駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第8試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.5kg)6回戦/○森川弘幸[高砂](判定3−0)福原寛人[江見]●

両者戦績は森川7勝(1KO)3敗1分、福原7勝(2KO)3敗5分。森川は4月にA級初勝利を飾っているが、6月に日本ランカー・児島芳生[明石]への挑戦に失敗して今回が再起戦。福原は5月に日本ランカー・西尾彰人[姫路木下]とのリマッチに惜しくもドローとなって、今回が半年振りのリング。
1R。ロングレンジでのフェイント交えた技巧戦。福原がストレートで先制するが、森川はラウンド後半からヒット連発して挽回。福原は左ボディをヒットさせるが、効かせる程には至らず。
2R。福原が強打攻勢で畳み掛けるが、森川は足を使いつつ速いジャブ、ストレートで抵抗。ゴング前には右アッパー→左フックと決めて一気に挽回。
3R。森川は福原の左に合わせて右クロスからボディを狙う。福原は一発強打に賭けるが単発気味。2Rに森川のパンチで切った左目付近の出血も酷くなってきた。
4R。ラウンド序盤、福原は勝負を急いで猛ラッシュ。しかし決め手の右ストレートが不発で失速。森川は冷静にカウンターでヒットを量産し、中盤以降を優勢に運んでキッチリ逆転。
5R。中間距離での打撃戦。福原の右が先制打となるが、その後はスピードが乗らずに尻すぼみ。逆に森川の強振が次々と決まってゆく。福原は明らかに絶不調。
6R。クロスレンジ乱打戦。ゴツゴツという音が聞こえて来そうな打ち合い。福原の右ストレートもインパクトがあるが、森川の細かい連打もキレがある。このラウンドは互角で、森川の逃げ切り確定。
公式判定は坂本60-55、原田59-55、土屋59-56の3−0で森川。駒木の採点は「A」59-55「B」60-57で森川優勢。
森川は距離を取っての迎撃作戦で新味を見せて大差判定勝ち。パンチ力の劣勢をスピードと回転力の優位でフォローして内容の伴った勝利。大振りも目立ち、まだランカー級とは完成度で差があるようにも見えるが、この試合で何かを掴んでくれれば。
福原は動きが鈍く、パンチも精度欠ける絶不調。ランカーに再び挑むためには負けられない試合だったのだが……