駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・バンタム級6回戦/○馬野晃[ハラダ](判定3−0)山本幸史朗[ウォズ]●

両者戦績は馬野5勝(3KO)1敗、山本4勝(1KO)2敗2分。この試合は今年度新人王戦・西日本準決勝の再戦で、前回は山本が微妙な小差判定を制している。ただその後は、山本が西日本決勝で完敗を喫したのに対して馬野は10/9に再起戦を飾っており、明暗がクッキリ入れ替わる結果となっている。
1R。近距離・フック中心の豪快な打撃戦。山本が馬野の土俵に乗る展開だが、ヒット数で小差リード、手数も互角と奮闘。だがラウンド最終盤、馬野がパワーで無理やり効かせてダメージ差で逆転か。
2R。このラウンドも近距離戦。パワーと強引さで馬野が手数優勢、左フックのクリーンヒット、ボディへの打ち分けも鮮やかにリードを奪う。山本も果敢に抵抗し、左フックを有効打し、更にヒットを追加して小差まで挽回する。
3R。パワフルな乱打戦が続く。山本が左フックでクリーンヒットするも、馬野は怯まず猛攻に出て、ガード上にも構わずボディに手数を集め強引に効かせてしまう。山本はヒットを重ねて数的には互角以上だが、パンチ力の差が如何ともし難い。
4R。密着しての強打合戦。山本も手数を出して奮戦するが、馬野のパワーが一枚上。ショートアッパーを連続ヒットさせ、ボディブローや力任せのフックをヒットさせて強引に優勢を築く。
5R。山本が先手でヒットを奪うが、馬野も左ボディ中心にパワー溢れる強打で追い上げる展開。山本が右カウンターからの連打でヤマ場を作るが、馬野も粘り強く抵抗して微差の範囲。
6R。馬野は右フック起点にボディ中心の強打攻めで山本を効かせる。途中、大振りの拙攻で山本の反撃を許すも、強引なボディ攻めで山本を根負けさせた。
公式採点は野田59-56、藤田58-56、原田58-57の3−0で馬野。駒木の採点は「A」59-55「B」60-55で馬野優勢。
馬野が延々と続くショートレンジの打撃・乱打戦を持ち前のパワーで制した一戦。ヒット数そのものは小差だったが、ガードごと効かせるボディ攻めで与えたダメージ量で大差圧倒した。
山本は時折左フックをクリーンヒットさせるなど印象的な場面を作り、公式判定ではクロスゲームに持ち込んだが、やはり敢えて相手の長所に合わせるような試合運びは無謀だったか。客席を大いに沸かせたのはプロ選手として大きな勲章だが、欲を言えば6回戦選手らしい工夫ある戦い振りも見たかったところ。