駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・Sバンタム級4回戦/○高野誠三[明石](4R2分32秒TKO)黒石昌司[江見]●

両者戦績は高野が3勝(2KO)1敗1分。サウスポーの黒石は2勝4敗1分。前年度西日本新人王戦バンタム級準Vの高野は、12月末に好ファイトで再起を飾った。しかし今年のトーナメントには不参加で、この試合にB級昇格を賭ける。黒石は初の京阪神圏登場。前回11月に敗れており、これが再起戦。
1R。高野はジワジワと圧力掛け、主導権を握っておいて先手で狙い撃ち。右ボディで先制する。しかし黒石も左フックで高野に冷や汗をかかせて一進一退の立ち上がりとなる。だが終了ゴング前、高野は連打で左フックをクリーンヒット。黒石はガクンと腰を落としてダメージ大。
2R。高野のペースが続く。右ストレート、フックを踏み込んで打ち込み有効打を相次いで見舞うが、やや単発気味か。黒石はステップワークがスムーズで、ソツの無い攻守を見せて踏み止まる。カウンターで高野を脅かす場面も。
3R。高野が圧力掛けて優勢。黒石も足を使い左のダブルなど見栄えのいい攻撃も見せたが、高野はガード固めつつのヒット&アウェイで右ショート、左フックをクリーンヒット・有効打して大差優勢。
4R。黒石は逆転KO狙いのアグレッシブな攻め。高野はラウンド序盤こそ後手に回るが、左ボディやショートワン・ツーなどをヒット&アウェイで打ち込み、最後はボディ連打を効かせてストップ勝ちをもぎ取った。
高野がヒット&アウェイ作戦で得意の左フック、右ストレートを次々と決めて完勝。これほどの実力がある選手が新人王に出ないのは実に惜しい、というか最早罪ですらある。このまま裏街道を歩ませるのは勿体ない素材だが、このままいけばA級到達まではあっという間だろう。
黒石はソツなく足を使い、左のダブルもスムーズに放つなど、4回戦では“上級編”のテクニックも一通りマスターしている。戦績以上の力があると断言して良さそうだ。新人王戦に出てくれば、ダークホース以上の有力候補となるだろう。