駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第4試合・フライ級4回戦/●奥本貴之[Gツダ](判定1−2)田中飛依[緑]○

奥本はプロデビュー戦とコールされたが、JBCのプロライセンスを取得する前にタイ国で2戦経験しており、“非公式かつ正確な”戦績は1勝(0KO)1敗。前回07年5月の対戦相手は、今日メインに出場しているラタナポンである。田中は5勝(1KO)1敗の戦績で、08年の中日本フライ級新人王。11月の西軍代表戦で加藤毅[ヨシヤマ]に敗れて以来の再起戦。
1R。奥本はロープ背負って半身の構え。ハンドスピードとボディワークはレベルが高いが、精度が悪くパンチ当たらず噛み合わない展開に。田中の圧力攻勢に対し、左カウンターを1発決めて効かせるが、後が続かず。ただ、このラウンドは田中の攻めは空回りしておりポイントは奥本。
2R。共に空振り多く、噛み合わず膠着気味の内容。田中の攻勢が主導権奪う形となるが、ヒット数に乏しく微妙な展開。奥本はホールディングと後退多く、消極的なファイトに終始。
3R。奥本は強引に組み付いてショートを狙うが、ラフすぎて「乱暴な突進」と紙一重。田中はこの突進を嫌がりつつもショートアッパー突き上げて一応の形を作る。しかし試合は全く噛み合わず凡戦ムード。
4R。このラウンドも膠着気味だが、圧力かける奥本を田中が左で迎撃。クリンチに来る所をアッパー突き上げる。奥本は前に出なければという気持ちが空回りしてボクシングにならず。ラスト30秒の打ち合いでも田中が優勢。
公式判定は野田39-37、半田39-38(以上、田中支持)、宮崎39-38(奥本支持)のスプリットで田中。駒木の採点は「A」39-37「B」40-37で田中優勢。
田中は相手の突進に苦しんだが、懸命の迎撃で一応の形を作って判定勝ち。これはキャリアの差だろう。大混戦でも攻守のレベルが違った。
奥本はスピードの豊かさには素質の高さも伺えるが、技術面がまだまだ。ボクシングの競技が出来ておらず、今日はまるでレスリングの試合のようだった。「15歳の大物ルーキー」の看板は捨て、1人の新人選手としてキャリアを作り直して欲しい。