駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・バンタム級10回戦/○川端賢樹[姫路木下](7R1分52秒TKO)武田高廣[大阪帝拳]●

川端は25勝(15KO)8敗2分。元日本Sフライ級王者で、現在は日本バンタム級3位。92年デビュー、新人王戦には参加せず地元姫路での活動に専念し、7連勝でA級昇格。昇級緒戦は岡山遠征で初黒星となるが、96年から99年3月まで2引分を挟んで8連勝をマーク(A級トーナメントドロー敗者扱い含む)。だが99年から01年にかけては、東京遠征での連敗、グァム遠征、タイ国遠征でのWBC世界王座挑戦失敗、坂田健史との日本フライ級王座決定戦敗退など波乱に富んだ戦歴を経る。02年から漸く復調し、03年にはプロスパー松浦[国際・引退]から日本Sフライ級王座を獲得。ローブローと審判の誤審騒動からダイレクトリマッチとなった初防衛戦も勝利した。しかし04年6月に王座陥落、以後バンタム級に転向したが、格下からの勝利と日本王座挑戦失敗(相手はサーシャ・バクティン三谷将之)を2度繰り返して現在に至る。前回は3月にタイ人をKOして三谷戦からの再起を果たしている。
武田は6勝(2KO)7敗1分。01年デビュー、02年・04年に新人王戦に臨むがいずれも2回戦敗退に終わり、途中3連敗を喫するなどパッとしない成績が続いた。だが04年11月と05年4月に6回戦で連勝して一気にA級昇格。以後、2敗1ドロー、今回の試合まで1年のブランクと、再び停滞を強いられているが、復調への足掛かりを早く作りたいところだろう。
1R。川端が上下左右自在の手数攻めで先制。ボディストレートを鋭く決める。武田もワン・ツー主体に前へ出るが、川端は落ち着いてブロッキングとステップバック。逆にショートフック中心にカウンターを獲り、打ち終わりにもヒットを重ねて優勢磐石。
2R。打撃戦模様。ショート〜ミドルレンジで川端の右が冴える。武田も手数は返すが、川端の堅固なディフェンスがこれを阻む。川端はやや攻防分離で、武田の反撃を受け止めてしまう嫌いはあるがヒット数でリード。
3R。打撃戦で川端が右ストレートをクリーンヒットして武田のヒザを折らせる大ダメージ。川端は一気攻勢に出るが、武田の抵抗も強くノックダウンならず。だが川端は左右アッパー、ショート連打などで鋭いヒットと有効打を連発してゆく。武田もダメージ払拭せんとワン・ツー主体に反撃するが、ここもガードの上。
4R。このラウンドも川端の右。返しの左フックを決める余裕も出て来てヒット数で大差。武田も時折右を当て、手数だけなら遜色無い試合をしてみせるものの、川端の右を克服できず。
5R。ショートレンジの激しい打ち合いの中で武田が先制。しかしラウンド後半に入ると川端が連打をビシビシ決めて逆転。武田も反撃するのだが、これを迎撃する川端が一枚上手。終了ゴング前には右アッパーを決めた。
6R。ショートレンジ中心の打撃戦。武田の健闘光るが、要所で川端が左フック、アッパーなど有効打・クリーンヒットさせてヤマ場作る。ラウンド終盤、武田の攻めに対抗して川端が左アッパーなどクリーンヒットして大差リード確定。
7R。川端が自分の距離を意識しつつジャブ、ストレートで主導権を完全に確保。武田も依然として戦意高くボディブロー打ち込むが、川端は冷静に対処して右ストレートのクリーンヒットからのラッシュでTKO。
川端が地力の差を見せ付けて圧勝。鋭い右にナックルを確実に当てるアッパー、連打など一級品の実力を見せた。だが守備面ではガードに頼りすぎ、攻防分離の傾向も。これは日本上位〜地域王者クラスとの試合では後手を踏む要因となりそう。
武田は敗れはしたものの、ブランクを感じさせない溌剌とした試合振り。動きも悪くは無く、今日のデキならA級でも勝ち負け出来そうだ。