駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Lフライ級契約ウェイト(48.0kg)4回戦/●川野健紫朗[アポロ](判定0−3)富永靖浩[ヨシヤマ]○

両者とも未勝利で、川野は1敗、富永は3敗の戦績。川野は今年7月のデビュー戦以来、富永は昨年9月以来のリング。
1R。富永は頭から突っ込む不恰好なスタンスから、数打てば当たるとばかりに“下手な鉄砲”のショートブローを打ちまくる。精度、技術共に皆無に近いが、この勢い任せの手数攻めで川野を守勢に追い込む。河野もショートアッパーで迎撃するなどするが、富永の特攻を捌き切れない。
2R。富永はこのラウンドも無手勝流のラッシュ一辺倒。川野はこの攻勢を概ね捌いたが、自分の攻めに繋げられず、反撃は限定的に終わる。ラウンド終盤にはラッキーパンチ気味の追撃も浴びてますます劣勢に。
3R。富永の愚直な戦術に対し、川野は無策のままお付き合いしてしまう大失策。手数もロクに出せず、ドサクサ紛れのパンチを浴びてしまう。余りに乱暴な富永の攻勢はジャッジによっては無効と判断されそうだが……
4R。まるで駄々っ子がデタラメに腕を振り回すような、悲惨な技術水準の乱打戦。悪い意味で互角の形勢のまま推移したが、川野が心持ち押し気味で攻勢をアピールした。
公式判定は野田40-36、原田39-37、宮崎39-38の3−0で富永。駒木の採点は「A」39-37「B」40-38で富永優勢。
富永は技術皆無のラフファイター。デビュー以来の3連敗と試合枯れ状態も「なるほど」と思わせる内容だったが、今日は相手の拙攻拙守にも助けられて初勝利。スタミナだけは並以上だが、技術、スピード、精度、パンチ力などはプロ選手としての最低水準。
川野は最悪の戦術で相手の思うツボにハマってしまい、本来なら負けるはずの無い相手に不名誉の白星献上。今日は持ち味を全く活かせておらず、実力査定のしようもない参考外の大惨敗。