駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第7試合・フライ級6回戦/●西村崇[ヨシヤマ](判定0−3)鈴木遼[オール]○

両者戦績は西村5勝(1KO)4敗、鈴木4勝(0KO)5敗2分。西村は9月、11月と連勝して一気に6回戦へ台頭している。尼崎ジムから移籍の鈴木は、07年11月以来の復帰戦。
1R。鈴木は圧力かけてジャブ、フック連打。西村はヒット&アウェイで捌きたいが、主導権を奪われて後手に回る。鈴木はアグレッシブに細かい連打打ってヒット数を稼ぎながら右ストレート狙い。西村は懸命のカウンター作戦も不発。
2R。西村は鈴木の圧力を食い止めて左中心に牽制し、連打も放って受身ながら小差リード。鈴木は前に出たい気持ちが空回り気味。攻勢点と手数でどれだけポイントを稼げたか微妙。
3R。鈴木は圧力強く、クリンチ気味に組み付いては連打で手数を稼ぐ。西村はラフな攻勢の前に受身。時折連打で応戦しても、ロープを背負いっぱなしでは厳しいか。
4R。このラウンドも鈴木の強引な攻めからの右が有効。西村は離れた距離ではジャブや右アッパーを魅せるが、主導権は鈴木。その鈴木もやや強引過ぎる所もあり、攻勢明らかな割にはダメージブローが稼げない。
5R。鈴木、このラウンドも強引なアタックだが、強引過ぎてクリンチで膠着してしまう。西村は隙見て迎撃し、手数をアピール。鈴木は最後まで攻めあぐみ、スタミナ切れの兆候も。これは「攻勢」ではなく「乱暴な突進」と取られかねない。
6R。このラウンドも鈴木は強引だが、今度は手数も出て優勢。西村は非力さ目立って迎撃も弱々しい。鈴木は左フックの有効打を追加し、更に圧力強めていくが、ここでスタミナ切れ。もう一歩のところで手が止まってしまった。
公式判定は坂本59-55、川上59-57、半田58-57の3−0で鈴木。駒木の採点は「A」58-56「B」60-56で鈴木優勢。
鈴木が移籍緒戦を強引な圧力攻勢で制して、久々の勝利。ただし6回戦で戦うには、体力・技術面共に課題が残っている。
西村はここ2戦の好成績も、4回戦当時と地力面は変わり無さそう。パンチ力もこのレベルでは平凡で、迎撃作戦だけでは捌ききれなかった。スピードとフィジカル面も物足りない。