駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

興行全体の総括

前座がほぼ全試合判定決着で散々焦らされた上に、メインが平板な内容に終始した上での打ち切りに近いドクターストップ。セミが望外と言っていい程の熱戦になって何とか救われたが、観客満足度から言えば「?」マークのつく興行と言わざるを得ない。途中で席…

第8試合・ライト級10回戦/○大沢宏晋[大星](7R1分10秒TKO)小木曽研二[塚原京都]●

メインイベントは、西日本新人王対決ともなる、地元阿倍野の新鋭・大沢の日本ランク初防衛戦。 大沢は10勝(5KO)1敗2分で、日本ライト級12位。04年にデビュー。05年の新人王戦では西日本新人王となるが、西軍代表戦では決定的な被弾の無いままスタミナ切れ…

第7試合・フライ級契約ウェイト(50.0kg)8回戦/●橘悟朗[エディ](判定0−3)山口淳一[森岡]○

セミファイナルは、橘悟朗の対日本人相手初となるランキング防衛戦。昇級緒戦の山口は背伸びしたチャレンジではあるが、いきなりの大チャンス。 橘は9勝(2KO)5敗1分の戦績で日本ミニマム級7位。02年にデビュー、03年には新人王戦にエントリーするも西日…

第6試合・バンタム級契約ウェイト(53.0kg)4回戦/●池田寛[レンゴー](判定0−2)山本良貴[風間]○

両者戦績は池田3勝(1KO)5敗、山本2勝(0KO)1敗2分。池田は05年12月以来1年7ヶ月ぶりの試合。山本は5月の阿倍野興行で1年ぶりの試合を勝利で飾っている。 1R。山本がジャブ起点にフック交える正攻法で攻勢に出るが、池田は高いガードでこれを捌き、…

第5試合・フェザー級契約ウェイト(57.0kg)4回戦/○高宮啓[SFマキ](判定3−0)上村徹[ワイルドビート]●

両者戦績は、サウスポーの高宮が1勝(1KO)無敗、上村2勝(1KO)無敗。高宮は今年4月にデビュー戦を52秒殺で制した。上村は昨年7月以来1年ぶりの復帰戦。 1R。ガードを下げて頭から突っ込んで来る上村に対し、高宮が豪快なフック攻勢で先手。散発的ながら…

第4試合・フェザー級契約ウェイト(56.0kg)4回戦/△大林文範[エディ](判定0−0)兵頭健一[大星森垣]△

両者戦績は大林2勝(1KO)4敗1分、兵頭1勝(0KO)2敗1分。大林は05年4月以来、ドロー2つを挟んで4連敗中。どうにかして勝ち星が欲しいが……。兵頭は新人王戦1回戦敗退からの再起戦。 1R。大林が足を使いつつヒット&アウェイ。ガードの拙い兵頭の顔面…

第3試合・バンタム級4回戦/●中谷聡一[ヨシヤマ](判定0−3)梅本光[倉敷守安]○

両者戦績は中谷1勝(1KO)無敗、梅本1勝(0KO)無敗1分。中谷は昨年10/8のデビュー戦勝利以来のリング。梅本は今年4月、5月と3週間間隔で連戦。今回も比較的短いインターバルでの3戦目だ。 1R。中間〜近距離でジャブ中心の攻防。梅本は左の使い方が巧く…

第2試合・Sバンタム級4回戦/○大浦覚嗣[ハラダ](判定3−0)天羽遼[塚原京都]●

この試合も未勝利選手同士の対決。大浦は1敗、天羽は2敗。大浦は今年4/1のデビュー戦に敗れて以来の再起戦。天羽は6/10に2年半ぶりの再起戦に臨んだが良い所無く敗れてしまった。 1R。試合開始直後から大浦が大きいワン・ツー、フック、アッパーを交え…

第1試合・Sバンタム級4回戦/●大恵幸義[新日本大阪](4R0分18秒TKO)中岡雅司[大星森垣]○

未勝利同士の対決。大恵は2敗、中岡は1敗。大恵は5/22に1年ぶりの再起を果たしたが判定負け。中岡は今年4/20にデビューしたが、こちらも勝ち星に恵まれず。 1R。打撃戦。両者攻撃偏重の傾向。中岡がスピードの差で大恵の手数を概ね捌き、フック中心の手…

オンテックス杯 世界チャンプへの道(風間ジム主催)

2日連続阿倍野興行の2日目は、地元老舗・風間ジムの定期興行。今回のメインも、同じく地元・大星ジムの新鋭で、前回の試合後日本ランカーの仲間入りを果たした大沢宏晋がホスト役を務める。今宵の相手は昨年の「ビータイト」で決勝進出し、小野寺洋介山[オ…

