駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第4試合・Sフェザー級4回戦/△吉野典秀[進光](4R0分19秒負傷判定0−0)湯川翔太[江坂]△

吉野はこの試合がデビュー戦、湯川は7/28のデビュー戦に勝利して1勝(1KO)無敗の戦績。
1R。湯川はデビュー戦同様、スピード、ハンドスピード共に十分の動きで攻める。細かく足を使い、吉野のこうげきを的確に捌きつつ、速いジャブを放って手数を稼ぐ。そしてロープ際で右フックを振り下ろしてダウンも奪った。吉野は大苦戦を強いられながらも左フック中心に反撃するが、不発が多い。
2R。吉野は体ごと圧力をかけていって、強引に打撃戦へ持ち込んだ。決定打こそ奪えぬが、自分のペースに引きずり込んで手数攻めして左フックを有効打。湯川もこれに退かず応戦し、左で有効打を奪うなどして互角に渡り合うが、ラウンド終了直前にワン・ツーを浴びて痛い失点。
3R。吉野はしつこく体を浴びせて密着戦へ。ボディ中心に手数を出して、隙を見てショートワン・ツーの連続ヒットに繋げる。湯川は強く振りかぶった動作のワン・ツーで反撃狙うも、これはブロック、ダッキングされてしまう。リズムを掴めず、このラウンドも苦戦。
4R。ラウンド早々、偶然のバッティングによって吉野が負傷し、試合続行不可能との判断が下されて負傷判定へ。
公式判定は原田、大黒、半田の三者とも38-38のドロー。駒木の採点は、優劣判断の不可能な4Rを10-10で固定し「A」「B」いずれも38-38でやはりイーブン。
湯川は1Rこそ持ち前のスピード活かすボクシングでセンス十分の試合ぶりを見せたが、2R以降は相手の圧力に潰されて主導権まで失ってしまった。自分のリズムでの試合運びを維持するためにも、もっとリードジャブの精度に磨きをかけたい。
吉野は技術不足を、強引かつ渋太い手数攻勢でリカバー。デビュー戦の身で実質地力上位相手にドローまで持ち込んだのだから、これは評価出来る。ただ、上を目指すならまだまだ習得すべき事はいくらでもある。初勝利を目指して精進を惜しまないで欲しい。