駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第4試合・Sフェザー級6回戦/△竹下寛刀[高砂](判定1−1)佐梁孝志[明石]△

両者戦績は竹下11勝(8KO)6敗、佐梁7勝(1KO)9敗。03年度フェザー級西日本新人王でサウスポーの竹下は今年入っての2試合で連敗してしまった。佐梁は7月にA級初勝利。次の目標は星勘定を五分に戻す事か。
1R。佐梁は、いつも通りの圧力攻勢。竹下はこれに対する抵抗が弱く、左フック、アッパーを被弾してしまう。打ち合いでは反撃もする竹下だが、ヒット数の比較では佐梁が優勢。佐梁の愚直な攻めが機能している。
2R。このラウンドも佐梁の攻勢。何度と無くロープに詰めてショートを次々と打ち込む。竹下も迎撃の形で連打を放ち、一時はロングレンジでスウェーからの攻撃で見せ場も作ったが……
3R。またも佐梁の圧力・強打攻勢だが、竹下も連打を返してリング中央でラッシュを見舞うシーンも。しかし佐梁も屈せず、頭を付けて圧力攻勢。手数も絶やさず攻め立てた。
4R。佐梁の攻勢が続く。竹下はラウンド序盤には連打で対抗したが、ガス欠に陥って中盤にはロープ際に追い詰められてしまう。強引な佐梁のラッシングをジャッジがどう評価したか?
5R。佐梁のしつこい攻めに竹下は抵抗もままならない。連打を返す場面もあったが、打ち合いでも佐梁が粘り勝ち。
6R。このラウンドも佐梁の強引な攻勢。竹下は距離を開けて痛打を浴びせるが、守勢に回った時間のほうが長い。
公式判定は北村59-56(佐梁支持)、野田58-56(竹下支持)、原田57-57の三者三様ドロー。駒木の採点は「A」59-55「B」60-56で佐梁優勢。佐梁の強引な攻勢に対し“アグレッシブ”要素の優越を認めるか、「乱暴な突進」として採点に反映させないかでジャッジの点数が上下5点と大きく割れた。
佐梁が大健闘の試合ぶりも、強引過ぎる攻めの姿勢がジャッジに評価されずドロー。技術的には頭打ちの傾向があり、これ以上の進展には疑問が残るが、だからこそ今日の試合は勝っておきたかった。
竹下は体力・気力不足が窺えた。パフォーマンスに走るのはまだしも、あからさまな態度でひたすら守勢に回る時間が長くては……。相手の攻めの姿勢が問われてドローを勝ち取ったが、自力での勝利は厳しい内容。