駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

興行全体の総括

西日本勢は5勝3敗(引分敗者扱い含)。敗退した名越、渡場、岩尾の3人も、後楽園でも恥ずかしくない試合が期待出来る地力を持つだけに残念と言う他はない。特に返す返すも悔やまれるのは岩尾の不可解と言って良い凡戦である。 内容的には、三賞表彰から一…

三賞表彰

MVP 丸木和也[Sライト級・天熊丸木(中日本)] 技能賞 村澤光[Sバンタム級・尼崎(西日本)] 敢闘賞 松浦克哉[フライ級・松田(中日本)] MVP対決を制したフェザー級の林が意外にも賞から漏れた。丸木と同じジムの所属という点を考慮されたか。しか…

第12試合・ミドル級4回戦/△坂本一人[本田F](判定1−0坂本勝者扱い)岩尾剛[泉北]▲

坂本は西部日本地区唯一のエントリー。未勝利1敗の戦績、しかも1年4ヶ月ぶりの再起戦が西軍代表戦となった。岩尾は7勝(2KO)無敗1分。 1R。坂本は地力劣勢を意識してアグレッシブに前、前へ出て手数攻め。岩尾はサウスポーとの相性の悪さを早くも露骨…

第11試合・ウェルター級4回戦/●切間庸裕[折尾](判定0−3)水本昌寛[井岡]○

両者戦績は切間3勝(2KO)無敗、水本6勝(2KO)無敗。 1R。出入り激しいヒット&アウェイの打撃戦。切間が先生の有効打決めるが、後が続かず。決定的な場面の無いまま一進一退の攻防が続く。 2R。水本が圧力をかけつつボディ中心に手数、ヒットを稼ぐがや…

第10試合・Sライト級5回戦/●高橋淳治[博多協栄](1R0分29秒KO)丸木和也[天熊丸木]○

両者戦績は高橋4勝(3KO)1敗1分、丸木8勝(6KO)無敗。 1R。丸木がいきなり勝負をかけて猛攻。右ストレートをテンプルにクリーンヒットさせてダウンを奪う。再開後も速攻、左カウンターを痛烈に決めて2ノックダウンで自動的KO。衝撃の秒殺! 丸木が相…

第9試合・ライト級4回戦/○鶴田亮介[本田F](判定3−0)渡場大輔[大阪帝拳]●

両者戦績は鶴田3勝(1KO)無敗、渡場7勝(3KO)無敗。 1R。鶴田は手、足、ボディワークのスピードやディフェンスのセンスは非凡。しかしトリッキーな攻撃は恵まれたハンドスピードに対して精度が低く、パンチ力にも欠ける印象。渡場は正攻法で対応、圧力かけ…

第8試合・Sフェザー級5回戦/●田中裕士[本田F](判定0−3)木原和正[ウォズ]○

両者戦績は田中5勝(1KO)無敗、木原6勝(4KO)無敗。 1R。田中は頭から突っ込むラフファイトを展開。大振りを不完全ながらヒットさせて粘り込みを図る。木原は左右フック中心にカウンターで迎撃し、明確なヒットを奪うが形勢は微妙。 2R。田中の頭低いラフ…

第7試合・フェザー級5回戦/●藤田晋矢[三松スポーツ](3R2分24秒TKO)林翔太[天熊丸木]○

フェザー級は西部日本と中日本のMVP対決。両者戦績は藤田5勝(5KO)無敗、林8勝(4KO)無敗。 1R。藤田はいかにも重そうなパンチで、豪快にラッシュを敢行。林はこれを概ねディフェンスで捌きつつ、アッパー、フックを浴びせ、ラウンド終盤には逆に藤田に…

第6試合・Sバンタム級5回戦/●高島忠剛[沖縄WR](判定1−2)村澤光[尼崎]○

西軍激戦区のSバンタム級戦線も最終章。西軍代表戦は無敗のサウスポー対決となった。両者戦績は高島5勝(3KO)無敗、村澤6勝(2KO)無敗。 1R。ハードパンチャー同士のKO狙い明らかな打撃戦。高島が、やや反応遅い村澤にショートブローをヒットさせてリード…

第5試合・バンタム級5回戦/○吉村祐紀[関](判定3−0)名越光紀[新日本大阪]●

両者戦績は吉村4勝(1KO)1敗3分、名越6勝(1KO)3敗3分。 1R。吉村は中間〜ロングレンジから小気味良く回転利かせ連打攻勢。クリンチワークも利かせて主導権争いでも優位。名越は圧力をかけてアグレッシブをアピールするが、動かれて手数少ない。 2R…

