駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

毎年、春と夏の2回が定例の尼崎ジム興行だが、この年末に“臨時版”となる3回目が、ホームグラウンドの尼崎アルカイックホール・アクトで開催された。これは去る9月に日本Sウェルター級王座決定戦を制し、チャンピオンの座に就いた野中悠樹が、JBCルールに規定された「空位決定戦の勝者は3ヵ月以内にJBCの指名する者と防衛戦を行われなければならない」という義務を果たすために急遽設定された興行である。
今回は何でも奇跡的なタイミングで会場の確保が果たせたとかで、関係者の苦労も相当なものだったようだ。後楽園ホールのような、ボクシング興行を最優先に回してくれる常打ち会場が無い関西では、指名試合をホームで行う事からして大変な負担になるようである。IMPホールが後楽園並みに融通の利く状況になればと無いものねだりをしたくなる。
さて試合展望だが、メインのタイトルマッチで野中に挑むのは音田隆夫[一力]。最近は活躍の機会をなかなか与えてもらえない状況が続いていたが、粘り強くランキングを上げてチャンスを待って来た執念が実った形。タイトル初挑戦の場で持ち前のパワーを活かせるか。野中はこのトップコンテンダーを退ければ長期政権も見えて来る。セミでは本田猛[尼崎]と松元雄大[Gツダ]の8回戦。当初はランキングマッチの予定だったが、前日発表された12月ランキングで無念の陥落。再ランクインを目指す出直しの場となった。勿論、松元にとってもランキング候補者入りを狙える格好のチャンスである。興行の規模は急な企画ゆえか前座を含めて全6試合・36Rと小規模になったが、所要時間的には適正なだけに、内容で勝負してもらいたいところだ。
なお、この日はタイトルマッチの主審として東日本から福地レフェリーが出張。内藤×山口戦を裁いたかと思えば、こちらで日本タイトルマッチを裁くとは正に東奔西走。名誉職とはいえ大変なものである。


※駒木の手元の採点は「A」(10-9マスト)「B」(微差のRは10-10を積極的に採用)を併記します。「B」採点はラウンドマスト法の誤差を測るための試験的なものですので参考記録程度の認識でお願いします。公式ジャッジの基準は「A」と「B」の中間程度だとお考え下さい。