駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第4試合・バンタム級6回戦/●堀江純平[大阪帝拳](判定0−2)橋口竣[正拳]○

両者戦績は堀江5勝(2KO)6敗、橋口4勝(2KO)5敗1分。堀江はここ3戦、際どい内容の際どい採点結果で3連敗中。直前の4月の試合では、序盤に拳を骨折する不運にも見舞われた。橋口は4月、以前敗れた相手と6回戦緒戦に臨んだが及ばず判定負け。短期間で再起してB級初勝利を目指す。
1R。中間距離でワン・ツー中心の攻防。橋口が左右ボディを交えて健闘するが、堀江が左右アッパー、鋭い左カウンターでヒット数リード。
2R。このラウンドも中間距離で打撃戦。攻守共に手堅い堀江がアッパー、左カウンター、右ストレートで優勢。橋口も左アッパーこじ入れるなど反撃するが、固いガードを崩しきれず。
3R。橋口が圧力強め、アグレッシブに強打をボディ中心に浴びせてゆく。堀江はガードで捌こうとするが防ぎ切れず、ロープ際に詰められる場面も。だが堀江も左右アッパーでヒット多数。互角近辺まで形勢を押し戻す。
4R。ショートレンジで打撃戦。堀江が橋口のボディ攻めを何とか凌ぎつつ、左アッパー、右ストレート中心にヒット数でアドバンテージ。だが橋口の攻勢も目立ち、“アグレッシブ”の要素では明らかにこちらが上。
5R。橋口が距離を詰め、圧力かけつつボディへ強打を次々と打ち込む。堀江は懸命にガードして決定打を許さぬが、それでも強引な連打攻勢を浴びて効かされてしまう。堀江は得意のアッパーで鋭く反撃するが、守勢の時間がちょっと長すぎる。
6R。ボディへ強打を叩き込む橋口と、堅守をアピールしつつ細かくアッパーを突き上げてゆく堀江でジャッジの割れそうなラウンド。“クリーンヒット”小差優勢の堀江か、“アグレッシブ”で確かな優位を築く橋口か。
公式判定は坂本59-56、宮崎58-56、野田57-57の2−0で橋口。駒木の採点は「A」57-57イーブン「B」59-57堀江優勢。際どいラウンドの奪い合いとなったが、公式ジャッジは橋口の攻勢点を評価。堀江はいつも明確なヒット数で上回りながら採点に泣かされてこれで4連敗。相当に西日本審判団との相性が悪いようだ。
橋口がショートレンジからのボディ攻めと圧力攻勢で攻勢点を稼ぎ、やや際どい点差ながら判定勝ち。キャリアを積むごとに逞しくなって来たが、今後8回戦を目指す上で、今後早い段階で技術面の裏付けも欲しいところ。
堀江は惜しい判定をまたも落として4連敗。ガードと的確な反撃で明確なヒット数では上回ったが、後半に守勢の時間が長くなり、ガード越しの攻勢で消耗した様子がジャッジに見咎められたか。本来、6回戦なら五分以上に戦える実力の持ち主だが、とにかく勝ち運に恵まれない。