駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・フライ級6回戦/○吉田ファンキー[奈良六島](判定3−0)鈴木遼[尼崎]●

両者戦績は吉田4勝(2KO)1敗1分、鈴木4勝(0KO)4敗2分。この試合から本名の吉田雄佑から文字通りファンキーに改名した吉田は西日本新人王戦決勝で敗れて以来の再起戦。鈴木は今年2月、10月と金城吉廣[正拳]に連敗して勝率が五分になってしまった。負け越しには転落したくないが……
1R。中間距離、ジャブ起点の攻め合い。先手を獲った吉田ペースで推移し、鈴木はやや攻めあぐむ印象。両者明確なヒットは乏しいが、確実にジャブの数で上回った吉田がリード。
2R。鈴木がアグレッシブに出ようとする所、吉田は右クロスと左フックを合わせて主導権を手放さない。それでもラウンド後半に鈴木が再び前、前へ出つつ手数を放つ。それに対して吉田も渋太く渡り合い、両者クリーンヒット無いまま互角の内容。
3R。ショートレンジ打撃戦。ラウンド序盤は鈴木のアグレッシブさも目立つが、中盤には吉田の腰の回転が安定したボディを交えた攻めが有効。終盤にはお互い小さく見せ場を作り小差のラウンド。
4R。ミドル〜ショートレンジ、軽打中心の攻防。ジャブが的確な吉田が少しずつリードを積み重ねてゆく。手数で見劣る鈴木は一発強打で見せ場を作りたいが果たせず。
5R。ショートレンジ打撃戦。両者ボディ連打から次に繋げようと狙う展開だが、ここも吉田が優勢。上下にし散らした連打で手数を重ねる。鈴木も勝利への意欲を感じさせるが、戦術が単調でアピール出来ず。
6R。鈴木は圧力かけつつ手数攻勢。しつこくショートを上下に浴びせてゆくが、吉田も打ち合いでは互角に渡り合い渋太く抵抗。両者決め手を作れず互角のラウンド。
公式判定は原田60-55、北村60-55、坂本59-55の3−0で吉田。駒木の採点は「A」58-56「B」59-57で吉田優勢。
決め手に乏しい打撃戦となったが、確実に手数で上回った吉田がポイントアウト。公式採点の点差ほどの力量差は感じられないが、勝利は明白。今後はもっとダメージブローを磨きたい。
鈴木は伸び悩みが続いて連敗を脱せられず。今日はアグレッシブさがカラ回りして、ジャッジの支持を集められなかった。パワーか回転力が身につけば随分と印象も違って来ようが……