駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部「Dramatic Boxing/610 BOM-BA-YE」(大阪帝拳・六島ジム共催)概要&雑感

夜の部は形式上は共催の形式を採っているが、全試合で赤コーナーを六島・奈良六島ジム勢が占めているように、実質的には“オール六島興行”と言っても良いような構成。4回戦7試合に10回戦2試合で計9試合・48Rは昼夜興行の夜の部としては観客側の負担を考えるとギリギリのボリュームだろう。事実、全試合終了は21時を軽く回り、土曜の夜とはいえ、帰途を急ぎつつ空腹をどこで満たすか頭を悩ます時間設定となった。この業界では今回に限らず夕方から休憩無しの4時間興行というパターンもまま見受けられるのだが、筆者個人としてはこのような観客に負担を強いるタイムテーブルは正すべき悪弊であると考えている。この事案は興行を打つプロモーター・ジム関係者の皆さんに是非とも検討して頂きたいところだ。
さて、今興行のメインは六島ジムの次将格で世界下位ランカーの安田幹男が、元日本ランカーの実力者・村井勇希[Gツダ]を相手に迎えた10回戦。WBC10位台後半の地位を長年キープしながらも、日本・東洋ランク登載やタイトルマッチへの展望が開けない中、何とか業界内へ安田の実力をアピールしようという試みだろうか。もう1試合の10回戦であるセミファイナルは、日本タイトルマッチの計画が不運にも頓挫した山崎晃の、タイ人が相手となるチューンナップ試合だ。
ところでこの興行は、会場奥にスクリーンを設置し、六島ジム勢を中心に選手紹介や試合の“煽り”VTRを放映した。まだ映像のクオリティには改善の余地が若干残されている印象だが、こういった試みを行う事自体には諸手を挙げて賛成したい。映像を使用した会場内演出は、既に総合格闘技K−1、ボクシングの世界戦をはじめ、プロレスの中小団体でも盛んに行われている。団体によっては映像製作専門の子会社を持っている所まであるほどだ。安価で比較的高性能のデジカメが普及している昨今、やろうと思えば大抵の興行で映像を使った色々な事が出来るはずである。今後も六島ジムに続くプロモーターやジムが現れる事を願って止まない。