駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第5試合・フライ級6回戦/○利幸トーレス[大鵬](判定3−0)金城吉廣[正拳]●

両者戦績はトーレス6勝(0KO)4敗、金城5勝(2KO)6敗2分。今年4/30、トーレスが判定勝ちを収めた試合のダイレクト・リマッチ。
1R。両者中間距離でワン・ツー、フック中心の静かな攻防戦。スタミナを意識したのかセーブ気味の立ち上がり。ラウンド前半はトーレスがやや打ち勝つも、金城も終盤に盛り返してほぼ互角まで。
2R。このラウンドも同様の展開。トーレスがラウンド前半、左中心にヒット重ね、一時は確実なリードを築いたが、後半に金城のボディフック、顔面への左フックが決まって小差まで挽回。トーレスは集中力が3分持続しない嫌いが。
3R。金城がこのラウンドは上下に打ち分けてヒット数先行。トーレスはガードが緩くなりがちで被弾が多いがラウンド終盤にヒットをまとめて一気に挽回図る。
4R。中間距離でフック強打中心の打撃戦。トーレスはボディ狙いで重いパンチ浴びせるが、ラウンド中盤に金城がフック、ストレートを次々と浴びせてリード確保。トーレスも抵抗激しく、大差は許さぬが。
5R。強打中心の乱打戦。ラウンド前半から金城がボディ中心に手数、ヒット数でリード。ロープ背負わせて右ストレートのクリーンヒットも。だが終盤にトーレスは猛然と反撃に出て劣勢を一気に縮める。終始劣勢のラウンドを作らない渋太い試合振り。
6R。クロスレンジ乱打戦。トーレスが主導権を握って先手、先手の攻め。金城もショートアッパーをクリーンヒットし、上下へのショートで見せ場を作り肉薄するが、トーレスがヒット数を終始稼いでリードを確保。
公式判定は坂本60-55、原田59-55、野田58-57の3−0でトーレスが同一カード連勝を決めた。駒木の採点は「A」58-56金城優勢「B」59-58トーレス優勢。結果そのものはともかく、大差の採点は偏り過ぎの印象も。特に坂本氏は今回に限らず以前から極端に偏る採点が多い。片方の優勢を意識すると、その先入観に捉われる傾向があるのではないか。
トーレスが的確なフック、ストレートでヒット数を稼ぎ、返り討ちを果たした。ただ、内容的には点差以上の接戦で、特に集中力が切れ、被弾が増える場面がまま見受けられるのが気がかり。8ラウンドを戦う際には気をつけたい点だ。
金城は各ラウンドで先制を許す苦しい展開も、力強い反撃でフォローしたように見えたが……。内容的には上積みも見られただけに、この結果は残念だろう。