駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sフェザー級4回戦/●池田善彦[エディ](判定0−3)水山雄太[大阪帝拳]○

両者戦績は池田2勝(2KO)2敗1分、水山2勝(1KO)1敗。池田は9/8の試合で偶然のバッティングが“フィニッシュブロー”になるというラッキーなKO勝ちで2勝目。水山は新人王戦2回戦で、今期西軍代表の千葉龍史に敗れて以来の再起戦。
1R。池田は頭から突っ込むような前傾姿勢から、両腕をグルグル振り回すようなスイング一辺倒の乱雑な攻勢。水山はこれを迎撃したいが、捌き切れずに被弾を繰り返す。このリズムでは手を出すに出せず、このラウンドは苦戦が否めず。
2R。池田の乱暴なフック、スイング攻勢が続く。手数豊富に圧力をかけ、水山の反撃をパンチで相殺、散発的ながらヒットも奪う。ラウンド後半からは水山が左ボディ中心に反撃し、形勢挽回。しかし自分のリズムでボクシングは出来ていない。
3R。このラウンドも前半は池田が攻勢でペースを掌握。水山を固めたガードごとロープ際へ後退させ、強引なヒットも奪った。だが後半からは水山もストレート系パンチで反撃開始。池田がスタミナ切れを起こした事もあって、主導権も引き寄せ互角〜小差逆転の展開へ。
4R。池田の攻勢に対し、水山は右ストレート中心の強打で迎撃。ラウンド序盤こそ池田の手数が目立ったが、中盤以降は池田の動きが止まり、水山が右ストレートを再三ヒットさせて明確な優勢を築いた。
公式判定は半田40-36、宮崎39-37、藤田39-37の3−0で水山。駒木の採点は「A」38-38イーブン「B」39-38池田優勢。公式判定と手元の採点が大きく割れたのは、池田の乱雑なフック一辺倒の攻勢について、これを採点基準の“アグレッシブ”として認定するかどうかで判断が割れたからだと思われる。確かに池田の戦い振りを見るとジャッジの判断にも納得だが、ヒット数で池田が明確に優勢だったはずの1Rまで否定するフルマークは、ちょっと厳しい“門前払い”のような気もする。
水山は前半戦、相手の乱暴な攻勢を前に戦い難そうにしていたが、後半からは右ストレート中心にヒット重ねていった。だが今日はガードの甘さが目立ち、攻めも力み過ぎの印象で、やや物足りないデキでもあった。
池田は圧力と手数で主導権を奪い、特に試合前半は健闘したように見えたが、戦い振りの荒っぽさが過ぎて、ジャッジには随分と嫌われてしまった。もっとジャブ、ストレートを起点にした攻撃パターンを身に付けないと、これでは頑張っても頑張ってもジャッジが敵に回りそうだ。