第4試合・Sフライ級4回戦/●近藤博之[スパンキーK](判定0−3)加藤心和[金沢]○

両者戦績は近藤2勝(1KO)無敗1分、近藤9勝(0KO)1敗1分。 1R。近藤は頭から突っ込んであからさまなラフファイト。左をドサクサ紛れに当てるが、ホールディングなどの反則も目立つ。加藤は捌くだけで手一杯だが、それでも主導権支配を懸命にアピール。 …

第3試合・フライ級4回戦/●屋冨祖裕信(判定0−3)松浦克哉[松田]○

両者戦績は屋冨祖3勝(2KO)無敗1分、松浦8勝(1KO)1敗1分。 1R。ラウンド序盤、屋冨祖はミドル〜ロングレンジから大きめのアッパー、フック攻勢。松浦はガードで捌きつつ、中盤以降圧力をかけて密着打撃戦に持ち込む。形勢微妙だが、手数・ヒットは屋冨…

第2試合・Lフライ級5回戦/●石川昌史[フジタ](判定0−3)中澤翔[大鵬]○

両者戦績は石川5勝(1KO)2敗、中澤7勝(1KO)2敗1分。 1R。中澤がロングレンジをキープしてほぼ完璧なアウトボックス。ジャブ、ストレート、左アッパーでヒット・手数の優位を確保する一方、渋いクリンチワークで石川の圧力も封じる。石川の反撃は散発的…

第1試合・ミニマム級5回戦/○土生拓郎[折尾](判定2−0)田村健二[松田]●

両者戦績は土生は5勝(1KO)1敗2分、田村5勝(0KO)4敗1分。 1R。田村は圧力をかけるが、土生はガードを高く上げ、出入り激しく威力より回転重視で軽打を小気味良く浴びせてゆく。田村も攻勢アピールして食い下がるが手数不足。 2R。田村は圧力、手数…

07年度全日本新人王戦・西軍代表決定戦

今年度の新人王戦線も、いよいよセミファイナル。11月の東日本決勝に先立って、我が西軍では代表決定戦が開催された。今年は西部日本地区がシード権と地元開催権を持つ年ということで、会場は福岡県の田川市総合体育館、そして9月の地区決勝を勝ち抜いた西…

興行全体の総括

前座からKO決着、好試合が多く、内容の引き締まった良質な興行だったのではないか。メイン・セミはややミスマッチ気味のマッチメイクではあったが、チャレンジする側の奮闘が光って、価値ある試合になった。 しかし特筆すべきは、第5試合で上位ランキング…

第7試合・日本ミドル級タイトルマッチ10回戦/○《王者》江口啓二[姫路木下](4R2分58秒TKO)叶栄治[大阪帝拳]《挑戦者・同級8位》●

王者・江口は15勝(10KO)1敗のサウスポー。OPBFではミドル級1位。相撲という異色のキャリアからプロボクシング入り。デビューした03年に新人王戦で西軍代表まで進出、全日本決勝は際どい判定で清田拓三[フラッシュ赤羽]に敗れるも、これが現在まで唯一の敗…

第6試合・バンタム級10回戦/○川端賢樹[姫路木下](7R1分52秒TKO)武田高廣[大阪帝拳]●

川端は25勝(15KO)8敗2分。元日本Sフライ級王者で、現在は日本バンタム級3位。92年デビュー、新人王戦には参加せず地元姫路での活動に専念し、7連勝でA級昇格。昇級緒戦は岡山遠征で初黒星となるが、96年から99年3月まで2引分を挟んで8連勝をマーク…

第5試合・Sライト級10回戦/○西尾彰人[姫路木下](判定2−1)山本大五郎[金沢]●

西尾は10勝(6KO)3敗2分、サウスポー。日本Sライト級11位。02年デビュー。新人王戦では03年に1勝して西日本決勝へ進出するが赤澤慎司[神拳阪神]に敗れ、04年の再挑戦も1勝した後の準決勝で中島丈志[Gツダ]にドロー敗者扱い。しかし間もなく再起し、05年…

第4試合・Sフライ級6回戦/○内海俊忠[姫路木下](2R2分04秒TKO)山本幸史朗[ウォズ]●

両者戦績は内海7勝(5KO)2敗1分、山本4勝(1KO)3敗2分。内海は04年2月以来、3年8ヶ月ぶりの復帰戦。山本も昨年11月以来、ほぼ1年のブランクがある。 1R。内海は重厚な好戦的ボクサーファイター。速さよりキレと威力に重きを置く連打で攻め立てる。…

