駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

興行全体の総括

セミファイナルの6回戦が、選手の地力不足を差し引いても激賞に値する大激闘になったというのに、この折角の良い空気をメインのダルファイトが完膚なきまでに破壊してしまった。総合的に見てもチケット代金のモトが取れたとは到底言い難い内容と言わざるを…

第7試合・Sライト級契約ウェイト(62.2kg)10回戦/○中川知則[進光](判定3−0)禹雨成[韓国]●

メインイベントはランキング復帰を目論む中川知則が、1階級下のOPBFランカーを迎え撃つ。 その中川は14勝(4KO)5敗4分の戦績。かつては本望信人[角海老宝石]が保持していた日本タイトルに挑戦し、スリップ気味ながらダウンも奪ったが敗退。その後はチ…

第6試合・フェザー級6回戦/●北野元気[アポロ](4R0分25秒TKO)中川直幸[ハラダ]○

両者戦績は北野4勝(3KO)2敗、中川4勝(0KO)3敗1分。共にこれが昇級緒戦・初の6回戦である。 1R。両者ストレートのクリーンヒットを交換する派手な立ち上がり。好戦的、しかしガードの甘さも目に付く。ラウンド中盤以降、スピードで見劣る中川を翻弄す…

第5試合・フェザー級4回戦/○山本直[守口東郷](1R2分59秒TKO)種田圭介[ハラダ]●

両者戦績は山本2勝(1KO)4敗、種田1勝(0KO)1敗。山本は新人王予選(SB級)で初戦敗退後、8月の再起戦も落として連敗中。種田は05年9月にデビューして今年4月に2戦目と、7ヶ月間隔を守っての3戦目。 1R。フック乱打戦で幕開けた早々から山本がクリ…

第4試合・Sバンタム級4回戦/●森本一春[江坂](1R1分32秒KO)山口伸也[陽光アダチ]○

両者戦績は森本3勝(0KO)無敗1分、山口3勝(3KO)2敗。両者8月に3勝目を挙げており、この試合で6回戦昇格を賭ける。 1R。山口は積極的にジャブを突いて主導権をアピールするが、森本はジワジワと圧力をかけて持ち前の回転力を活かすチャンスを窺う。だ…

第3試合・Lフライ級契約ウェイト(48.0kg)4回戦/●川野健紫朗[アポロ](判定0−3)富永靖浩[ヨシヤマ]○

両者とも未勝利で、川野は1敗、富永は3敗の戦績。川野は今年7月のデビュー戦以来、富永は昨年9月以来のリング。 1R。富永は頭から突っ込む不恰好なスタンスから、数打てば当たるとばかりに“下手な鉄砲”のショートブローを打ちまくる。精度、技術共に皆…

第2試合・Sバンタム級4回戦/●新保貴大[塚原京都](判定0−3)板倉康友[ハラダ]○

両者戦績は新保1勝(1KO)5敗、板倉1勝(1KO)2敗2分。5連敗中の新保は昨年7月以来1年4ヶ月ぶりの試合。板倉は7月に久々の試合を引き分けて以来の試合。 1R。新保は少々ぎこちないアウトボクシングを披露。板倉の力みが感じられる攻撃をステップワー…

第1試合・Sバンタム級4回戦/○寄川航[進光](判定2−0)石角悠起[大阪帝拳]●

両者戦績は寄川が1勝(1KO)無敗、石角は勝ち負け無しの1引分。寄川は4/9以来7ヶ月ぶりのリング、石角は10/9のデビュー戦で試合開始早々に負傷ドローとなっており、これが実質上の再デビュー戦。 1R。寄川は精度あるジャブを起点にペースを掴み、打ち合い…

道楽うどん・虎寿司 KO BOXING(アポロジム主催)

例年は5月、9月、12月の年3回興行を打つアポロジムが、今年は“ボーナストラック”として11月にも小規模興行を開催。同ジム所属選手は2人だけの出場で、メインは進光ジムの中川知則がOPBFランカーに挑戦する10R。全7試合36Rの“スリムサイズ”興行となっ…

興行全体の総括

とにもかくにも、この日のトピックはメインのジャイアント・キリングだろう。かつてノーランカーによるランキング上位選手撃破は千里馬神戸ジムの“専売特許”だったが、時の流れは残酷というか因果応報というか、いよいよ奪われる立場に回る事になってしまっ…

第8試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.0kg)10回戦/○児島芳生[明石](7R2分08秒負傷判定2−1)武本在樹[千里馬神戸]●

