第２部第６試合・フェザー級８回戦／●松村勝[ウォズ]（２Ｒ１分01秒ＴＫＯ）玉越強平[千里馬神戸]○

松村は８勝(3KO)５敗のサウスポー。03年にデビュー、同年３連勝で04年の新人王戦に挑むも初戦敗退。再起戦でＢ級に昇格し、６回戦を３勝１敗でクリアすると、06年６月にはタイ国遠征に出て世界ランカーのナパーポンに挑んだ（５ＲＴＫＯ負け）。Ａ級では現在１勝３敗だが、今年４月には上原裕介[大鵬]相手に幸運な負傷判定ながら勝利している。今回は10月に西正隼[正拳]に敗れて以来の再起戦。
玉越は19勝(8KO)５敗６分の戦績で、現在Ｓバンタム級でOPBF14位・日本３位。99年にデビューし、00年の新人王戦では西日本決勝まで進出。その後は01年いっぱいまで６回戦〜８回戦で苦戦続きの停滞期を経験するが、02年から５年余りに渡って無敗をキープ。03年には当時無敗・日本１位の池原信遂[大阪帝拳]に土をつけて日本ランクに躍り出て、04年６月には負傷ドローに終わるも中島吉兼[角海老宝石・引退]が保持していた日本タイトルに挑戦している。07年６月には強豪王者ウェート・サックムアングレーン[タイ国]に挑戦、ダウンを奪うなど大健闘するも逆転判定負けに終わった。間もなく再起し、現在はウェートへの再挑戦を目指し実績作りの途中。前回07年11月には石東正浩[Ｇツダ]にドローとされ、停滞中なだけにこの試合は落とせない。
１Ｒ。松村はいつも通りの積極策。これに対して玉越はクリンチワークやジャブの牽制で主導権を窺うが、松村のフックをまともに被弾して苦しい場面も。
２Ｒ。このラウンドも松村はアグレッシブに攻めるが、玉越は冷静に機を窺い、いきなりの右ストレート一撃！　痛烈なノックダウンから松村は何とか立ち上がるが、完全に効いており棒立ちで追撃を浴びてすぐさまレフェリーストップ。
玉越は１Ｒに打たれるシーンもあってヒヤリとさせるも、堅実な守備やインサイドワークで凌ぎつつチャンスを窺い、僚友・武本在樹を髣髴とさせる右ストレート１発で試合を終わらせた。今日は本当に久々となる文字通りの快勝。技術にジワジワと積極性が噛み合って来て、漸く充実の時を迎えたか。
松村は１Ｒから全力投球、短い時間ながら持ち味も出して彼の実力なりに健闘した。この負けは純粋に地力の絶対値の差。