駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sフェザー級契約ウェイト(57.5kg)6回戦/○脇本雅行[高砂](判定3−0)大木良祐[千里馬神戸]●

両者戦績はサウスポーの脇本が7勝(3KO)2敗、大木6勝(2KO)4敗。脇本は3月にタイ人を難なく降したものの5月に不覚のTKO負けで2敗目を喫し、今回が再起戦。大木は7月に1勝を挙げて、昨年11月の敗戦からの再起を果たしている。
1R。ロングレンジ中心の攻防。共に相手のジャブ、ストレートを躱し合う、ヒット数の少ない内容。脇本が先手で攻めてアグレッシブさアピールするも、大木も軽打でヒットを重ね主導権争いでは優位。採点要素上ほぼ互角の内容。
2R。ミドル〜ロングレンジの攻防。手足のスピードで勝る脇本が左ストレートで先手。大木もよく反応して攻勢を凌ぎ、右ストレートやフックで反撃するが、決定打を作れず。脇本が先んじた分だけポイント争いは優位か。
3R。大木のフック狙いに対し、脇本が左ストレートでカウンター。ラウンド中盤から脇本は勝負に出て連打をヒットさせてリード。大木は強打で応戦するがクリーンヒットに至らず、ヒットの質と量で上回った脇本のが小差ながら優勢のラウンド。
4R。ラウンド前半は大木の攻勢。ボディワーク、ステップ、ガードを駆使する脇本の守備が手堅いが、大木が手数と攻勢点で優位に。後半に入ると脇本も左で反撃するが、大木の攻勢が止まらない。
5R。両者攻め合い、捌き合い。大木の右フック、脇本の左ストレートが交錯するが、共にクリーンヒット無く、軽打と当たり不完全な強打の応酬。実に採点の難しいラウンド。
6R。距離詰まって打撃戦。脇本が左を鋭くヒットさせるが、大木の攻勢も粘り強い。しかし脇本は勝負処で値千金の左クリーンヒット。この1発分のリードを最後まで守り切って貴重な1ポイントを獲得か。
公式判定は原田60-56、坂本59-56、宮崎58-56の3−0で脇本。駒木の採点は「A」58-56「B」60-57で脇本優勢。
両者駆け引き、守り合い激しく、明確なヒット数は少ない接戦になった。脇本が左ストレート中心にスピードを利したアマ出身らしい試合振りで主導権を握り、際どい試合を制した形。
大木は強打攻勢で前へ出て行ったが、スピード負けした分空振りが多くなり、攻勢点を確保し切れなかった。6回戦でも通用する能力ではあるが、流石にこのレベルの相手ともなると分が悪いか。