メインイベントは、千里馬神戸ジムの次将格の1人、武本在樹の調整戦。本来なら、この試合は日本タイトル挑戦の前哨戦となる予定だった。しかしランキング編成上の兼ね合いで粟生隆寛[帝拳]にチャンピオンカーニバル出場権を奪われ、目標を見失った形での試…

第7試合・Sライト級8回戦/●大崎丈二[ウォズ](判定0−3)西尾彰人[姫路木下]○

大崎は9勝(5KO)1敗2分の戦績。昨年にはSライト級で全日本新人王タイトルを獲得したが、その後は不慮の事故で長期戦線離脱し、ランキングも手放した。9/24の京都興行で再起し勝利するも際どい判定となり、未だ本調子に戻り切っていない現状。 対する西尾…

第6試合・Sフェザー級8回戦/△福原寛人[江見](公式判定0−1)武本康樹[千里馬神戸]△

両者戦績は福原6勝(2KO)3敗3分、武本8勝(3KO)1敗1分。共に新人王戦西軍代表の実績を持っている。2人とも9/18のサンボーホール興行に出場したが、その結果は福原がTKO負け、武本は大差判定勝ちと明暗分かれた。 1R。やや近い距離で噛み合わない攻…

第5試合・バンタム級6回戦/○難波拓人[明石](判定3−0)竜野暁生[姫路木下]●

両者戦績は難波4勝(1KO)4敗1分、竜野4勝(1KO)8敗。難波は今年度のSフライ級西日本新人王に輝いたが、西部日本地区との対抗戦で無念のドロー敗者扱い。竜野は今年3月の敗戦以来8ヶ月ぶりのリングだが、04年に6回戦へ昇格してから泥沼の4連敗中。 1…

第4試合・フェザー級4回戦/●池田竜太[明石](2R1分15秒KO)大木良祐[千里馬神戸]○

両者戦績は池田1勝(1KO)無敗1分、大木2勝(0KO)2敗。共に9/18のサンボーホール興行以来の試合出場で、その時は池田が苦戦の末にドロー、大木はスプリットデシジョンで小差判定勝ちを収めている。 1R。池田はアグレッシブに手数出すが、やや一本調子。大…

第3試合・Sバンタム級4回戦/●安宅徹也[明石](4R0分36秒TKO)谷弘樹[姫路木下]○

両者戦績は、安宅2勝(1KO)2敗、谷2勝(1KO)1敗1分。安宅は6/11にKO負けを喫して以来の再起戦、谷は新人王戦Sバンタム級を西日本準決勝で敗退したが、9月に小笠原和寿[明石]相手に勝利して再起を果たしている。 1R。安宅は高い守備力を前面に出し、ボ…

第2試合・Sライト級4回戦/○松村直人[明石](判定2−0)荒井俊宏[千里馬神戸]●

松村は5月のサンボーホール興行でデビュー戦に敗れて未勝利1敗、荒井は今日がデビュー戦。 1R。荒井は一見腰の重そうな印象だが、その割に軽快なステップで自分の距離をキープ。精度の高い強打で不用意に接近して来る松村を迎撃する。その松村は完全に自…

第1試合・フライ級契約ウェイト(50.5kg)4回戦/○木戸俊彦[明石](4R0分40秒負傷判定2−0)辻本哲弘[千里馬神戸]●

両者戦績は木戸3勝(1KO)5敗1分、辻本は未勝利で1敗。木戸は9月のサンボーホール興行で判定勝ち、辻本は5月の神戸興行でデビューするも敗れている。 1R。木戸は細かくステップ、ダッキングしつつ手を出すが、非力さが目立ちガードの穴を突かれての被…

BROTERHOOD/Senrima Super Fight vol.22(千里馬神戸主催)

今年3回目となるサンボーホールでの千里馬神戸ジム主催興行。今年は他に3月の長谷川防衛戦も神戸で開催しており、都合年度内4回目の興行開催となった。明石、高砂*1、姫路木下など同県他ジムからの選手派遣を受けての合同興行形式が定着し、より多くの試…

興行全体の総括

試合内容は、概ね4回戦は4回戦なりの、6回戦は6回戦なりの水準に達していた。総合すれば及第点の内容だったと言えるのではないか。ただ、良い意味で期待を裏切るような試合に恵まれず、8試合中7試合が判定決着という事もあって、やや爽快感に乏しい興…

