駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第7試合・バンタム級契約ウェイト(53.0kg)6回戦/●松元雄大[Gツダ](判定0−3)ジェロッピ・メルガド[千里馬神戸]○

両者戦績は松元6勝(1KO)3敗2分、メルガド12勝(5KO)1敗2分。松元は06年のフライ級西日本新人王で、7月には同期バンタム級西日本新人王の橋詰知明[井岡]を降す小波乱を起こしている。メルガドは比国出身選手で、現在も同国Sフライ級5位のランキング保持者。今年6月から千里馬神戸ジム預かりの状態で2戦して2勝、そして今回から晴れて千里馬神戸ジム所属の輸入ボクサー扱いとなった。
1R。メルガドは、まさにいぶし銀の距離コントロール。自分のパンチだけが当たる距離からジャブ中心に手数を稼ぎ、主導権を確保。松元は時折ジャブ連打→右などのコンビネーションで攻めるが、自分のペースが掴めず厳しい流れ。
2R。松元が圧力を強め、クロスレンジで手数攻勢に。メルガドはこれにやや押されつつも左を器用に使って巧みな迎撃。受身に回って“アグレッシブ”要素で見劣ったが、あとは互角以上。
3R。膠着気味の展開。メルガドのタイミング良いショートが度々有効打となり、形勢が傾いてゆく。松元も圧力をかけつつ反撃を試みるが、メルガドの技術の前にラウンド終盤には沈黙。
4R。松元がアグレッシブに圧力・手数攻勢を仕掛けるが、メルガドのクロスレンジからのアッパーの方が印象的か。松元は手数こそ出しているが正確性今一つで、アピール度に欠ける。
5R。クリンチが増えて泥仕合気味の展開に。松元は先手で圧力攻めを仕掛けるが手数が減って、ただ抱きつきに行く場面が目立ち始めた。メルガドは散発的ながらも的確なアッパー攻撃で印象的な場面をメイク。
6R。松元はここもアグレッシブな攻勢。しかしメルガドはややトリッキーなスタイルからアッパー、フックを叩き込んで逆襲。松元は強振で一矢報いようとするが空転、持ち味を封殺されたまま終わった。
公式判定は宮崎60-54、坂本59-55、北村59-56の3−0でメルガドが来日3連勝を達成。駒木の採点は「A」59-55「B」60-56でメルガド優勢。
“若手ハンター”メルガドが鮮やかに来日3連勝。相手の攻勢をアッパー中心に迎撃してポイントを稼ぎまくって大差判定勝ち。KOに繋がるシーンは無く、アグレッシブさも物足りないが、技術は匠の域に達しており、今後もノーランカーのA級選手の前に立ちはだかるポリスマン役となりそうだ。
松元は完全に攻勢が空転。ペースを乱されたためか、最後はバテ気味になって手数も減った。今日の所は相手の技術が一枚、二枚上だった。