駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・Sバンタム級4回戦/○寄川航[進光](判定2−0)石角悠起[大阪帝拳]●

両者戦績は寄川が1勝(1KO)無敗、石角は勝ち負け無しの1引分。寄川は4/9以来7ヶ月ぶりのリング、石角は10/9のデビュー戦で試合開始早々に負傷ドローとなっており、これが実質上の再デビュー戦。
1R。寄川は精度あるジャブを起点にペースを掴み、打ち合いでも右ストレート交えて有効打、ヒット連発。だが石角もラウンド中盤に右カウンター、左ストレートのクリーンヒットで寄川をグラつかせて一気に形勢を逆転させる。それでも終盤はまた寄川の攻勢となり、石角をロープに詰めて痛打を浴びせて失地挽回を果たした。ジャッジ的には際どいが?
2R。寄川が自分のリズムでジャブを突きつつ、石角の接近にも落ち着いた対処で迎撃。打ち合いになっても優勢に事を進め、ラウンド通じて支配的な内容。石角は動き全体にキレが無く、攻撃の精度も低く苦戦を強いられる。
3R。このラウンドも寄川主導。石角はアグレッシブだがメクラ打ちで精度低く、攻撃を躱された上に打ち終わりを狙われてジャブ、ストレートを被弾。しかし、このラウンドも中盤に石角は右カウンターをクリーンヒットさせて寄川をダウン寸前に追い込む。寄川もすぐさま反撃し、右ストレート、ショートアッパーでクリーンヒット、有効打を連発したが、やはりジャッジ的には際どいだろう。
4R。両者肩に力の入った単発ワン・ツーばかりの近距離乱打戦。技術と拳より気持ちと頭が衝突する荒々しい試合だったが、要所で渋太くヒットを重ねた寄川が優勢を築き上げた。
公式判定は北村39-37、野田39-38、半田38-38の2−0で寄川。駒木の採点は「A」40-36「B」40-38で寄川優勢。
寄川はデビュー戦でも披露した精度の高いジャブで主導権を奪い、そのまま逃げ切った。但し、途中ダウン寸前の場面を2度も作って内容以上に競った判定となったように、要所でガードが低くなるのが弱点。あと、今日は相手にも恵まれたと言わざるを得ないだろう。
石角は技術、スピード、ハンドスピードいずれも平凡な水準。現状の地力では1勝もなかなか難しそうだ。