第2部総括

前座で7連続の判定決着、セミではタイ人の無気力試合と断ぜられてもおかしくない凡戦。あわや興行の失敗寸前というところまで追い詰められたが、メインがダウンシーンもあるA級10回戦に相応しい熱戦・接戦となって何とか救われた格好。とにかく安田、村井…

第2部第9試合・バンタム級10回戦/○安田幹男[六島](判定3−0)村井勇希[Gツダ]●

メインイベントはマニア向けの実に渋いカード。WBC下位ランカーの安田と、元日本ランカーで最近は積極的に海外遠征を敢行している村井の対決だ。 安田は11勝(9KO)3敗2分。00年にエディタウンゼントジムからデビュー。デビュー戦で敗れ、新人王戦でも西…

第2部第8試合・Sフェザー級10回戦/○山崎晃[六島](6R2分35秒KO)ウィラチャイ・チュワタナ[タイ国]●

セミファイナルは、長年日本ランクに名を連ねる山崎が登場。 山崎の戦績は9勝(5KO)1敗3分で現在日本Sフェザー級8位。03年にB級デビュー以来、強豪相手との対戦を高勝率で潜り抜け、早々とランキングに登載。04年末には後の日本・東洋二冠王者・小堀佑…

第2部第7試合・ウェルター級4回戦/○やんばる新田中[六島](判定3−0)田中敦朗[塚原京都]●

第7試合は“田中ダービー”。選手紹介VTRでは「田中・コントラ・田中(敗者「田中」放棄マッチ)」というユニークな提案も為されたが、筆者にとっては文中の主語をどうするか悩む試合(笑)。とりあえず今回は「やんばる」と「田中」と書き分けて執筆すること…

第2部第6試合・Sライト級4回戦/○神野桐玄[六島](判定3−0)荒井俊宏[千里馬神戸]●

両者戦績は神野1勝(0KO)2敗、荒井は未勝利2敗。昨年5月、10月と連敗してリングから遠ざかっていた神野は“ドン神玄”のリングネームから改名して再起。荒井は未勝利の身で今期新人王戦にウェルター級で参戦したが、初戦で敗退。 1R。神野が得意の左を活…

第2部第5試合・ライト級4回戦/●中村悟[六島](判定0−3)池田善彦[Gツダ]○

両者戦績は中村2勝(1KO)1敗、池田3勝(2KO)2敗1分。中村は3月に3年半ぶりの復帰戦を白星で飾った。池田は4月に3勝目を挙げ、B級昇格に王手を掛けた。 1R。池田が強引に頭から突っ込んでゆく突貫ファイトを仕掛ける。戦果は乏しいが、攻勢点はアピ…

第2部第4試合・ライト級4回戦/△塚元斗夢[六島](判定1−1)川本昴[金沢]△

両者戦績は塚元1勝(0KO)1敗、サウスポーの川本は1勝(1KO)1敗。塚元は今期新人王戦にエントリーも初戦敗退。川本は昨年末にデビュー戦で敗れたが、4月末に初勝利を挙げている。 1R。近距離から中間距離での乱打戦。共にアグレッシブだが命中率が低く手…

第2部第3試合・Sバンタム級4回戦/●吉岡哲兵[六島](判定0−3)山中浩之[大阪帝拳]○

両者戦績は吉岡1勝(0KO)無敗、山中1勝(1KO)無敗。吉岡は4/8に、山中は5/27にそれぞれデビュー戦勝利を飾っている。 1R。ショートレンジ打撃戦。総合力で勝る山中がストレート、フックを次々と有効打、クリーンヒットして圧倒。吉岡の反撃は山中の勢いあ…

第2部第2試合・バンタム級4回戦/●アボ中村[六島](判定1−2)柴田匡俊[大鵬]○

両者戦績は中村1勝(0KO)無敗、柴田3勝(1KO)3敗4分。中村は今年4月のデビュー戦で勝利し、これが2戦目。柴田は4回戦でキャリア10戦の“ベテラン・グリーンボーイ”。既に6回戦を戦う資格はあるが、出世を急がず地力向上を目指している。 1R。中村がア…

第2部第1試合・フライ級契約ウェイト(49.5kg)4回戦/○松浦卓也[六島](判定3−0)西村崇[ヨシヤマ]●

両者戦績は松浦1勝(0KO)無敗、西村2勝(1KO)2敗。松浦は今年2/12にデビュー戦を判定勝ちで飾っている。西村は今年2月、4月と連勝して勝率を五分に戻している。 1R。出入り激しく攻める松浦に対し、西村はこれを受けて立つ形。共に雑な大振りが目立つが…