第3試合・Sバンタム級4回戦/●北田竜統[JM加古川](判定1−2)棚橋直樹[Gツダ]○

両者戦績は北田2勝(2KO)2敗、棚橋1勝(1KO)2敗。北田は7月に敗れてから3ヶ月で復帰。棚橋は6月にアマエリート・上谷雄太[井岡]に敗れており、こちらも再起戦。 1R。北田は以前のスピード難が解消された様子。ショートレンジの打撃戦では小刻みにステ…

第2試合・Sバンタム級4回戦/○宮崎隆司[姫路木下](3R0分26秒TKO)脇重幸世司[江見]●

両者戦績は宮崎1勝(0KO)2敗、脇重は未勝利7敗。宮崎は新人王戦にエントリーするも、名越光紀[新日本大阪]に敗れ、今回が再起戦。脇重は今年4月に続いての兵庫県遠征。 1R。脇重は足を使いつつ、ジャブ使ってアウトボクシング。だが宮崎はジャブ、スト…

第1試合・フライ級4回戦/○大西一生[姫路木下](判定3−0)北岡和正[井岡]●

未勝利同士の対戦。大西は5月にデビュー戦で敗れて1敗、北岡は昨年9月、今年4月と連敗して2敗。 1R。北岡が勢いよく前に出て荒っぽい連打。大西も手数優先の迎撃でラフな乱打戦となる。ラウンド中盤から大西がカウンターで左右ストレートのヒットを連…

この日付の観戦記について

当日は所用の為に会場での観戦は出来ず、後日VTRにて観戦し、レポートを執筆したものです。よって、会場内や興行中の雑感は把握出来ないまま観戦しています。その点、ご承知置き下さい。

興行全体の総括

後半のA級4試合はオール判定で、4時間超の長丁場に。技術水準的には十分見応えのある試合ばかりだったのだが、一方的な内容のまま優勢側が仕留め切れず判定に甘んじた……という試合もあり、全試合観戦した観客にとっては爽快感よりも疲労感が先に立つ興行…

第8試合・Sフライ級契約ウェイト(51.8kg)8回戦/○宮崎亮[井岡](判定3−0)橋本泰治[尼崎]●

宮崎は3勝(2KO)無敗1分の戦績。アマ時代にインターハイで高校タイトルを獲得。B級デビューの資格を持ったまま06年12月に4回戦でデビュー。タイ人相手に連勝した後、6回戦へ。4月には西日本新人王戦Lフライ級準Vの須田康博[八尾]にダウンを奪われる苦…

第7試合・Sウェルター級8回戦/●シントゥン・ギャットブサバー[タイ国](判定0−3)丸元大成[Gツダ]○

赤コーナーに座ったシントゥンは、公称7勝(6KO)4敗の戦績。04年にPABA王座、05年にタイ国王座、06年にABCO王座を獲得するなど、東洋圏のウェルター級では知られた存在。過去の来日でも2勝(2KO)1敗と勝ち越しており、国籍だけでは油断できない選手の典型…

第6試合・バンタム級10回戦/○橋詰知明[井岡](判定3−0)竹本裕規[風間]●

橋詰は6勝(4KO)2敗2分の戦績。アマ時代に国体少年の部近畿予選優勝を果した直後、17歳でプロ転向。デビュー戦でいきなり6回戦ボーイ相手にドローに持ち込むなど才能の片鱗を窺わせ、06年度の新人王戦では開幕前からPFP候補筆頭の前評判を得ていた。そ…

第5試合・バンタム級契約ウェイト(52.8kg)8回戦/○ピチット大源[井岡in島根江津](判定2−0)村井勇希[Gツダ]●

ここで元世界王者のピチットが登場。タイ国出身の彼だが、今回から兼任トレーナーも務める井岡ジムの島根支部所属となって、リングネームもタイ式に則り日本でのスポンサーの名を冠したものに変更した。 そのピチットの戦績は、公になっているもので34勝(15K…

第4試合・バンタム級契約ウェイト(53.0kg)4回戦/△ジャッカル川原[井岡](判定1−1)北村忠靖[陽光アダチ]△

両者この試合がデビュー戦。 1R。いかにもデビュー戦同士、というようなハチャメチャな乱打戦。共にヒットよりまず手数、という感じだが北村がロープ、コーナーへ詰める場面が多く、アグレッシブさが目立つ。ヒット数は互角。 2R。このラウンドも乱打戦…