駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・ウェルター級契約ウェイト(65.0kg)8回戦/○大崎丈二[ウォズ](6R1分58秒KO)ゴーントラニー・ボースラサック[タイ国]●

OPBFのSライト級9位・大崎は11勝(6KO)3敗2分の戦績。03年にデビュー。04年にライト級で新人王戦に挑むも西日本2回戦で敗退。しかし翌05年はSライト級にクラスを上げて再挑戦し、4KOを含む5連勝で全日本制覇を達成する。だがA級に昇格して迎えた06年シーズンでは、緒戦こそ判定勝ちを収めたものの、当時ノーランカーだった西尾彰人[姫路木下]に際どい内容ながら連敗。再起後は東洋ランカーを降し、北陸遠征でもKO勝ちするなど復調気配ではあるが、未だ往時のパフォーマンスには及ばない現状である。
対するゴーントラニーは自称戦績15勝(9KO)9敗。過去に韓国ライト級タイトルの獲得経験があり、現在はタイ国Sライト級6位に据えられている。来日は過去に3度あり、03年には長島謙吾[18古河]、度紀武彦[アポロ・引退]に判定負けを喫しているが、今年3月に来日した際には、元日本1位の古豪・鷹條直人[中日]を2RTKOに沈めている。


1R。ゴーントラニーは様子窺いつつ強打一発狙い。これに対して大崎は慎重に被弾を避け、ジャブ中心の攻めでヒット、手数でロースコアながら完封勝ちの10-9。
2R。ラウンド開始直後、ゴーントラニーが右を浴びせて一瞬空気が凍りつくが、大崎は冷静にジャブでヒットを返し、更にワン・ツーで手数も稼ぐ。左フック上下ダブルなど見栄えするコンビネーションも披露して、ここもキッチリ逆転。
3R。ゴーントラニーは相変わらず単調な攻めだが、ワン・ツーは強烈で脅威的。大崎はワン・ツーや右アッパーで攻略の糸口を探っているが、このラウンドは被弾も度々で微妙な形勢。
4R。両者手数少ない、明らかに一発狙いの試合振り。淡々とした内容のままラウンド終盤を迎え、ここでゴーントラニーが右2発を有効打。
5R。大崎がやや攻め気を出し、前進しながら強打を放つ。しかしゴーントラニーも手堅く立ち回り、大崎の攻めを捌きつつ自らも強打をお返しする。ラウンド全体で見れば牽制、フェイントに費やす時間が長く、凡戦ムードが漂って来た。
6R。大崎はジャブ、ワン・ツーでややアグレッシブに手数出すが、ゴーントラニーはブロック手堅く、反撃に重たい強打を見せられて今一つ乗り切れない。だがラウンド後半に突入して間もなく、大崎の放った左ボディフックがクリーンヒットしてゴーントラニーは悶絶。唐突なKOで幕は下りた。
凡戦気味の強打合戦の中で、大崎が一瞬のチャンスを逃さず左ボディ一発でKO勝ち。手堅いファイトスタイルを否定は出来ないが、この凡戦傾向はセミ・メインの常連選手としては何とかしたい。攻略のきっかけを掴むパターンをもっと増やしておきたい。