駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・フライ級契約ウェイト(50.5kg)4回戦/○木戸俊彦[明石](4R0分40秒負傷判定2−0)辻本哲弘[千里馬神戸]●

両者戦績は木戸3勝(1KO)5敗1分、辻本は未勝利で1敗。木戸は9月のサンボーホール興行で判定勝ち、辻本は5月の神戸興行でデビューするも敗れている。
1R。木戸は細かくステップ、ダッキングしつつ手を出すが、非力さが目立ちガードの穴を突かれての被弾も多い。辻本は足を止めてフック連打、ワン・ツー、ショートアッパーでヒット数で先行したが、ラウンド終盤、木戸が圧力を増して手数攻めし、右カウンターを決めてほぼ互角に挽回する。
2R。密着距離からの乱打戦でスタートしたラウンド。木戸がダッキングしながらの右フックで数発有効打を奪うと、辻本もヒットを返して伯仲した攻防戦。バッティングで負傷した木戸のドクターチェックがあった後は辻本が攻勢を仕掛けたが、要所で逆に被弾しペースを見失ってしまう。
3R。木戸が圧力をかけつつ、右フック起点にワン・ツー連打で先制。その後も体を強引に浴びせつつ、右手で首をホールドしながら左ボディを打ち込む狡っ辛い攻めで主導権を確保。辻本はリズムを見失い、攻めが単調になってしまい、ヒットも少ないまま。
4R。このラウンドも密着戦。木戸がプレスをかけて辻本に手を出させず主導権をキープしたが、木戸の傷に再度ドクターチェックが入り、ここで試合がストップされてしまった。
公式判定は野田40-38、新井39-37、上中39-39の2−0で木戸。駒木の採点は「A」40-36「B」40-38で木戸優勢。
木戸は1Rこそ相手の距離で戦ってしまい苦戦を強いられたが、その後は強引にプレスを仕掛けて主導権を奪い、そのままキープして判定勝ち。右フックのタイミングや左ショートの使い方などが目を引いたが、右手で首をホールドする戦術はジャッジの印象を損ねそう。ディフェンス面の甘さも相変わらずの懸念材料。これで次は6回戦だが、現状では相手を選ばねば苦しそう。
辻本は攻めがやや単調で、パンチが「当てる」ではなく「打つ」の段階。少なくとも1勝は出来るだろうが、今のような場当たり的な試合をしていては、4回戦と6回戦の間を隔てる壁に跳ね返されてしまいそうだ。