駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第5試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.0kg)6回戦/●小路尚也[Gツダ](判定0−3)武本康樹[千里馬神戸]○

両者戦績は小路9勝(3KO)4敗1分、武本10勝(3KO)1敗2分。小路は山本敏充[江坂]を降した7月に続いての“新人王狩り”を狙う。武本は現在日本フェザー級6位。3月の児島芳生[明石]戦でランク入りを果たした後、前回6月では元日本ランカー・金井晶聡[姫路木下]を負傷判定ながら破って勢いに乗っている。
1R。小路は今回もラフな圧力・強打攻勢だが、やや強引過ぎる印象も。武本は安易に受身に回らず果敢に手数を出して応戦。ヒット数でも互角以上に持ち込んだ。
2R。小路の攻勢に対し、武本はタイミングの良いジャブ、ストレート迎撃で足止めすると、更にワン・ツー、アッパーでヒットを稼ぐ。小路もラウンド終盤にロープへ詰めてラッシュを敢行したが、クリーンヒットや有効打には繋がらず。
3R。小路の攻勢が再び有効。武本もストレートをカウンターで決めるなど見せ場を作るが、小路はロープ際だけでなくリング中央の打ち合いでもフックを有効打してみせる。武本もアグレッシブで激しい打撃戦となった。
4R。武本は足を使ってジャブ中心のアウトボクシング。小路をリング中央に足止めして、軽打中心ながら攻防一体の試合運びで主導権ガッチリ。
5R。小路が追い足を強めて再び攻勢に立つ。武本の抵抗を跳ね返すように右ストレート、アッパーを決めてゆく。だがラウンド終盤、武本も力強く迎撃し、形勢は際どい。
6R。小路がロープに詰めて先制するが、すぐさま武本がアッパー連打で迎撃して巻き返す。ガス欠気味の小路だが、力を振り絞って懸命の抵抗。それでも動きの落ちない武本のショートアッパーが一枚上。
公式判定は原田60-54、北村60-55、土屋59-56の3−0で武本。駒木の採点は「A」58-56「B」60-57武本優勢。
武本が相手の圧力をジャブ、アッパーの迎撃で足止めし、そこから反転攻勢に出てヒット数でもリード。技術と体力の差を見せ付けてランカーの“格”を見せ付けた。
小路はアグレッシブで強引な攻勢を見せたが上手くあしらわれた形。ファイター型に転向してから快進撃が続いていたが、ひとつの壁に当たった気はする。