駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第7試合・ミドル級6回戦/●羅刹寛考[京都拳闘会](4R2分53秒TKO)福森智史[正拳]○

セミファイナルはミドル級の西日本新人王対決。04年西日本覇者の羅刹と06年西軍代表の福森が相対する。
羅刹は6勝(3KO)3敗の戦績。今年は3月に05年西日本新人王の辻保裕[六島]を降しており、今回は新人王首狩り作戦第2弾。5月にはB級トーナメント緒戦で敗退しているが、内容は互角以上との風評もある。
福森は5勝(3KO)1敗1分。今回が昨年末の全日本決勝以来の再起戦。
1R。ショート〜ミドルレンジの打撃戦。羅刹がジャブ、フック中心の外側から浴びせるパンチを多用するが、福森はこれらを堅実に捌きつつ、ジャブ、ストレート、左ボディと懐へ抉り込む攻勢でヒット数大差。
2R。このラウンドも同じ展開。フック中心に攻める羅刹がガードを開けた体の内側へ、福森が的確な攻撃を浴びせて大差の形勢。守備も手堅い。羅刹は果敢に攻めて強い抵抗を見せるが、左ボディを抉られてダウン寸前の大ピンチ。何とかゴングに救われたが、10-8がついてもおかしくない内容。
3R。福森の圧倒的優勢。羅刹は懸命に上下へフックを散らすが、福森はこれを堅実に捌いてジャブ、ストレート、そして左ボディのクリーンヒット。更には左アッパーまで繰り出し、まさに自在の攻め。
4R。このラウンドも福森のワンサイド。手堅いディフェンスと的確なジャブでリードを広げ、ストレート、左ボディを淡々と、それでいてエグくめり込ませてゆく。最後はやはり左ボディ。連続被弾で戦闘能力を奪われた羅刹を見て原田レフェリーが止めに入った。
福森が再起戦を最高の形で飾った。堅実な攻守に加えて破壊的な左ボディ。更には新兵器の左アッパーまで披露して完勝。
羅刹は今日の所は完全に力負け。タフネスぶりを発揮して粘ったが、全く攻略の糸口を掴めずじまい。そもそも不調だったのか、実戦勘も鈍く感じた。