駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第2試合・フライ級6回戦/●川島雅弘[松田](判定0−3)戎岡淳一[明石]○

両者戦績は川島4勝(0KO)3敗1分、戎岡15勝(6KO)10敗3分。サウスポーの川島は今年のフライ級西軍代表となった松浦克哉[松田]に中日本決勝で敗れて、これが再起戦。戎岡は8月に元世界王者ホセ・アントニオ・アギーレを降したが、世界ランクはWBC21位で歩止まりし、現在は日本Lフライ級8位という肩書き。
1R。川島は頭を低く下げつつ手数攻め。これに対し戎岡はワン・ツーで迎撃を狙うが、なかなか的を捉え切れずヒット数乏しい。ほぼ互角の内容ながら格下・川島の健闘が光る。
2R。このラウンドは戎岡が先手の攻めを意識して手数豊富に攻める。川島が反撃して左ストレートで冷や汗をかかせるが、戎岡はヘッドスリップ、ステップワークで攻勢を概ね空転させて、後を封じる。小差から微差の内容だが、戎岡が互角以上。
3R。両者アグレッシブ。ワン・ツー、ジャブを互いにステップで躱し合う互角の展開。戎岡が手数、主導権争いでややリードするが、ラウンド終盤に川島がヒットを返して情勢は混沌となる。
4R。川島がラウンド前半に先手の攻めに出て左フックでヒット連発するが、ややオープンブロー気味か。戎岡はやや消極的な試合振りだったが、ラウンド後半にロープを背負った場面でフックを強烈にクリーンヒットさせ、流れを一気に引き寄せる。
5R。中間距離での攻防戦。共にジャブ、ワン・ツー、フックを繰り出す正攻法の戦い。川島がラウンド前半に先攻し、後半は戎岡が巻き返して互角の展開。
6R。ショート〜ミドルレンジの打撃戦。ほぼ互角の手数、ヒット数で接戦のラウンド。ヒット数、手数、攻勢もほぼイーブンで、川島の健闘が光る。
公式判定は野田58-56、原田58-56、土屋58-57の3−0で戎岡。駒木の採点は「A」57-57イーブン「B」60-57戎岡優勢。
戎岡が相手のペースに巻き込まれて6回戦ボーイ相手に小差の苦戦。ムラの多い選手ではあるが、今日は明らかに悪い方のパターンにハマってしまった。
川島はアグレッシブに手数を出し、技術戦でも互角に渡り合ったが、各ラウンドで後半の90秒で追い上げを緩し、明確に優勢のラウンドを作れなかった。健闘は光ったが、“善戦マン”という印象が残った試合。