駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第8試合・フライ級契約ウェイト(50.0kg)10回戦/○戎岡淳一[明石](4R2分38秒TKO)トンタイレック・ポー・ウォラテン[タイ国]●

戎岡は16勝(6KO)10敗3分の戦績で現在日本Lフライ級7位、WBCフライ級25位。98年にデビュー、00年に挑んだ新人王戦は西日本決勝で敗退。その後は実力確かな相手とのハードなマッチメイクを重ね、勝ち負けを繰り返す白黒の使い分けが派手な戦績を重ねていたが、05年6月に元世界王者・ピチット・チョー・シリワットを逆転KOで降し、世界ランカーに浮上する。06年1月には日本タイトルに挑戦するが惜しくもドロー。その後は格下相手に苦戦を重ねてランキングも降下、昨年8月には元世界王者ホセ・アントニオ・アギーレに判定勝ちして再浮上のきっかけを掴んだように思えたが、続く11月には6回戦ボーイに手を焼いて流れに乗り損ねた印象も。
対するトンタイレックは自称戦績8勝(7KO)7敗でタイ国ミニマム級5位。これが二度目の来日で、06年8月の初来日では池原繁尊[横浜光]に3RTKO負けしている。07年にはWBOのアジアパシフィック・ミニマム級王座に挑戦して2RKO負けのキャリアも持つ。
1R。戎岡はジャブを起点に強振も交えつつ攻めて手数でリード。トンタイレックは動きにキレがあるが、1〜2階級の体格差もあってパンチがなかなか届かない。両者ともクリーンヒットなく、まずは無難な立ち上がり。
2R。戎岡はここも左ジャブからフックに繋げる攻めで優勢。トンタイレックも堅実な守備とアグレッシブな強振で反撃するが、体格の差が反撃を阻んでしまう。戎岡のヒットも軽打中心で、決手に欠ける内容。
3R。トンタイレックがアグレッシブさを増し、打撃・乱打戦模様に。戎岡は一旦退がるシーンもあったが、右を有効打して見せ場を作った。
4R。戎岡が左ジャブ、ボディ中心に間断なく手数を出して主導権確保。トンタイレックも強打で攻めたが次第に圧され気味となり、最後は戎岡の右ストレートがズバズバと決まり、トンタイレックは背中を見せるなど戦意喪失してTKO決着となった。
戎岡が階級下のタイ国ランカーを無難に退けた。決定打に欠けた場面も多かったが、相手が消耗した所を見逃さなかったのは立派。欲を言えばもう少しメインイベントに相応しいハイライトシーンを作ってもらいたかったが。