駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第1試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.0kg)6回戦/●ウィレム・レイク[インドネシア](判定0−3)武本在樹[千里馬神戸]○

両者戦績は、レイクの6勝(3KO)無敗3分(自称)、武本21勝(12KO)7敗1分。レイクはインドネシアフェザー級5位で今回が初来日。世界挑戦失敗からの再起戦である武本はブランクの間にWBAランキングから陥落し、現在は日本フェザー級5位。
1R。レイクはランクなりのパフォーマンス。手足のスピードは平凡で、一本調子の手数攻勢を仕掛けてくる。武本は無難に相手の攻撃を捌きつつ、少ない手数ながらも左ジャブ、フック、右ストレートで着実にヒットを重ねる。
2R。ショートレンジ打撃戦。レイクの攻勢を捌いては武本がジャブ、ワン・ツーという、やや単調な展開。それでも武本はラウンド終盤に左アッパーを交えてヒットを稼ぎ、ポイント奪取に成功。
3R。武本は右強打を前面に出してKO狙いも、やや意図が露骨過ぎてガードされる。レイクは守勢に回って攻め手が無いが、武本もなかなか攻略出来ない。
4R。武本は上下にフックを散らし、右ストレートへ向けての伏線を張る。ラウンド中盤にはワン・ツーから左でクリーンヒットに繋げるが、畳み掛けずに足踏みする悪癖がまたも顔を覗かせる。その後は淡々とした流れのまま。
5R。このラウンドもショート〜ミドルレンジで淡々とした打ち合い。武本が右ストレートでヒットを奪うも、なかなか決定打は奪えないまま時間が過ぎる。しかし終了ゴング直前、アッパーから右ストレートをクリーンヒットさせ、レイクの腰がガクンと落ちる大ダメージ。ノックダウン級の一撃だったが、残り時間が余りにも少なかった。
6R。このラウンドも武本ペース。ややアグレッシブに右ストレートを振りかぶるが、ここも決定打を打ち込むまでに時間を要してしまう。ラウンド終盤、漸くフックを交えつつ連打を決めてポイント争いにダメを押す攻撃。しかし結局仕留められないまま試合終了のゴングを聞いた。
公式判定は宮崎60-54、原田60-55、野田60-55の3−0で武本。駒木の採点は大差開いた5Rを10-8で固定して「A」「B」いずれも60-53で武本優勢。
武本が格下の東南アジア人を相手に、無難な試合振りで再起戦をクリアした。以前よりややアグレッシブが出たようにも感じたが、ベテラン選手がこの短期間で地力や試合振りが激変するはずもなく、良くも悪くも「いつもの武本在樹」という内容であった。今後は世界ランカー級との試合から世界再挑戦を窺う模様だが、どこかで世界奪取に繋がるだけの新味を見せて欲しいものだ。