駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第7試合・ライト級契約ウェイト(60.0kg)8回戦/●川波武士[大鵬](2R2分59秒TKO)森下裕己[新日本大阪]○

川波は11勝(6KO)2敗1分の戦績で、現在は日本Sフェザー級6位。02年にデビュー、連続KO勝利を挙げて03年の新人王戦に挑戦、緒戦を突破するも棄権でリタイヤ。翌04年の再挑戦は初戦敗退でプロ初黒星と挫折を味わう。1年2ヶ月のブランクを経て05年に復帰し、以来4連勝でA級昇格。A級2戦目の坂井允[鈴鹿ニイミ]に敗れるが、短期間で再起してそこから連勝を伸ばしている。07年8月の香川遠征では、日本ランカー・藤田和典[倉敷守安]に勝利して日本ランクも獲得し、前回12月には調子を崩しながらも金丸清隆[正拳]の挑戦を退けて日本ランク防衛に成功した。
森下は8勝(4KO)2敗。04年にデビュー。2戦目以降1年以上のブランクを作るが、05年末から本格的に活動を開始し、06年には新人王戦にエントリーしてライト級で西日本タイトルを獲得(西軍代表戦で敗退)。07年6月に再起してからは短期間で6回戦を3連勝。じっくりと時間をかけて実力を貯め、今回は初の8回戦にして日本ランク挑戦である。
1R。いきなりの大乱打戦。スピード感欠ける印象の川波は、森下の右フック、左アッパーをモロに浴びてしまい、効いた素振りを再三見せる。ショートフックやボディ連打で反撃したが劣勢は否めない。
2R。このラウンドも乱打戦。川波の右ストレートが森下を仰け反らせるが、森下も右中心に反撃し、終了ゴング前にはロープに詰めて連打からの左フッククリーンヒットで川波を失神に追い込む完璧なノックダウン。間もなくタオル投入でストップとなりTKO裁定も、カウント100数えても立てない類のダウンだった。
森下が得意の大乱打戦でジャイアント・キリングに成功! A級緒戦にして日本ランク入りを確実にした。被弾しつつも笑みを浮かべながら戦う様は「鬼気迫る」といった趣。06年の西日本新人王決勝も然り、余程殴り合いが好きなのだろう。
川波は今日も精彩を欠く動きで、スピード不足が顕著。体のキレも悪くコンディション調整の失敗が明らか。今日でなくとも早晩のランキング陥落は間違いないパフォーマンスで、これは一度心身をリフレッシュさせ、ある程度の時間をかけての建て直しが必要だ。