駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第7試合・フェザー級6回戦/○脇本雅行[高砂](判定3−0)ヨドチャンチャイ・シッスーイ[タイ国]●

両者戦績は脇本6勝(3KO)1敗でサウスポー、急遽来日が決まった27歳のタイ人・ヨドチャンチャイは6勝(2KO)3敗と自称。脇本は11月の再起戦に続いての6回戦出場で、これに勝てばA級昇格となる。
1R。脇本は右ジャブ起点に左ストレート、右アッパー、左右ボディと自在の攻め。ヨドチャンチャイはムエタイとの兼業を疑わせるぎこちなさの残る動き。ボディのガードが甘く、被弾多し。
2R。脇本はこのラウンドも積極的に連打で攻めつつ、やはりボディ中心にヒット連発。しかし重さを感じさせるクリーンヒットが無く、KOの予感がしない淡々とした内容に転落。ヨドチャンチャイの抵抗も覇気が無く、凡戦ムードに拍車をかける。
3R。脇本は右ボディフック中心の攻めで大差リードも、ここでも決定的場面を作れない。ヨドチャンチャイは6回戦の日本人選手と比較しても力不足明白で、ボディのガードも依然として拙いまま。
4R。淡々とした脇本優勢のラウンド。脇本のパンチは打ち抜いていない印象で、軽打の山を重ねるのみ。
5R。ヨドチャンチャイは、やや積極性が出て来たが体格差によるリーチの劣勢とボディのガードの甘さは如何ともし難く、徐々に脇本のリードが広がってゆく。しかし内容的には決定打の無い凡戦。
6R。脇本はこのラウンドも非力なジャブ、ストレート中心。ボディブローもレバーとは反対側の腹を叩いている。ヨドチャンチャイはロープ背負いつつ淡々と受け流して、待ち焦がれた試合終了の時まで立ち続けた。
公式判定は坂本60-54、野田59-55、半田59-55の3−0で脇本。駒木の採点は「A」「B」いずれも60-54脇本優勢。
脇本が非力な攻めでダルファイトを演出。タイ人ノーランカーにこの内容は頂けない。率直に言って落第点の内容。敗戦からの再起以降、精彩に欠ける試合が続いている。