駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第2試合・バンタム級4回戦/●アボ中村[六島](判定1−2)柴田匡俊[大鵬]○

両者戦績は中村1勝(0KO)無敗、柴田3勝(1KO)3敗4分。中村は今年4月のデビュー戦で勝利し、これが2戦目。柴田は4回戦でキャリア10戦の“ベテラン・グリーンボーイ”。既に6回戦を戦う資格はあるが、出世を急がず地力向上を目指している。
1R。中村がアグレッシブにファイター・スタイルの攻勢に出るが、柴田はダッキングとステップワーク巧みにこれを捌き、ジャブ起点のストレート、フックで手数とヒットを稼いで優勢。小差ながら的確なポイントアウト。
2R。やや膠着気味の展開。アグレッシブな中村の構成を柴田が受け止め、距離をあけてはジャブ中心に手数。ラウンド終盤には互いにロープに押し込み合ってラッシュの応酬となるが、ここでも柴田の捌きが巧み。
3R。このラウンドも攻勢の中村、捌きの柴田という構図。ラウンド前半から中村の圧力と攻勢が目立つが、柴田も踏みとどまって細かく手数を稼ぎ、ほぼ互角の内容。
4R。明確なヒットとヤマ場に欠ける掴みどころの無い打撃戦が続いている。ラウンド序盤は中村が圧力と手数で攻勢点アピールも、中盤には柴田が膠着の中で渋太く左のダブルをヒット。終盤は互角形勢で、これまた際どい内容。
公式判定は宮崎40-36、野田40-37(以上、柴田支持)、西山38-37(中村支持)のスプリットで柴田。駒木の採点は「A」38-38「B」39-39イーブン。それにしても極端にスコアが割れたものだ。4回戦で上下5点とは……
柴田が相手の圧力と物量作戦に手を焼きながらも、このクラスなりに熟練した技術を背景にした捌きと手数稼ぎで渋いポイントアウト。但し、受身に立つ場面が多すぎてジャッジは大きく割れた。
中村は愚直なファイタースタイルで連勝を目指したが、攻勢点だけではポイントを奪えなかった。