第４試合・ウェルター級６回戦／●石橋正和[六島]（判定０−３）パリンヤー・ジョッキージム[タイ国]○

両者戦績は石橋４勝(1KO)３敗、パリンヤーも自称４勝(1KO)３敗。石橋は西日本新人王決勝で敗れて以来の再起戦。タイ国ウェルター級６位のパリンヤーはこれが３度目の来日。過去２戦は５ＲTKO負けと８Ｒ判定負け。
１Ｒ。パリンヤーはのらりくらりとたリズムから単発のストレートやワン・ツー。Ａ級選手としては平凡だが、本気を感じる攻勢。石橋は様子を見過ぎて手数少なく、出すパンチも迫力不足。
２Ｒ。ラウンド序盤からパリンヤーのストレート、ワン・ツー連打が優勢。石橋は中盤から手数増やすも威力に乏しい。逆にパリンヤーはワン・ツー、ボディなどのコンビネーションを浴びせつつ、石橋の攻撃を余裕持って捌いてゆく。
３Ｒ。パリンヤーはボディ狙いとステップバック中心のディフェンス。コミックショー的なパフォーマンスまで交えつつ、先制の有効打を奪う。石橋は相変わらず消極的な試合運びで、めっきり手数の減ったパリンヤーを攻め切れない。
４Ｒ。パリンヤーが上下の打ち分けを利かせた連打で先制。石橋はカウンターで迎撃狙うが、スピードの差で思うに任せず主導権も握れない。ラウンド中盤以降、パリンヤーは露骨に無気力な様子を見せつつ、悠々とポイントアウトを狙う。
５Ｒ。パリンヤーは省エネ狙いか、受身に回り始め、攻めにも迫力が消えた。それでも被弾する度に同数以上のパンチをすぐ返し、ラウンド中盤には右ストレートを３連発でヒット。終盤の打ち合いもことごとく優位に立って、ここもポイント奪取か。
６Ｒ。このラウンドも石橋は実にやり辛そう。パリンヤーも手数は少ないが、ストレート系パンチでヒット奪って優勢。ラウンド後半も打ち合うたびにワン・ツーを決めてゆく。石橋は最後まで見せ場を作れずじまい。
公式判定は宮崎60-55、原田59-56、北村57-57の２−０でパリンヤー。駒木の採点は「Ａ」60-54「Ｂ」60-56でパリンヤー優勢。
石橋はスピード不足とパワーの乗らないパンチが解消せず、終始大苦戦。コミックショー的なパフォーマンスに走るタイ人を全く攻め切れない惨敗であった。専門誌の戦評でも「57-57の採点は不可解」という辛辣な観戦記が付記されたが、それも甘受せざるを得ないだろう。