駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第8試合・Sフェザー級10回戦/○山崎晃[六島](6R2分35秒KO)ウィラチャイ・チュワタナ[タイ国]●

セミファイナルは、長年日本ランクに名を連ねる山崎が登場。
山崎の戦績は9勝(5KO)1敗3分で現在日本Sフェザー級8位。03年にB級デビュー以来、強豪相手との対戦を高勝率で潜り抜け、早々とランキングに登載。04年末には後の日本・東洋二冠王者・小堀佑介[角海老宝石]と互角以上の内容でドローに持ち込む健闘を見せた。但し最近はやや試合枯れ気味で骨のある対戦相手にも恵まれているとは言い難い。最近は日本タイトル挑戦の話題も一部で聞こえたが、結局は今回の相手も、急遽招聘された来日11戦全敗のタイ人に落ち着いてしまった。ただし、見方を変えれば東洋ランク再登載に絶好のチャンス到来とも言えるだろう。
対するウィラチャイは自称戦績9勝(5KO)12敗。しかし来日戦績は0勝11敗という徹底したもので、06年度はJBCの招聘禁止選手として指定されていた。前回5月の来日でも戦意の低い試合振りで白星を配給。その後、何故か東洋ランクに登載(フェザー級12位)されたが、少なくとも日本で名目上の実力とパフォーマンスを期待するのは……。
1R。山崎は自分の距離を意識しつつ、左ジャブ中心の攻め。右ストレートやボディブローで断続的にヒットを重ねる。ウィラチャイは戦意の低い形式的な抵抗に終始。
2R。山崎はこのラウンドもジャブ起点にストレート中心の淡々とした攻め。ウィラチャイはラウンド後半からやや手数を増やすが、これは山崎が手堅く捌いた。
3R。ウィラチャイが手数、圧力を増してボディ中心に攻め、小差ながら数的有利。山崎もジャブから反撃するが、守勢に回って手数負けした形。
4R。淡々とした内容の3分間。互いにジャブ、ワン・ツー、ボディと手数浴びせるが、ヤマ場無くヒット数もロースコアでほぼ互角。山崎の攻めあぐみも目立つ。
5R。山崎は接近戦に狙いを切り替え、ショートフックを上下に散らして手数とヒット数を稼いでゆく。ラウンド終盤に右ストレートを有効打し、ロープに詰めて更に追撃。漸く優勢らしい優勢のラウンドを作った。
6R。淡々とした打ち合いが続くが、山崎が右でスリップ気味のダウンを奪うと、ウィラチャイの戦意は急低下。あとは形ばかりの抵抗を見せつつ、嫌倒れ気味に2回のダウンを重ねて3ノックダウンとなった。
山崎は、熟練の“スタントマン”の消極的抵抗に遭い、やや攻めあぐみながらも自動的KO勝ちに持ち込んだ。今日は相手も相手、評価の対象外とした方が良いだろう。今日得たランキングを元手にして、次こそ骨のある同格以上の相手との試合が組まれる事を望む。