駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第3試合・フライ級6回戦/●山本秀人[神拳阪神](判定0−3)清水裕司[正拳]○

山本は5勝(3KO)10敗2分のサウスポー、清水は5勝(1KO)5敗1分。山本は04年5月以来、引分1つを挟んで7連敗の大不振中。清水はデビュー2連敗から5連勝で西日本新人王戦決勝まで進出したが、そこから3連敗とこちらも不振が続く。
1R。山本はガードを高く上げて連打攻勢。対する清水はダッキングとステップバックで捌いて打ち終わり狙いの反撃。形勢は拮抗したが、清水の主導権支配に僅かなアドバンテージか。
2R。中間距離での攻防戦。清水が足を使って山本の攻勢を捌きつつ、右ストレートを要所でヒットさせてヤマ場を作る。山本もアグレッシブに手数を振るって時折ボディや左ショートを当て、懸命に抵抗する。
3R。ラウンド序盤、清水が山本の打ち終わり、頭を下げた瞬間を狙って右ストレートを放ち、これで再三有効打を奪う。山本もラウンド後半には動き良く左ストレート、ボディフックと細かくヒットを重ねるが、インパクトでは序盤の清水に及ばず。
4R。清水が自分から小刻みなステップを踏んで攻め、主導権をキープ。大きな戦果は挙げられぬものの、山本の反撃を手堅く捌いて小差リードをキープ。だがラウンド終盤に山本もアグレッシブな迎撃を見せ、必死に追いすがる。
5R。両者ともダッキング、ステップワークが相手の攻撃力を上回り、ディフェンシブでロースコアな展開。山本がこのラウンドは積極的に動いて主導権を握り、後半には右フック、左ストレートなどでヒット数を稼いだ。
6R。前、前へ出て来る清水を山本が左右のカウンターで迎撃して先制。ラウンド後半から清水も手数を浴びせて挽回するが、試合終了直前に山本は左フック2発を見舞って最後のヤマ場作りに成功した。
公式判定は原田59-56、北村59-57、宮崎58-56の3−0で清水。駒木の採点は「A」57-57「B」58-58イーブン。
清水は主導権を意識した試合運びで前半にポイントを稼ぎ、後半やや被弾増やして苦しんだがアグレッシブさで対抗して逃げ切った。ただ、この点差で3−0の判定は少々ラッキーかも。
山本は彼なりにアグレッシブな試合ぶり。後半戦はヒット数でリードを奪うが、愚直さが垢抜けない印象を与えたのか、点数が伸び悩んだ。これでとうとう8連敗。今日の試合を見る限りでは、相手と場所を選べばもう1勝は出来そうな気もするが、この辺りが自主興行が少なく敵地遠征の多いジムに所属している悲しさか。