駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sバンタム級4回戦/●安宅徹也[明石](4R0分36秒TKO)谷弘樹[姫路木下]○

両者戦績は、安宅2勝(1KO)2敗、谷2勝(1KO)1敗1分。安宅は6/11にKO負けを喫して以来の再起戦、谷は新人王戦Sバンタム級を西日本準決勝で敗退したが、9月に小笠原和寿[明石]相手に勝利して再起を果たしている。
1R。安宅は高い守備力を前面に出し、ボディワークを駆使しながら的確なジャブ中心の攻めで主導権。しかしまとまった手数や決定打に欠け、谷の精度こそ甘いが攻勢点付きの手数に迫られて際どい形勢。
2R。このラウンドも谷が前、前へ出て手数攻めだが、安宅はこれを概ね空転させてカウンター気味にジャブ、ストレートでヒット数リード。ただ、やはり手数の少なさ目立つ。谷は手数と圧力で“アグレッシブ”の要素では力強くアピール。
3R。谷が圧力かけつつ手数振り回しながら、ドサクサ紛れにヒットを奪う。安宅はこれをやや捌きかねて守勢。ラウンド終了直前、コーナーを背にしながらもカウンターを決めて印象的な場面を作ったが、どこまで評価されるか?
4R。谷がこのラウンドも積極的に仕掛けて打撃戦を挑むと、点数状況の微妙さを自覚してか安宅もこれに応じる構え。バチバチの打撃戦がにわかに始まるが、間もなく谷のフックが安宅のアゴを明確に捉えてダウン寸前の状況になったところで、原田レフェリーがTKOを宣告。早いタイミングのストップだが、このラウンドを失えば安宅の勝ちは無い点数状況だけに、仕方ないと言えば仕方ないだろう。
谷は相変わらずの精度の低い攻撃がネックで、前半戦は相手の堅守を打ち破れず完封ムードすら漂った。だがそこから攻勢と圧力で粘り強く攻め、パワーゲームに持ち込んで最後はTKOにまとめた。勝つには勝ったが、もっと動きに正確さが欲しい。
安宅は6回戦以上級の守備で見せ場を作ったが、一旦主導権を失うと、打たれ脆さを露呈して一気に勝負を持っていかれてしまった。良い素質は持っているのだが、多くのラウンドを戦う内にフィジカル面の弱さが目立ってしまう。上を目指すには集中力と体力の強化が望まれるが……