駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第7試合・Sバンタム級6回戦/●倉田稔[進光](判定0−2)松井博史[奈良]○

両者戦績は倉田4勝(0KO)1敗1分、松井4勝(2KO)1敗。倉田は昨年5月、新人王戦でドロー敗者扱いに終わって以来の再起戦。松井は昨年4月、11月と連勝。新人王戦の参加資格もあったが6回戦昇格を選択した。
1R。ミドルレンジ中心の打撃戦だが、パンチ力に欠ける両者だけに軽打中心で決定力不足。倉田がラウンド終盤に右2発ヒットしたのが少ないヤマ場か。松井も動きと手数は遜色なし。
2R。倉田が回転利いた左フックのダブルなどで軽打ながらヒット数リード。松井もジャブ中心に絶えず手を出し、主導権争いでも譲らないが、倉田がラウンド全体でも少ない見せ場を独占している形。
3R。倉田はこのラウンドも先手。右アッパー有効打から一気にラッシュ。しかし焦って決め切れず膠着。松井もダメージは無く、変わらず応戦しているが主導権は見失う。
4R。手数が出るが、大勢には影響しない軽打合戦からスタート。倉田が時折手数をまとめて攻勢をアピールする。松井は立ち回りが淡白。手数は出ているのだが。
5R。このラウンドも倉田が先手。ショートレンジの打撃戦から左ボディをヒットして更に追撃。松井もクロスレンジで手数固めてゆくが、インパクトには欠けて互角か微差不利か。
6R。倉田が前、前へ。松井は迎撃したいが、それを実現するだけのパワーに欠ける。ラウンド後半、ようやく松井も反撃の有効打。ボディフック→アッパーと追撃して優勢確保。倉田は失速しつつも粘って試合終了に持ち込む。
公式判定は半田59-57、坂本58-57、野田57-57の2−0で松井。駒木の採点は「A」58-56「B」59-56で倉田優勢。
非力な両者による、手数の応酬に終始した試合。松井は6Rに明らかな優勢を獲り、その差を判定結果に直結させた形。だが10-10としたくなるような、ダメージブロー皆無の決手欠けたラウンドも多く、票が割れなかったのが不思議なぐらい採点が難しい試合だった。曲がりなりにも攻勢をアピールしていた倉田には随分辛い採点というのが率直な印象。