第2部「Dramatic Boxing/610 BOM-BA-YE」(大阪帝拳・六島ジム共催)概要&雑感

夜の部は形式上は共催の形式を採っているが、全試合で赤コーナーを六島・奈良六島ジム勢が占めているように、実質的には“オール六島興行”と言っても良いような構成。4回戦7試合に10回戦2試合で計9試合・48Rは昼夜興行の夜の部としては観客側の負担を考…

第1部総括

メインイベントは吉澤の天才的なボクシングが荒れてしまい、金丸の悲壮な戦いぶりと今一つ噛み合わず、評価の度合いを迷う試合になってしまった。これがセミファイナルまでなら及第点の内容なのだが、興行の締めとしてはやや後味が……。吉澤はタイトル戦線を…

第1部第8試合・Sフェザー級8回戦/○吉澤佑規[ウォズ](判定0−3)金丸清隆[正拳]●

メインイベントは、これが今年度緒戦となる吉澤を相手に、金丸がランキング奪取を目論むチャレンジマッチ。 吉澤は16勝(7KO)1敗の戦績で、現在日本Sフェザー級8位。02年、17歳でデビューすると翌03年にはSフェザー級全日本新人王に輝く。そこから05年4…

第1部第7試合・ミドル級6回戦/●羅刹寛考[京都拳闘会](4R2分53秒TKO)福森智史[正拳]○

セミファイナルはミドル級の西日本新人王対決。04年西日本覇者の羅刹と06年西軍代表の福森が相対する。 羅刹は6勝(3KO)3敗の戦績。今年は3月に05年西日本新人王の辻保裕[六島]を降しており、今回は新人王首狩り作戦第2弾。5月にはB級トーナメント緒戦…

第1部第6試合・Sバンタム級契約ウェイト(54.5kg)8回戦/●中谷年伸[八尾](判定0−3)西正隼[正拳]○

この日はセミ前に8回戦。正拳ジム若手軍団の1人、西がベテラン中谷を迎えてA級初勝利を目指す。 中谷は9勝(3KO)13敗3分。キャリア14年目の大ベテランで、95年のJバンタム級西日本新人王の経歴も。8回戦に上がってからは大きく黒星が先行し、最近は試…

第1部第5試合・フライ級6回戦/○利幸トーレス[大鵬](判定3−0)金城吉廣[正拳]●

両者戦績はトーレス6勝(0KO)4敗、金城5勝(2KO)6敗2分。今年4/30、トーレスが判定勝ちを収めた試合のダイレクト・リマッチ。 1R。両者中間距離でワン・ツー、フック中心の静かな攻防戦。スタミナを意識したのかセーブ気味の立ち上がり。ラウンド前半は…

第1部第4試合・バンタム級6回戦/●堀江純平[大阪帝拳](判定0−2)橋口竣[正拳]○

両者戦績は堀江5勝(2KO)6敗、橋口4勝(2KO)5敗1分。堀江はここ3戦、際どい内容の際どい採点結果で3連敗中。直前の4月の試合では、序盤に拳を骨折する不運にも見舞われた。橋口は4月、以前敗れた相手と6回戦緒戦に臨んだが及ばず判定負け。短期間で…

第1部第3試合・フライ級6回戦/●山本秀人[神拳阪神](判定0−3)清水裕司[正拳]○

山本は5勝(3KO)10敗2分のサウスポー、清水は5勝(1KO)5敗1分。山本は04年5月以来、引分1つを挟んで7連敗の大不振中。清水はデビュー2連敗から5連勝で西日本新人王戦決勝まで進出したが、そこから3連敗とこちらも不振が続く。 1R。山本はガードを…

第1部第2試合・Lフライ級4回戦/△長田瞬志[陽光アダチ](判定1−0)中村優一[正拳]△

両者戦績は長田1勝(1KO)3敗1分、中村1勝(1KO)1敗。両者ともに新人王予選で初戦敗退を喫して以来の再起戦。 1R。中村が先手でアグレッシブにワン・ツー中心の連打。ややパンチの精度に欠けるもキビキビした動きで、長田の甘いガードを咎め優勢に立つ。…

第1部第1試合・Sバンタム級契約ウェイト(54.5kg)4回戦/○稲上聖真[ウォズ](判定2−0)東昭蔵[正拳]●

稲上は2勝(1KO)2敗1分のサウスポー、東は2勝(0KO)2敗の戦績。稲上は新人王予選を1回戦敗退して以来の再起戦、東は今年2月に2勝目を挙げて以来の試合。 1R。互いに粗いフック中心の強振合戦。稲上が先制のクリーンヒット奪うも、ラウンド中盤以降、…