第8試合・バンタム級6回戦/○馬野晃[ハラダ](判定3−0)山本幸史朗[ウォズ]●

両者戦績は馬野5勝(3KO)1敗、山本4勝(1KO)2敗2分。この試合は今年度新人王戦・西日本準決勝の再戦で、前回は山本が微妙な小差判定を制している。ただその後は、山本が西日本決勝で完敗を喫したのに対して馬野は10/9に再起戦を飾っており、明暗がクッキ…

第7試合・フライ級6回戦/○久田哲也[ハラダ](判定3−0)堀江純平[大阪帝拳]●

両者戦績は久田6勝(3KO)3敗、堀江5勝(2KO)4敗。この2人は10/9に対戦し、その際は久田が小差判定で勝利を収めている。そして堀江は10/9の後、10/29に佐藤武夫[Gツダ]と対戦して大差判定勝ちしており、中19日→中19日という凄まじい間隔でのスケジュール…

第6試合・ミドル級4回戦/○岩尾剛[泉北](判定3−0)金崎俊行[大阪帝拳]●

両者戦績は岩尾3勝(2KO)無敗1分、金崎3勝(1KO)2敗。岩尾は新人戦の西日本決勝を引分敗者扱いに散って以来の再起戦。金崎は8/27に昨年度の西日本新人王・辻保裕[六島]に敗れて以来のリング。 1R。金崎は先手で手数を出し、岩尾のワン・ツー中心の攻めを…

第5試合・フェザー級4回戦/●宮島拓之[岐阜ヨコゼキ](判定0−3)兵頭健一[大星森垣]○

両者とも未勝利で、宮島は1敗、兵頭は2敗。 1R。この戦績なりのスピード平凡な攻防。近距離での打撃戦も一杯一杯な感じ。互いの守備の甘さを咎める形でヒットを奪い合う展開から、兵頭が左ジャブ、フックのヒットと手数でリードを奪う。 2R。両者攻防…

第4試合・Sフェザー級4回戦/△吉野典秀[進光](4R0分19秒負傷判定0−0)湯川翔太[江坂]△

吉野はこの試合がデビュー戦、湯川は7/28のデビュー戦に勝利して1勝(1KO)無敗の戦績。 1R。湯川はデビュー戦同様、スピード、ハンドスピード共に十分の動きで攻める。細かく足を使い、吉野のこうげきを的確に捌きつつ、速いジャブを放って手数を稼ぐ。そ…

第3試合・Sフェザー級4回戦/●池田善彦[エディ](判定0−3)水山雄太[大阪帝拳]○

両者戦績は池田2勝(2KO)2敗1分、水山2勝(1KO)1敗。池田は9/8の試合で偶然のバッティングが“フィニッシュブロー”になるというラッキーなKO勝ちで2勝目。水山は新人王戦2回戦で、今期西軍代表の千葉龍史に敗れて以来の再起戦。 1R。池田は頭から突…

第2試合・フェザー級4回戦/●鏡畑佑企[SFマキ](2R2分45秒KO)白井康太[尼崎]○

鏡畑はこれがデビュー戦。白井は1勝(1KO)3敗1分の戦績で、今年の新人王戦にエントリーするも、及ばず緒戦で敗退。それ以来5ヶ月半ぶりのリングである。 1R。鏡畑はやや動きが固く、攻守共にスピード平凡な印象。ショート〜クロスレンジの乱打戦となる…

第1試合・Lフライ級4回戦/●木村聡[塚原京都](判定0−3)奥貴士[大星森垣]○

両者戦績は木村1勝(1KO)1敗1分、奥2勝(1KO)2敗。木村は7/2、7/22と短期連戦から4ヶ月開けての4戦目。奥は新人王戦緒戦で惜敗して以来の復帰戦。 なおこの試合、木村は計量で約1kgオーバーという失態。奥はリミットを数百gアンダーで計量をパスして…

Fighting Beat Boxing(ハラダジム主催興行)

年3回大阪府立体育館第2競技場で行われるハラダジム主催興行。今回はエース格・上原誠、準エース格・高山剛志のいずれも欠場で、久田哲也、馬野晃の6回戦選手2名のA級昇格を賭けた試合が実質上のダブルメインに据え置かれた。 準備段階では、この他にも…

オープン・スコアリングシステムについての雑感

今回試験的に導入された公式採点の途中経過公開制だが、率直に言って「使い方次第で良くも悪くもなるシステム」という印象を持った。もっと言えば、運用側の資質が求められるシビアさを内包したシステムである。 観戦者の満足度を第一に考えた一流の選手と、…