駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第6試合・Sバンタム級6回戦/○小笠原和寿[明石](判定3−0)チェン・ペットジンダー[タイ国]●

両者戦績は小笠原5勝(2KO)4敗1分、チェンは11勝(5KO)8敗だが裏付け資料に乏しい。小笠原は前回11月のB級2戦目で判定勝ちしてA級に王手。チェンはタイ国Sバンタム級8位。過去の来日は4戦4敗で、松田直樹[帝拳]らランカー相手を相手にいずれもフルラウンド判定まで粘っている。
1R。チェンはガードを固めて専守防衛。久々に戦意乏しいタイ人が来た、という印象。小笠原は左フック中心に迫力ある強打を打ち込むが明確なヒットに繋がらず。
2R。このラウンドもチェンはガードを固め、時折思い出したように小笠原の打ち終わりに反撃する。小笠原は、やはり明確なヒットを奪えぬが手数と攻勢点で優勢確保。
3R。ここもチェンはガードを堅くして余裕のディフェンス。反撃する回数も増えてくるが、ポイントは小笠原に譲る形。小笠原は攻めがワンパターンで、チェンを揺さぶるフェイントも欲しい。
4R。小笠原の工夫の無い攻めとチェンの確実なディフェンス、申し訳程度の反撃に終始したラウンド。
5R。このラウンドも淡々とした流れ。小笠原は堅実な守備で被弾を容易に許さないのが救い。チェンは手数を増やしたものの、相変わらず戦意に乏しい。
6R。チェンは唐突にギアチェンジ。アグレッシブに攻めて行って、カウンター合戦で圧倒。荒っぽい投げで減点1を喰うが、若い日本人から主導権を強奪。小笠原は明らかに消耗し、右ストレートをクリーンヒットされてフラフラになるが、何とか3分間粘り切った。
公式判定は坂本、野田、浦谷の三者いずれも59-55で小笠原。駒木の採点は「A」「B」いずれも59-54で小笠原。
小笠原が老獪なタイ人からレッスンを課せられて苦闘。1〜5Rは一方的に攻めさせてもらえたが、本気で攻めて来られた6Rにはたちまちグロッギーに。攻守のメリハリ、工夫、そしてフェイントなど駆け引きを覚えていかねばA級では伸び悩みそう。