(8KO)6敗、佐梁7勝(1KO)9敗。03年度フェザー級西日本新人王でサウスポーの竹下は今年入っての2試合で連敗してしまった。佐梁は7月にA級初勝利。次の目標は星勘定を五分に戻す事か。 1R。佐梁は、いつも通りの圧力攻勢。竹下はこれ…

第2部第3試合・フェザー級6回戦/△石東正浩[Gツダ](判定1−1)玉越強平[千里馬神戸]△

両者戦績は石東7勝(3KO)2敗、玉越19勝(8KO)5敗5分。石東は敵地でタイ人OPBFランカーに判定勝ちする快挙の後、6回戦で連勝。一気に日本ランクへ挑む。玉越は8月にOPBF王座挑戦失敗からの再起を果たし、再びタイトルマッチへ向けての道を歩み始めている…

第2部第2試合・フライ級6回戦/●川島雅弘[松田](判定0−3)戎岡淳一[明石]○

両者戦績は川島4勝(0KO)3敗1分、戎岡15勝(6KO)10敗3分。サウスポーの川島は今年のフライ級西軍代表となった松浦克哉[松田]に中日本決勝で敗れて、これが再起戦。戎岡は8月に元世界王者ホセ・アントニオ・アギーレを降したが、世界ランクはWBC21位で歩止…

第2部第1試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.0kg)6回戦/●ウィレム・レイク[インドネシア](判定0−3)武本在樹[千里馬神戸]○

両者戦績は、レイクの6勝(3KO)無敗3分(自称)、武本21勝(12KO)7敗1分。レイクはインドネシアのフェザー級5位で今回が初来日。世界挑戦失敗からの再起戦である武本はブランクの間にWBAランキングから陥落し、現在は日本フェザー級5位。 1R。レイ…

第2部・Senrima Super Fight vol.26(千里馬神戸・高砂・明石ジム共催)概要&雑感

第1部終了から30分の休憩を挟んで開始となった第2部は、千里馬神戸ブランドのタイトルで開催される「A級ボクサー6回戦マッチ」。長谷川穂積移籍後の千里馬神戸をトロイカ態勢で牽引する3人の日本ランカー・武本在樹&康樹兄弟と玉越強平は勿論のこと、…

第1部総括

KO、ノックダウン連発の前座が場を盛り上げ、6回戦標準のセミファイナルで空気を引き締めた後に緊張感溢れる日本タイトルマッチ。まさに理想的な流れでまとまった素晴らしい興行となった。ここで打ち切られたとしてもチケット代は惜しくないと思わせる程…

第1部第9試合・日本バンタム級タイトルマッチ10回戦/○《王者》三谷将之[高砂](判定3−0)菊井徹平[花形]《挑戦者・同級6位》●

王者・三谷は20勝(10KO)2敗の戦績。WBA12位、WBC13位の世界ランクも保持している。 02年デビュー。新人王戦は不出場だが、手足のスピード豊かなファイトは4回戦当時から西日本では評価が高く、それに応えるようにデビュー以来10連勝をマーク。しかしその間…

第1部第8試合・Sバンタム級6回戦/●高橋昌稔[松田](判定1−2)小笠原和寿[明石]○

両者戦績は高橋4勝(2KO)4敗1分、小笠原4勝(2KO)2敗1分。この試合数でKO数まで全く同じ戦績の対戦と言うのも珍しい。中日本から遠征の高橋は連敗中。小笠原は6月に久々の勝利を挙げたが8月にまた敗れ、最近は戦績が安定しない。共に現状打破を目指し…

第1部第7試合・Sフェザー級契約ウェイト(56.5kg)6回戦/○脇本雅行[高砂](判定3−0)谷弘樹[姫路木下]●

両者戦績は脇本5勝(3KO)1敗、谷4勝(2KO)3敗1分。脇本は新人王戦敗退からの再起戦。昨年の西日本新人王戦ベスト4の谷は8月に4勝目を挙げてB級昇格。初めての6回戦となる。 1R。谷が先手で手数を振るうが、脇本はステップ中心でガードに頼らず捌い…

第1部第6試合・ライト級4回戦/○水貝和弘[高砂](判定3−0)王田尚史[千里馬神戸]●

両者戦績は水貝3勝(1KO)無敗、王田1勝(0KO)3敗1分。水貝はアマで100試合以上の経験がある選手で、前回8月の試合では目の覚めるようなKO勝ちで3連勝。王田は昨年4月以来の再起戦。出場予定だった同僚選手の負傷欠場に伴い、セミリタイヤ状態から急遽カ…

第1部第5試合・Sフェザー級4回戦/●南勝太[高砂](1R2分49秒KO)福岡孝太[明石]○

南は3勝(0KO)1敗。デビュー以来比較的楽な相手に3連勝をして来たが、今年8月に手痛い初黒星。対する福岡はこの日がデビュー戦。 1R。南は今日もアグレッシブに攻めるが、パンチ精度とガードの甘さは修正出来ていなかった。命中率の低い連打を福岡に捌…

第1部第4試合・バンタム級4回戦/○森川真一郎[高砂](3R0分46秒TKO)山崎浩一[明石]●

両者戦績は森川2勝(1KO)無敗、山崎1勝(1KO)無敗でサウスポー。昨年度にアマチュア実業団選手権を制した17歳の森川は今年4月にデビューし、8月に2勝目を挙げている。山崎は04年3月以来、実に3年8ヶ月ぶりのリング。 1R。森川が強力なラッシングで右…

第1部第3試合・ミニマム級4回戦/○高梨竜平[高砂](3R0分41秒TKO)大前博史[東海]●

両者戦績は高梨2勝(0KO)無敗、大前2勝(0KO)6敗。高梨はアマ時代に実業団と社会人選手権を制したジム期待のホープ。08年度の新人王戦をターゲットに見据え、C級デビューしてこれが3戦目。大前は中日本からの遠征。前回は8月に今期中日本ミニマム級新人…

第1部第2試合・Sフライ級4回戦/△伏見毅[岐阜ヨコゼキ](判定1−0)藤田慶[千里馬神戸]△

伏見は今年4月、次の試合に登場する高梨竜平のデビュー戦の相手を務めて判定負けし、未勝利1敗。藤田はこれがデビュー戦。 1R。伏見は圧力を強くかけてショート連打で攻勢に出るが、左のガードが甘くなった所を右フックで狙い撃たれて早々にダウンする苦…

第1部第1試合・Sバンタム級契約ウェイト(54.5kg)4回戦/●山下史明[Gツダ](1R1分38秒KO)高野誠三[明石]○

この試合は両者デビュー戦。山下は総合格闘技出身との触れ込み。 1R。山下はバックボーンを感じさせる高いガードから様子見つつ、ボディへジャブを放って牽制。しかし攻防分離が激しく、連打を放ってはそのガードがガラ空き。高野はそれを見逃さずにフック…