駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・Lフライ級4回戦/●木村聡[塚原京都](判定0−3)奥貴士[大星森垣]○

両者戦績は木村1勝(1KO)1敗1分、奥2勝(1KO)2敗。木村は7/2、7/22と短期連戦から4ヶ月開けての4戦目。奥は新人王戦緒戦で惜敗して以来の復帰戦。
なおこの試合、木村は計量で約1kgオーバーという失態。奥はリミットを数百gアンダーで計量をパスしており、実質1階級差のハンデがついた。木村にはグローブハンデ(10オンス着用)のペナルティが課されたが、これは止む無し。
1R。ラウンド前半は木村がガード、ヘッドスリップで奥の攻撃を捌きつつ、右ストレート中心に手数攻めしてヒットも2〜3発。しかし後半からは奥が細かくステップを踏みつつ手数を浴びせて主導権奪取。左ストレートを浅いが度々当てて互角から小差逆転まで。
2R。奥はこのラウンドも足を使いつつ手数攻め。しかしパンチの軽さが目に付く。対する木村はプッシングによるスリップ判定ながらも奥を転ばせるなど、圧力の強さをアピール。右フック、ストレートで度々ヒットも奪う。ただ、こちらはやや手数が少ないのがどうか。
3R。乱打戦気味の内容。ラウンド序盤は手数を増やした木村が10オンスグローブに力を乗せた右ストレートで、文字通り押し気味の展開。しかし中盤からは奥の左が当たり始め、木村の圧力を空転させる。ほぼ互角の形勢だが……?
4R。奥のジャブ、ワン・ツー、ショートアッパーが的を捉え始める。威力は感じないが、木村のガードの隙間を縫うように細かいヒットを重ねる。木村はパワーに任せて攻勢を仕掛けるも、手を出す寸前に迎撃されて苦戦。
公式判定は野田39-37、宮崎39-37、原田39-38の3−0で奥。駒木の採点は「A」39-37「B」39-38でいずれも奥優勢。
奥はパンチの軽さが目立ち、この階級でも非力な印象だが、ソツなく手数で攻めて小差優勢のラウンド確保していった。4Rは上手くリズムも掴んで内容的に完勝。新人王戦なら緒戦突破出来るかどうかの実力。
木村は圧力攻めと右の強打でリズムを探ったが、ディフェンスに意識を置き過ぎて手数不足に陥ってしまった。その上、4Rでは相手の距離で戦ってしまい、なし崩し的に劣勢へ。4回戦並〜中位級の地力はキープしているが、今日の負け方は余力を残しての敗戦で後味が悪い。