駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第3試合・フェザー級6回戦/△石東正浩[Gツダ](判定1−1)玉越強平[千里馬神戸]△

両者戦績は石東7勝(3KO)2敗、玉越19勝(8KO)5敗5分。石東は敵地でタイ人OPBFランカーに判定勝ちする快挙の後、6回戦で連勝。一気に日本ランクへ挑む。玉越は8月にOPBF王座挑戦失敗からの再起を果たし、再びタイトルマッチへ向けての道を歩み始めている。現在は日本Sバンタム級3位のランキング。
1R。アグレッシブな打撃戦。石東はガード固めつつ圧力をかけ、打ち合いでも互角。ボディアッパー、フック、ストレートと浴びせてゆく。玉越も踏み止まりフック、ボディアッパーをお返ししてヒット数では互角に持ち込んだ。
2R。このラウンドも石東はアグレッシブに攻め立てるが、玉越は怯まずボディフックで動きを止めて、牽制に使う左や右ストレートでヒット数優位。石東もフックで応戦するが、ここは粗さが目立った。
3R。玉越しが強引な圧力攻勢でボディ中心にヒットを浴びせて先制。石東はラウンド後半から圧力をかけ返し、ロープに詰めて連打を浴びせる。形勢は微差の範疇。
4R。両者圧力のアピール力強く、ラフな打撃戦となる。ショートボディ、アッパーの打ち合いで迫力ある殴り合いが展開された。ラウンド前半は石東が迎撃気味にヒット数を稼ぐが、玉越も後半巻き返して接戦。
5R。密着しながらの打撃戦。石東が力任せに強打を振るって攻勢点で優位に立つが、玉越は狙い済ました左フックで技術の高さをアピールする。このラウンドも際どい。
6R。泥仕合気味の乱打戦。玉越が形振り構わぬ圧力ボディ攻めでヒットを稼ぎ、やや優勢か。石東は強引に手数を出すが空転した。
公式判定は野田59-56(石東支持)、宮崎58-56(玉越支持)、北村58-58の三者三様ドロー。駒木の採点は「A」57-57イーブン「B」59-58玉越優勢。
激闘の6ラウンズは三者三様のドロー。今日の玉越は消極さが鳴りを潜め、相手のラフファイトに応じてアグレッシブに闘い続けた。勝ち切れず肩を落としてリングを降りていたが、この内容は結果以上に誇れるもの。ここ数年の玉越の試合で指折り数えられる好ファイト。
石東は持ち味を出し切り、堅い己のガードに頼らず溺れずよく攻めた。パンチを当てる技術に日本ランク上位との差を感じたが、ここを鍛えれば更に強くなる。