駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・Sフェザー級8回戦/○森川弘幸[高砂](6R1分19秒TKO)大庭宏之[西遠]●

森川は8勝(1KO)5敗1分の戦績。4回戦時代は新人王戦で2年連続予選敗退と平凡な戦績に終始したが、06年9月、12月に6回戦を連勝すると、07年4月の初8回戦でプロ入り初のKO勝ちと徐々に台頭。その後は2度の日本ランク挑戦に失敗するも、骨のある相手に好内容の接戦を続けており、A級中堅に定着した感がある。今年は3月、7月と連敗しており、最後に今年の片目を開けたいところ。
大庭は9勝(3KO)8敗2分。98年デビュー。同年から00年まで3年連続で新人王戦にエントリーし、00年に中日本決勝まで進出するが、後のOPBF王者國見泰央 [カシミ・引退]に敗れた。再起後は6回戦で連勝するも、1年1〜2戦のペースでの活動で、タイトル戦線には交わらない独自の活動を続けていた。A級昇格後は3勝5敗と負け越しているが、敵地遠征やランカー挑戦も含んだ数字。前回は地元戦で伊藤康隆[東海]に判定勝ちしている。
1R。ラウンド序盤、大庭はミハレス式の左右手数攻めで先制。しかし中盤からは森川が右フックのカウンターを起点にクロスレンジでボディ攻め。他の場面でも右フックを要所で決めてメリハリのある攻防をアピール。
2R。森川は頭低く下げ、ガードも固めた上でオーバーハンドフックで攻勢。上下フックに左右アッパーで鋭いヒットを重ねて優勢。大庭もアッパー、フックで反撃するが、自分の距離で戦えていない。
3R。ショートレンジの打撃、乱打戦。大庭が先制するも森川が回転利いたフック、アッパーでヒット、有効打連発。左フックのクリーンヒットがインパクト大。大庭も粘り強いが数的劣勢でポイント争い苦しい。
4R。大庭はぎこちなくステップを踏んでアウトボクシング狙い。しかし森川は追い討ちして右をヒット。ラウンド終盤には再び手数を繰り出す大庭だが、森川は右のヒットを追加してリードを広げてゆく。
5R。森川はヒット&アウェイ狙いに出る大庭を捉えてボディ打ち。主導権の奪回を目指す大庭だが、森川がガンガン追い討ちして優勢。大庭は手数出してアグレッシブだがガード甘く、これがヒット数の差に繋がっている。
6R。ショートレンジ打撃・乱打戦。手数の応酬が続いたが、大庭がフラついたところで森川すかさず連打をヒット。宮崎主審が早めに勝負を止めた。点数状況を考慮しての“コールド勝ち”か。
森川が持ち味を存分に発揮して完勝。固いガードと低い姿勢、精度のある連打と日本ランクが狙える所まで地力が育って来た。
大庭はガードとステップワークが、A級中堅以上のレベルに混じるとやや甘い。これをどう修正するか。