駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第8試合・Sバンタム級6回戦/●高橋昌稔[松田](判定1−2)小笠原和寿[明石]○

両者戦績は高橋4勝(2KO)4敗1分、小笠原4勝(2KO)2敗1分。この試合数でKO数まで全く同じ戦績の対戦と言うのも珍しい。中日本から遠征の高橋は連敗中。小笠原は6月に久々の勝利を挙げたが8月にまた敗れ、最近は戦績が安定しない。共に現状打破を目指しての試合といったところか。
1R。高橋はやや肩に力が入った漢字だが、ワン・ツー連打を中心に力強い攻勢で“アグレッシブ”“リング・ジェネラルシップ”要素で優位に立つ。小笠原も左フックで時折痛打を浴びせるが手数が不足気味。
2R。ラウンド序盤は高橋がアグレッシブに手数攻め。小笠原はジッと抑えてカウンター狙いから左フック合戦に持ち込んでクリーンヒットを連発するが、消極的な姿勢が祟って優勢を固めきれたかどうか。相撃ちのケースも多く、ヒット数の差は小さい。
3R。ショートレンジ打撃戦。互いのパンチが当たる間合いで、小笠原が左フック中心にヒット数でリードを取る。高橋は手数で優位だが、これをヒットに結び付けられずやや苦戦。
4R。ラウンド前半、高橋がワン・ツー中心で圧力をかけて一気攻勢。小笠原は受身に回って苦しいが、後半に入って左フックのクリーンヒットで高橋の動きを止めると反撃加えて形勢を五分に戻した。
5R。高橋が圧力をかける形でショートレンジ打撃戦。互角の攻防戦が続くが、ラウンド後半に入って小笠原が打ち勝つシーンが。しかし高橋もアグレッシブさは目立つ。
6R。手数伴う圧力攻勢で高橋が攻め立てる。小笠原の抵抗も激しく、右ストレート中心にヒットを奪うが回転力欠けて数的に劣勢。最後は高橋がコーナーに追い立てて“アグレッシブ”要素優勢をアピールして試合が終わった。
公式判定は坂本59-56、宮崎58-56(以上、小笠原支持)、原田58-56(高橋支持)のスプリット・デシジョンで小笠原。駒木の採点は「A」57-57イーブン「B」59-58高橋優勢。
小笠原が強打の威力でジャッジの支持を集めて連敗を許さず。しかし攻勢点と手数では五分以下の展開が続き、スコア通りの辛勝であった。左フック狙いに右ストレートを組み合わせる新味も出したが、もっと幅広い戦い方を身に付けねば、今後の展望は徐々に厳しくなってくるだろう。
高橋は手数を伴う圧力攻めで僅差の健闘。しかし1発ごとの威力で及ばず“クリーンヒット”要素で劣勢に立ったのが……。6回戦らしい好ファイトだが、連敗脱出の糸口は未だ掴めていない模様。